アメリカの宗教について モルモン教を例にして。
ことし74歳になるトランプ大統領、彼を支えるプロテスタント信者たち。宗教を外してアメリカは語れない。
*2017年1月20日に就任したトランプ大統領。1月中旬に書いたブログである。アメリカで『ファンタジーランド』(未邦訳)という本が現在ベストセラーになっている。(ニューズ・ウィークの文化欄から)イギリスからアメリカへ移民をした過激な清教徒。宗教の側面からアメリカ人のメンタリティーを説いた本らしい。私は16世紀ヨーロッパの宗教戦争(カトリックVSプロテスタント)にばかり目をやっていたが、アメリカに移住した清教徒もカトリックを殺せと言ったりたり、魔女裁判まであった。同じプロテスタントでも迫害をしたり、隣の人と疑心暗鬼の暮らしをしていて、同じ宗派でないと信用しない閉鎖的な精神構造を持っている。だからまとまるためには『旗』や『歌』が必要なのである。人工国家アメリカである。だから極端にぶれやすい弱さを持っている国民といえる。現代もテレビやラジオを使ったキリスト教の新興宗教の布教をしていて、名建築家を使い、巨大な教会を作っている。
アイダホから妊婦さん帰国。どこにある州?大統領選挙。
お正月に、娘の同級生がアイダホから我が家を訪ねてきた。小学生のころから娘のように可愛がって一緒に遊んでいた子だ。京阪にある大学の工学部を出て、結婚してアイダホのボイシに住んでいる。アイダホというとポテトの州ということだが、果たして地理的にどこにあるのか調べてみた。街の人に『日本はどこにあるか知っている?』と聞くとある米国人は『中国の中に日本があるんでしょう』と答えたと彼女は笑って言っていた。
日本人のアタマの中には世界地図が入ってる人は多いが、アメリカ人は大して他国に関して興味を持っていないらしい。テレビは連日、クリントンとトランプの大統領選挙ニュースを見ていたが、初めは街の人たちもあたかもクリントンに投票するようでいて、アイダホもクリントン有利になっていたが、ふたを開けるとトランプでひっくり返り、びっくりしたらしい。日本のメディアだけでなくアメリカのメディアも間違った。彼女に『アイダホ通信』というブログを書いて欲しいくらいだ。主婦目線で。
アイダホ州のボイシは日本人が少なく、じろじろ見られる。映画『ファーゴ』や『バクダッドカフェ』『ミスト』を見た人なら、閉鎖的でよそ者を疑心暗鬼で伺うアメリカ人のローカル性はわかると思うが。妊娠5ヶ月なので月に1回産婦人科へ通うが、会社が医療保険をかけてくれているので安くて済んでいる。しかし、通常分娩なら生んだ次の日には退院させられる。産婦人科では1分診療で『ほかに何か聞きたいことはありますか?』『ありません』『では来月また』でチョン。母子手帳にあたるものがないので、シアトルにある日本領事館に申請してもらうとのこと。そこで様々な乳幼児向けの予防注射リストを見て打ってもらうらしい。他国での出産は大変だ。予定はあと4年間。バイリンガルの子供になるね。
『隣近所付き合いはどう?』と聞くと『それがね、主人もあまり付き合ってないみたいで。実はここはモルモン教徒が多くて勧誘させられる危険があるのよ』アイダホ州の南がユタ州で州都ソートレークシティーはモルモン教の本部所在地。なるほど信者が多いわけだ。宗教的な迫害で西へ西へと旅をしたモルモン教徒が砂漠の真ん中に1847年に居を構えた。5000人の人口からスタート。北に塩湖がある。アメリカ国内のプロテスタント同士の宗教戦争があったのである。
しかし、この場所はもともとインディアンの土地なので彼らを追い払って住んでいることになる(虐殺した)。現在、アイダホ州で7箇所のインディアン居留地を設けている。さらに『おじさん、ここに戦争中、日本人がたくさん収容された跡地もあるんですよ』。調べると確かにある。
旧約聖書、モーゼのエクソダス(出エジプト)で、シナイ半島をぐるぐる回って、一行は前から住んでいたアラブの部族を虐殺していった。私からみたら似たような宗教史をモルモン教徒も繰り返している。モルモン教の教祖ジョセフ・スミス・ジュニアは1844年暴徒に殺されている。以降、フロンティアを求めて西へ移動。教義に関しては私は暗いが、一夫多妻、男尊女卑。収入の10%は教会へ寄附。キリスト教学者の中ではモルモン教をカルトに位置づけている人もいる。自転車で日本中を元気に布教している学生風の人たちはモルモンだ。
1月3日、思わぬ妊産婦の来訪で『アイダホ州』を勉強させてもらった。アメリカ国内のキリスト教の会派や分布、さらにラジオやテレビを使った布教活動など、その教義を含めて勉強しないとアメリカはわからない気がしてきた。彼女は1月10日にアイダホへ帰る。ボイシから時速100キロで6時間走り、イエローストーン国立公園へひとりで行ってきた逞しい女性だ。
2020年初めに彼女は子供二人を連れて帰国した。リモートワークに励んでいる。シシテムエンジニアの仕事をしている。
昔の少年。
身近に感じるアメリカでさえ理解するのが大変な国のようですから、ましてや世界中のどの国も住んで見なければ分かりませんね。海に囲まれ比較的安全地帯の我が国ですが、最近は諸外国からの圧力も目立って来ましたね。お互い史実の主張で対立したりしていますが、真実はどこにあるのか?その真実さえ曲げられて伝えられていたのか?現代の若者たちには理解すらできないでしょうね。さらに様々な宗教(宗派)が複雑に絡めば、本来は心の支えになるはずの宗教が争いのきっかけにもなって殺戮さえ行われていますね。コロナ禍が治まれば、また海外旅行も復活するのでしょうが、最低限お互いの国内事情を知らなければ気軽な海外旅行などできませんね。
seto
日本・韓国・中国の3か国で同じ歴史の教科書をつくる必要があります。対立は両論併記です。数字についても(たとえば南京大虐殺や強制連行の数と死者)など3か国が同時に学べて、不明なところは今後、新しい資料が出たら載せるという教科書でドイツとフランスが同じ教科書で学んでいます。アメリカは胴体部分が太いですから、そこは閉鎖的で自分の州さえ出たことない人が大勢住んでいます。知らない人が行くとジロジロ見られます。日本列島は細いので盆地以外は開放的な場所が多いです。