IMGP6036-1

今井昇撮影 羊蹄山

日本銀行の発表では、動かないお金が1000兆円あるという。預貯金らしいのだが・・・。親の平均年齢が上がるとともに、遺産相続を受ける子供たちの年齢も上がり、いまでは67歳くらいで遺産を相続する人が多いと言う。お金が高齢者同士の間で回っていて、若い世代には落ちてこない構造だ。

遺産を早めに生前から動かせるように、子供の住宅取得のためなら幾ら幾らまで無税とか、孫の教育費に使うなら信託を利用して、早めに高齢者のお金を社会に吐き出させる工夫を金融機関は仕組みを作っているが、高齢者はなかなか使わない。貯める。貯める。目的は将来の漠然とした不安。100歳を超えた金さん銀さんもテレビや取材で儲けたお金を貯める理由を「老後の心配」と言っていたからね。私の身近にも100歳を超える母親を抱える人が数人いる。親より先に自分が逝くと笑っていた。

低金利の世の中だから金庫・金庫だ。お金を使うのは難しい。使い方でその人の価値観が現れる。しかし、いまの高齢者は日本が貧乏な時代を骨身に滲みて知っている。亡くなった父親を思い出しても、貧乏ゆえに進学を断念して満州へ渡った。ここまで地味な生活をするのかというくらいに、生活レベルを上げなかった。定年と同時に小さな家を買い、車も持たずにバスと電車とタクシーを利用した。

お陰で、私たち3人兄弟は、親の老後には一切、お金の心配と財産トラブルは発生しなかったが、ひとつひとつの家族で事情は全部違うので平均的な解決がありそうで実はない。聖人君子の集まりならともかく。こういうとき一人っ子って得するように私には見えるがどうだろうか。しかし一人っ子であるがゆえに親二人の面倒を見る義務も出るから厳しいい現実もある。私の世代は大学進学する者、できなかった者、教育にお金をかけない家庭も身近に多かった。親の遺産の話はまるで天空の話かと思っていたら、自分たちの話になっていた。

知り合いで、実家の水田を不動産会社へ売却して、母親が世話になった特養老人ホームへ500万円寄付した篤志家もいる。なかなかできることではない。こういう使用目的が明確な寄付っていいなと思う。申し訳ないけど、赤い羽根募金など市町村自治体の天下り先の人件費に使われるより、意義ある寄付行為だと思う。隣町の保健部長が定年でJRで赤ら顔で会った時、次はこの町の社協の事務局長に就任すると威張っていたのを見ていたから、新鮮な行為に思える.

定年後、お金の使い道がなくて、海外旅行ばかりしている人もいるし、高級車を乗り回しているのもいるが、少数だ。日本には「親のいない児童」が3万人暮らしている。日曜深夜、日テレで「ママに会いたい」を見ていた。いろんな事情で親が育てられない子どもたちが集団で暮らしている。こういう施設に、もう遺産は要らない60代が隠れて寄付できる制度が出来ればいいなと思う。1000万円以上なら、その恩恵は特養老人ホーム優先入居権利。

お金は高齢者間で回る以上に、実はお金持ち同士で回ってるのが正解かもしれないなと思い直す。そして、お金は「トリクルダウンしない」。貧は貧の連鎖を生んでいるだけだ。最近、スマホ1本で20万30万と振り込んでくれる仕組みもあるという。まずは親に頼ってみて、次は普通の金融機関だ。スマホではない。

平均67歳で親の遺産を享受する人もいれば、私の遠縁でコンビニ経営失敗。累積1500万円の融資を本部から受けて、返済を迫られて実の母親に老健施設で「母さん、早く死んでくれ。」と耳元でささやいた叔父もいた。酷薄だ。

 

  1. 私の親は一切の財産も、借金も残さなかったですね。また私たち兄弟姉妹も端っから遺産など考えた事も有りませんでした。遺産相続となればいろいろと大変なのでしょうね。家内の親が最近亡くなりましたが、生前に実家を継いだ弟から遺産相続放棄のハンコを強要されました。押印し返送しましたが、その後の付き合いは切りました。元々わずかな遺産でもめる事には反対でしたし、大した財産でも無い事も分かっていましたし、親の面倒を診ている弟夫婦に全てあげていいと思っていたのでしたが、親の考えさえ無視し、やり方が強引で一方的だったので家内も、その無神経さに飽きれていました。その後の関係はギクシャクした結果、あれほど慕っていた母親の葬儀にさえも出ないまでになってしまいました。わずかな財産でも兄弟姉妹の絆も壊れる元ですね。考えれば、財産も一切無かった私の両親に感謝ですね。

    • たとえ親の面倒をみたとはいえ、電話を1本かけるだけでずいぶん気持ちは違うのにと思うことがあります。私の父は次男坊で長男が農地を引き継ぐことになり、財産放棄の印鑑をもらいに自宅に来たことがありました。しぶしぶ父は押印しましたが、母親はずっとそのときのことを思い出しては、「あのあと、その土地を売って、町中に戸建てを建てて。こちらも3人の子育てしているんだから、財産を少し分けてくれてもいいのに」と言ってました。私が中学生時代ですね。お金のかかる暮らしが続いている現代で、遺産をめぐる争いはもっと多くなります。子どもがいないならいないで甥や姪が突然現れて愛想よくなるケースもあります。話変わって推理小説はイギリスが発祥ですが、中流社会の層で起きてる事件ですね。金と権力・愛欲ですね。特に財産をめぐる殺人が多くのテーマです。財産争いからしばらく目が離せません(笑い)遺言を書く人も増えてるらしい。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です