人生の真実の目的は(エピクロスより)
「エピクロス」(岩波文庫80p)から
われわれは、人生の真実の目的は、肉体において苦しみなく、心境において平静なこと・・・・・。紀元前4世紀のギリシャの思索者エピクロスは、「正しい人は、最も平静な心境にある、これに反し、不正な人は極度の動揺に満ちている」とも。紀元前342年から271まで71歳で死去するまで活躍した人だが、ここまでストレートに書かれると後は言うことなしだ。
ときどき思うのだが、体に苦しみなく、気持ちが平静であれば、縄文時代のことを考えても食べ物があればのんびり小さな集団で食べて、昼寝をし、子育てをしながら、太陽が沈めば遠くで聞こえる獣の声に怯えながら家族身を寄せ合って静かに暮らすことをしていた。彼らは「人生の目的とは」なんて大それたことを考えることもなく、ただ淡々と日々を過ごしていた。縄文語があったとして、どういう会話や身振りで相手に伝達していたのか興味深いが・・。
亡くなったサイエンスライターの立花隆さん「読書脳」〈文藝春秋)に「黒いアテナ」が紹介されていた。西洋古代史をギリシャ文明から始めることに否(ノン)をマーティン・バナールが突き付けたのだ。ギリシャ文明の前に黒褐色系のエジプト文明やユダヤ系やアジアの文明に起源があるということを証明した本。そういわれると、NHKのテレビでアテネのパルテノン神殿はもともとエジプトにある色彩豊かな色で塗られていたのを、大英博物館の館員が塗料と刷毛で真っ白にした作為だという。実際、わずかに残された塗料の破片からパルテノン神殿をCGで再現したら、まるでエジプトの神殿が浮かび上がった。ヨーロッパで大論争が起きた。1785年から1985年まで200年にわたって、古代ギリシャの捏造(この中にオリンピックも入る)をヨーロッパはし続けてきた、いやそれは偏見だ。この本は近所の図書館にはないので札幌市立図書館に1冊だけ見つけた。
エピクロスの話から「黒いアテネ」の話に行ったのにはわけがあって、何かと、私もついついギリシャを天下の宝刀のように枕詞で書く癖がある。オリンピックにしてもヨーロッパ貴族が下々に戦わせて高みの見物をする・お遊びイベントにすぎない。ローマのコロシアムで行われた奴隷同士の戦いの二番煎じである。平和とは全く関係がないどころか、政治的な批判力を麻痺させるために行われた。戦い好きな人々に本能を植え付ける作用を加速させているに過ぎない。
とりとめのないブログになってしまった。ある人いわく、そもそも人生には目的なんかないんだと言う人もいる。意図的に作っているだけだと。目的は後付けの理屈でしかない。好きだからあることをし続けられるのがサイコーの人生だと。とはいえ、新型コロナやウクライナクライシスで肉体や経済の乱気流に我々は流される。2020年に入って乱世を好む人が飛び出してきた。テレビやユーチューブで叫んでいる。しかし、「真実は低く静かに語られるから」耳をそういう人に傾けたい。
坊主の孫。
目的は殆どが途中で考える事ですね。何をしているかわからない時間の方が遥かに多くて、途中で「一体?何をしているのだろうか?」と考え直して軌道修正しながら気づいてたどり着くのが目的ですね。万事が絶対に計画通りには行きませんからね。
seto
夢中で何かしているときが一番充実した、幸福な時間ですね。さっき道路でスッテンコロリン、肘を打つ。痛かった!人生の目的は無駄な転びをしないこと。