恵み野通信(初秋)
1)エアコンの掃除と室外機にカバーをかけて冬への準備です。庭のススキは全部刈り取り、40ℓ袋3箱に入れる。ボケの花もビニールでぐるぐる巻いて、御用の松にも豪雪で痛まないよう、ロープで囲う。明日からはバラの冬囲い。20本以上あったバラも手入れ悪くて今では10本になってしまった。ガーデニングは体力と筋力と美的感覚とお金ですね。男の場合、大工的な器用さがないといい仕事にならない。大きな150坪はある芝生の庭にバラを植えている近所のご主人に聞くと、冬が来る前にバラへは全部お礼の肥料をしているんだと言う。私も残りのバラの肥料を根元に置いた。
2)90歳になった映画監督新藤兼人さんと95歳になった吉行あぐりさんの対談本(朝日新聞社 2003年)を読んでみた。お二人の長生きと健康を保たせているのが散歩と仕事、そして子どもたちとの程よい距離だ。吉行あぐりさんは対談当時、美容室を70歳以上限定のお客を結っている。新藤兼人監督も妻である女優乙和信子さんを亡くした後もシナリオ書きと監督で仕事を持っている。仕事への熱情が人生を支えている。新藤さんは鉛筆でシナリオ書きを続けている。チビチビしたらそれでもいい。生きるエネルギーが出てくるのは仕事なんですね。他人と関わる、第三者から必要とされる仕事ですね。
3)私の住む町内に13年以上、1000戸の町内会をまとめて会長をしている篤志家がいる。83歳、先だって奥様が亡くなり一人暮らし。ボランティア活動を積極的にしていてフットワークがいい。月に1回、好きな映画の上映会を実施もしている。元々中部日本放送でアナウンスされていた人で活舌や新聞3紙を購読しているからニュースにビビットだ。町内ニュースも聞けるから便利だ。しかし、町内あちこちの草取りや花植えにボランティアが動員される回数が半端ではない。有償にすればいいものをと前から思っていたことでもある。一度「タダで働かせることができたら」自治体はつい継続してしまう。
昔の少年。
父親は花を愛でる人だったのに?どうした訳か私は花を植えたり育てたりする事をしません。全て妻の仕事ですが、彼女も合理的で庭を花いっぱいにはしません。ホームヘルパーの初期の頃から試験を受けて市や区のセンターに所属していた頃には多くのご家庭の体の不自由な方々のお世話に飛び回っていましたから、見事なバラや花のお庭を見ていて手入れの大変さを聞いていたのでしょうか。我が家に今、咲き誇っているのは隣家との境界に種から植えられたお遅咲きのコスモスのみですが、例年になく育ちすぎて背丈を越して見事な塀代わりになっています。これも今暫くが見ごろで、もう暫くすれば根から抜いて片づける予定です。澄川の高台に住んでいた頃に庭に木が沢山ありましたが、落葉樹の場合は庭掃除も大変で、しかも地中の根が下水管の水音に反応してか水を求めて管を壊してしまいましたから、今の住まいでは庭木は桜の一本のみになりました。芝も年に数回だけ刈り取りますが直ぐに伸び、雪になる前にもう一度は刈らなければいけなくなりました。今、我が家では干し柿づくりをしています。子供の頃に田舎で体験した干し柿を妻に教えたところ、近所の奥様たちにも教えて毎年の行事になりました。柿が獲れる田舎とも疎遠になっていますから、今は島根県から取り寄せています。毎日、日差しさえあれば外に干し、曇ったり雨の日は物置小屋の干場で風にさらさせています。程よくなった頃、お湯につけて揉んでまた干してを繰り返し、一カ月ほどすれば出来上がる筈です。既にあちこちから頼まれていて行き先は決まっています。毎日散歩がてら観察に来るお婆ちゃんも居ますが此の方にも頼まれています。見ず知らずの人でしたが、少し離れたところの方で3歳の孫を手押し車に乗せて町内を散歩していますから、私は子連れ狼を連想して『大五郎がまた来たよ!』と妻に言います。彼女は毎年、この頃、我が家の干し柿を見ていたそうです。何でも在日の夫婦の方で、妻も韓国語を勉強していて会話も出来るのでアニハセヨ~から始まります。大五郎もおばあちゃん子で韓国語も理解して居るようです。来るたびに花を摘んで持ってきてくれるので助かります。彼女の家は息子さん夫婦と同居で皆んな多忙のため、庭いっぱいの花も子守も自分がやっていると言っていました。我が家も大家族で家の中は大変な事になっていて、とても他人様を上げる訳にも行かず、全て庭先外交で済ませています。雪もすぐそこの山まで来ていますね。
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庭は、花もそうだし、柿もそうですが、地域の人と交流ずる話題でもありますね。枯れ葉には困ります、落ちた花も燃えるゴミ袋に入ります。ご自宅の周りは賑やかでいい環境で羨ましい。早くも昨日はバラに竹を立てていつでも冬囲いができるようにしたり、ブルーベリーの高い所は実がならなかったので切り落としたりしています。通学路に面している幅広い道路なので散歩をするおじいさんおばあさんがたくさん通るので、彼らに挨拶するのが日課です。空を見上げるときょうは晴天。それにしても干し柿を自分で作るとはすごいことです。値段が高いのでなかなか買えませんよ。おばあちゃんが見に来るのもわかります。