2019年7月24日午後7時、小樽港を離れて稚内へ向かう飛鳥Ⅱ号。撮影筆者。

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「パラサイトシングル」という単語を1997年2月8日日経夕刊で、基礎的な生活条件を親に依存して生きる未婚者たちに命名したのは1957年生まれの山田昌弘さんだ。

私も恥ずかしながら29歳まで自宅から通勤して、さらに家には一銭もお金を入れないで、すべて遊びと交際費に使っていた。元祖パラサイトシングルを地でいったような私がいまさら、「パラサイトシングル」を語ると言っても自分の青臭い時代を思い起こすようで嫌なものである。

この本では、こうしたパラサイトシングルの数が現代日本で1000万人になっているという驚愕の数値も出てくる。基礎的な生活条件として、住居費・光熱費・水道代・食費・車(親から借りる)などすべて親に依存していたら、特に女性の場合、ブランドや買い物、旅行へ注ぎ込めるお金が豊かになるのは目に見えている。もちろん貯蓄や老後に備えて生命保険に入ったりする。また、派遣やアルバイトであれば給与が安くて基礎的な生活費を取られては豊かになれないから、自宅にいると贅沢な暮らしができる。安全だし。

親の家がマンションや戸建てなら、ずっとそこに住み続けることも可能だ。しかし、経済はどうなるだろうか。家を出ると不動産が売れる(賃貸家屋が埋まる)、借りる人(部屋)が増えれば、電化製品や家具や寝具が売れて需要が増える。世帯数が増えて物も売れるというわけだ。個々に考えれば、日本の経済を成長させるために生きてるわけではないのも真実だ。

とはいえ、パラサイトならばどうだろうか。小さなテレビや元々あるもので間に合う。結婚についてはどうだろうか?女性のパラサイトシングルから考えると今の暮らしより、夢が膨らみ、豊かになれるなら、またこの人とずっと夢を紡いで子供を育てて、豊かな人生を送れるかどうか考えると二の足を踏む。そんな保証もないし、子育ては大量にお金がかかるし、辛抱な暮らしが待っている。男の方も女性から大きな夢を語られても、いまの自分にそれを実現させていく経済力や勤め先の未来が見えない。男からみれば結婚はハードルが高い。「女性にとって都合がいい夢は男にとって悪夢だ」。これは年齢とともに上がっていく。妥協しなくなるケースも多いとお見合いを成功させてるいる経験者は語っていた。

男の場合、パラサイトしていてもたえず外を見ているので女性と少し違う。機会があれば家から出ようとする意識も高い。親がそれをまた望んでいることも肌で感じる。私の世代で当たり前の価値観だった妻は地味に家庭を守ってくれよとでも言うものなら「封建的」や「古臭い論理」と笑われる。

パラサイトは寄生する親や家があって初めて成立する。寄生する木々が倒れた後(死んだあと)にどうなるのか。経済もどう変わるか?近々の課題で、最終章にその絵が描かれてある。65歳を過ぎても働き続ける人たちの背中に自身の年金の頼りなさとパラサイトする子どもたちを養わなければいけない現実も隠れている。さらに長生きする親の世代の介護や医療費を負担している60代も多い。ここの部分は見えにくいが、深刻である。引きこもりやニートも多い。外で働く以前の問題で苦しんでいる近所の親たちの苦渋に満ちた顔を見るのもつらい。同世代でも、多少年金が高くても毎月出て行くお金で赤字。

若い世代が、団塊世代を「年金食い逃げ世代」と皮肉ったが、個々の事情を見ると貧富二極化はここにも阿る。

  1. 家を持つなら、パラサイトを前提に一棟二戸建てにしておけば良いかも知れませんね。お互いに行き来は出来ても基本的に独立を促す上では段階的に自覚も生まれるのではないでしょうか。もし、結婚でもすれば間貸リとして家賃を入れる事で自立心もつくでしょうね。嫁の立場から姑問題があるかも知れませんが、玄関を分ける事でお互いのプライバシーも守られるでしょう。上手く行けばパラサイトの息子が最後は恩返しで親たちの面倒を見る事になるかも知れませんね。

    • 近所に何軒か二世帯住宅ありますがいろいろめんどうなことがるみたいです。2世帯で作ったのに奥さん一人で住んでいる家もあります。総じて家が大き過ぎます。掃除をする体力もなくなります。現在の団地の流行りは、次世代に向けての修繕です。そして渡す用意をしています。向かいの自宅はおじいちゃんが作った家に長男が不幸があって次男夫婦がもらって住んでいます。後ろの家はバツイチの奧さんが子連れで帰宅。亡くなったおばあtぃやんの家をもらって住んでいます。こういう暮らし方をするとリフォーム業界が再燃すると思います。中古のマンションは大規模修繕や他人へのまた貸しや高齢化で管理費をきっちり集める困難、建築資材と人件費の高騰で見積もりアップで大変でしょうね。ブログのたいとるとは関係なく書きたいことをかきました。

  2. 結婚が古臭いと言われれば一言も有りませんが、では、結婚にも勝る方法は?と問えば一生独身ですかね。いずれも良い面と悪い面は同居して居ますが、それを承知で割り切って結婚を当然の様に受け止めて来た私たちの時代でしたね。今ではお互い独身のまま同居するスタイルも多く我々には理解に苦しむスタイルですね。一生独身なら同居などせずにいたら良いのにと思いますが、そこが男と女の都合の良い理想なのでしょうか?もし子供が出来たら?一体?どっちに親権があるのでしょうね。作物に例えたら提供した種の持ち主?・それとも貸した畑の地主?の物。結局後者とすればシングルマザーとなりますね。つまり余り良い結果は生まれそうに有りませんね。

    • まさか自分が結婚できるなんて夢物語。浪人を入れて大学7年、そして中退ですからね。バイトばかりしてました。全然、今の世の中で働きたくなかったですね。稼いではいました、バイトでね。月12万もありました。ススキノで風俗で友人たちと散財。まじめに人生なんて考えないですね。勉強は好きなので今もしています。最先端の学問に近づけると興奮します。すてきな女性とお話すときと似てます。

  3. お~い!お茶!。お~い!飯は未だかね?亭主関白なんて言うより今ならパワハラ亭主ですね。そんな時代から既婚男性も育休を取る時代になりました。企業では労働時間短縮で定時退社と一定日数の休暇が義務付けられています。働き過ぎは業務違反です。
    我々の時代は組合のストライキさえサボってこっそり仕事しましたし、残業残業に徹夜も当たり前でした。つまり会社に都合のいい事は黙認されていた訳です。また働く事には全く罪悪感は有りませんでした。また真夜中に帰宅しても家庭内でも通用していました。それを良い事に仕事にかこつけて遊びも盛んでした。今なら離婚されているでしょうね。亭主には都合の良い時代でしたね。

    • 家庭に長くいたくないから会社で仕事をしに逃げていたかもしれません。その仕事といったて、別に自分でなくてもこなせる程度の仕事であったかもしれず、妻や子供に見せたら「最悪!」と言われるかも。一度だけ家族を休みの日に会社の中へ連れて行ったことがあります。そして「パパの机がどこにある」と遊びました。全員、すぐに発見。「だって全部の机の中で整理整頓されてなくて、一番汚い机だからとね。いまも自宅はこのまんま。死ぬまでこれでしょうね。

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