「何を言っても無駄。仕事は仕事と割り切る。おかしいと思うことがあっても、文句ばかり言ってると干される。そうこうしているうちに、だんだん無気力になってつまらなくなる。不毛な戦いをする暇があったら、自分の好きなことをやったほうがいいのではないかと思ったりする。」(萩原魚雷 本と怠け者 ちくま文庫246p)。


ある時期の私のサラリーマン生活の日々を活写されてるようで、読んでいて照れくさい文章だ。何十回、こういう言葉を吐いたことか。しかし、私の場合、無趣味でもあり、仕事が終わればなじみの喫茶店でヤケビールだった。店長曰く「飲めないのに、無理してばっかり。きょうも何か嫌なことがあったのかい?」と聞いてきた。


何が不満であったのか、今にして思えば、くだらないことばかり。自分の夢や理想を追える仕事環境であったのにもかかわらず、それ以上に現状のあれこれに愚痴・不満を吐いて怠ける口実にしていたとも思う。強がりを言うだけの弱い人間であった。


退廃のドツボも長くいるとだんだん居心地が良くなって、出たくなくなるから怖い。当時、買って読んだ本は全部捨てたけれども「人間関係論」や「うつ病にならないために」とか生真面目に読んでいた。読んでるときは「なるほど、なるほど」であっても、会社に出ると別に応用が利くわけでもなし、だまされた感が強い。アドラーブームに掉さすようで申し訳ないが、「嫌われるより好かれる方がいい」とだけ言っておく。


好き嫌いは根源的な感情で治しようがないと思うが、それでもこちらが嫌ってると相手も嫌ってるぐらいのことは認識して、こちらが好意を示せば相手もにっこりする普遍の法則があるが、現代はある日突然事件が起きるから要注意。「理想がなくなると、退廃を招く。退廃すると戦わなくなる」は、人間は簡単に無気力になるから希望とか夢とか未来とか、自分の人生スケジュールに書き留めておいていつでも思い出すようにしたいものだ。世界中で次々と起きる、銃乱射や爆弾テロ、大型トラックによる轢き殺し。


壊滅国家シリアやアフリカ難民とそれを商売にする同胞もいる。どういう時代でもしかし、生き延びる知恵は持っていないと、子孫へ伝えないといけない。私なら何を伝えるか?理想がなくなると戦わなくなるのは確かだが、戦って他人に被害を与えたりするなら、じっとしていた方がいいかもしれない。私はアスリートではない。ただの人。

  1. バングラで外国人を狙ったレストラン乱射事件の犯人の一人が少し前まで日本に家族と暮らしていた優秀な大学准教授までやっていた人物だったと言う。学生の話では講義のの中でISの話題にも触れたが洗脳したり扇動するような素振りはなかったち言う。ただ熱心なディスカッションなどする教授だったらしい。犯人の皆んなが大学教授などではないにしろ、こんな人物がテロを引き起こす背景は一体なんだろう?理解できない事ばかりだ。これも愚痴・不満の吐け口なのか?たまったモノではない。

  2. 雨降って爺固まる。

    アメリカ製映画は破壊主義のシナリオが多い。地球滅亡の危機に数人だけ生き延びるなど映画の世界で終わればいいが、最近は地球のあちこちで物騒な動きが気になる。子供たちはこの先の人生を、果たして無事に迎えることができるのだろうか?。今朝、小1の女児がゲームの中の村で迷子になってしまったと泣いていた。僕たちにはさっぱり理解できないが、取り返しがつかない悲しい事らしい。スマホでダウンロードしたゲームを兄弟姉妹で共有して遊んでいるらしいが、その村をくれた姉から、こっぴどく叱られるらしい。僕たちには、そのゲームから救う術がない。すでに現代はバーチャル面では地球滅亡に向かって進んでいるようだ。子供たちの理想は、夢は、希望は、何だろう?。

  3. サラリーマン生活はつまらない。しかし、暮らしのためにサラリーマンを選んだ。その理由には子供の頃の苦い思い出が大いに影響している。半農半林業の僕の家庭では、子供も家の仕事の手伝いばかりで、十分に遊べなかった。それに比べて竹馬の友の家庭は両親ともサラリーマンで、日中は勤めで両親が不在の彼は、思いっ切り遊んでいたし、好きな科学の月刊誌を取って貰って、好きな実験ばかりやっていた。彼の父親も写真が趣味で空き部屋には、いつも自家現像した印画紙を並べて乾燥していた。我が家はと言えば、子供にも労働のノルマがあり、そこから逃れる事ばかり毎日考えていた。田舎のサラリーマン家庭はそれほど多くは無かったが、とにかく羨ましかった。彼が中古で買って貰った子供用自転車を貸してもらって乗ってもむなしく、そんな昔の暮らしの違いが、成人して結局はサラリーマンを選んでしまったようだ。いいとか、悪いとか、好きとか、嫌いとか言う次元ではなく、当然ながら最低限食べていくための術でしかなかったが。そんな中で、竹馬の友の彼の父親よろしく、僕もカメラに凝ったりもしたものだ。まるで、当時の夢のコピーのように。

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