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新聞記事の切れ味の悪さに、私はNEWS WEEKを読んでバランスを取っていた。今回は「キレる老人」という切り口で東洋経済が面白い。駅のホームで駅員と・お店でのクレーム・職場での軋轢・相続を巡る子供との確執・老いらくの恋・老人ホームにて・アルコール依存・居座り続ける老害経営者・高齢運転手の高速道路逆走と交差点事故とブレーキ踏み間違い・定年延長による社内の若者世代の仕事の邪魔感・大脳前頭葉の機能低下と視野狭窄。もうこれでもかといわんばかりのキレる老人をもれなく特集している。

さらに待機児童を解消するため東京のある区が進める保育所建設も高齢者の住人の反対(児童を迎えに狭い道路に車でやってきて道を塞ぐ・事故が発生する)で建設が遅れる生々しい話も取材されている。全部で46ページもあるから、力の入れ具合が違う。

一応、雑誌は60歳以上を老人として定義して、各種年度別事件発生グラフもオリジナリティがあり、説得力がある。毎日、日本中のあちこちで、私を含めて60代以上がなぜ、キレる人間になっていくのか?その根本として大脳を見てみるとこんな人の脳は老害化しにくい、キレにくいらしいから参考まで。

(1)教育歴が長い・・・若いころに長期間の教育を受けている。

(2)高齢になっても活動量が多い・・仕事・ボランティア活動などの機会が多い。

(3)生活習慣病ない・・脳梗塞を起こす要素が少ない。糖尿病の人はキレやすいとも言われる。

自分自身や自分の親たち、勤務先でキレる老人(老人に限らずキレやすい若者や30代40代の男たちを筆者は知っているが、共通は感情移入過多)を思い浮かべてみると、あの場合は誰でも切れるよねということもあるから一概にキレるではなく「怒る」というタームも考慮に入れて欲しかった特集だ。

この特集の素晴らしいところは、現場の駅員やお店の人、銀行員、公認会計士、老人ホーム、損害保険会社、脳医学者、認知症研究者、交通安全にかかわる人たち、会社をむしばまれている現役世代の本音取材も敢行、観光バスの運転手の高齢化についても詳しい。

一家に1冊常備してもいい正露丸のような特集で、週刊新潮や文春、テレビのそれを追いかけるワイドショーのスキャンダルネタに辟易している輩には目からうろこの雑誌になっている。いまの日本社会を「キレる老人」で、会社の中や50代60代の政治家、夫婦間も町内会も、電車のホームでスーパーの中で、電話コールセンターに入るクレームまで、きょうもあしたもあさっても続くキレる嵐が続く。食い止める妙案はあるか。

こんなシニア社員はいらない6つの分類。

(1)嘆き型・・「給料が下がったのでやる気にならない」「こんな仕事のため再雇用をしたわけじゃない。

(2)おんぶに抱っこ型・・自分で調べようとせず、ささいなことも聞いてくる。部下のように周りの社員を使う。

(3)わが道を行く型・・やりたい仕事だけする。周りが困っていても知らないふりをする。

(4)ご隠居型・・「昔はよかった」口癖。過去の業績自慢。雑談・無駄話多く、他人のプラーベートに踏み込んでくる。

(5)無責任型・・担当者を無視して安易な返答や安請け合い。「とりあえずやってみては」と軽口。

(6)勘違い・やり過ぎ型・・・「若い社員は俺が鍛え直す」と息巻く。今の年下上司より業務に精通、経験豊富と思っている。

それにしてもキレるのはほぼ男たちという相場は変わらない。どうしてだろうか?

最後は、溝上憲文(ジャーナリスト)さんの「これが老害経営者だ」一覧。(1)社長退任後も会長・相談役として長くとどまり院政を敷く(2)目障りな部下を排除した結果、次世代が育っていない。(3)異論を許さず、取締役会が「承認機関」と化している(4)権力を維持するために重要情報を独占する(5)業績が悪化しても責任を取らず、部下になすりつける。

お手本になる老人を近所で探したら、報告しますね。しかし、一見、キレないなと思う老人も場面を変えたら、激キレ老人になる場を何度も見ているから、簡単には見つからないとは思う。

明日は生物学に詳しい友人の、オスとメスについてのレポートです。

  1. 僕も友人から「最近キレやすくなったね~」と言われた。そして「高圧剤のせいじゃあないの?」と。そう言えばここ半年ほど前から中性脂肪を抑えるためや、血圧調整のために朝、晩、薬を呑んでいる。数か月前からは高圧剤をもう一種類増やされた。高齢者はほとんどが何かにつけ病院通いしたり、薬を常用したりしている事が多い。できるだけ穏やかに過ごしたいとは思うが、PCの前でもTVの前でも、しょっちゅうブツブツ言っている自分に気づく。いや、クルマを運転していても。原因は薬なのか、徐々に世間から、家庭から、疎ましい存在とされているせいなのか。どこかで人とつながって、どこかで会話や活動をしていなければ、どんどん「キレやすく進化?」していくのだろう。公務員などは仕事柄キレたらお終いなので、ぐっと我慢し続けているのだろうが、ストレスは貯まる一方。「ストレス満タン」の人が公務から解放され、縛られた縄を解かれた定年退職後にはきっと大変な事になるのではないだろうか。この時を待ち望んでいたかのように爆発する、そんな人達も何人か見た。

  2. 同じ「キレる老人」でも、「頭のキレる老人」、「身体のキレる老人」になれたらいいと思う。一般に言うキレるは不満をぶつける事。他人に当たる事。ぶつからない、当たり散らさない、頭の中で一度整理してから会話したり、物事に当たればキレないで済む。キレる事はつまり「パニック」の一種だと思う。時間を使って冷静になった翌日などには「キレる」事もなく解決策を見つけている事が多い。歳をとれば、先行きを気にしてか?皆、せっかちになりがち。できるなら「頭のキレる老人」、「身体のキレる老人」、「穏やかで、可愛い老人」になりたいものだ。

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