愚か者ほど出世する

図書館で何げなく生物関係の本(アリとミツバチ)を探していたら、「おやっ、これは!」。サラリーマン時代、あれれっと思う社長を身近にたくさん見ていた筆者は思わず手にしてみたら、養老孟司さんの序文に「この本は笑うための本で、深刻に考えてはいけない。しかし、ヒトの知性が進化上ではもはや不要になったかもしれないし、むしろ不要だからこそ、ネアンデルタール人より現代人の脳が小さくなったのだという仮説は、それなりに面白い。人が家畜化した動物だということは、解剖学的にもよく知られている。むろん家畜の脳は野生種より小さくなる」と。著者はイタリアのジャーナリスト、ピーノ・アプリーレ。1950年生まれ。大学で物理学・政治学・近代文学を学び、新聞や雑誌記者を勤めた。現在は、ポピュラーな週刊誌の副編集長。イタリア人の書いた本は私も久々で新鮮だ。記号論のウンベルト・エーコ「薔薇の名前」(上・下)モラヴィアの小説を数冊、ジョルジョ・ヴァザーリの「美術家・彫刻家列伝」数章、シーザー「ガリア戦記」10ページくらいなもの。この「愚か者ほど出世する」という奇抜なネーミングが気に入った。この本は10章に分かれているので,1章を1回分として紹介すると、予定では10回シリーズになる。まず、この本の基調になる〈バカに関する九つの法則〉から紹介して、1回目の(序)を終える。連続ブログもきついので気まぐれ掲載になるやもしれずご容赦を。

(1)バカは生きのび、利口は滅びる・・・・

(2)死ぬよりバカでいるほうがいい・・

(3)利口に生まれて死ぬよりバカに生まれて生きのびるほうがまし・・

(4)生きのびたければ知性を犠牲にする必要がある・・

(5)長生きすると脳が減る・・・・・

(6)現代人はバカになるために生きている・・・

(7)利口なやつはバカのためにせっせと働き、結果としてバカを量産する・・・

(8)のさばるのはバカばかり・・・・

(9)人間は寄れば寄るほどバカになる・・・・

各章は●事の始まり 動物行動学者ローレンツ教授との出会い●バカなやつほど生きのびる●利口なやつはさっさと滅びる●人類はもうろくしつつある●バカは人まねができる●リーダーは能なしのほうがいい●のさばるのはバカばかり●人間は寄れば寄るほどバカになる●動物も人間に飼われるとバカになる●結論として・・人間がサルの祖先なのだ。

「愚か者ほど出世する」(中央公論新社刊)ピーノ・アプリーレ著、泉典子訳 序文 養老孟司

 

 

  1. 利口な人は争わず、利口な人はムダに動かず、利口な人は多くを語らず、利口な人は出しゃばらず、利口な人は騒がず、利口な人は大口を叩かず、利口な人は嘘をつかず、利口な人は悪さをせず、利口な人は怠けず、利口な人は悪口を言わず、利口な人は大酒を呑まず、利口な人は多くを食さず、利口な人は真似をせず、利口な人は押し付けず、利口な人は着飾らず、利口な人は上を見ず、利口な人は無駄遣いせず、利口な人は必要以上に稼がず、利口な人は財を築かず、利口な人は大笑いせず、利口な人は泣かず、利口な人は後悔せず、利口な人はおせっかいをせず、利口な人は自慢せず、利口な人は汚さず、利口な人は迷わず・・。
    こんな人に私はなれなかった。(何でも半分経験済み、脳も半分?の中途半端人間)

    • その利口なら、人類は誰もいなくなりますよ(笑い)。私は多くを語り、出しゃばり、怠け者で、多食で、無駄使い多く、泣き虫で、後悔多く、迷い多いですから
      最低半分は該当しますよ。それでも自然体のようなフリをしています。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です