1月22日、東京五輪をやめて福島復興(原発廃炉に向けて)を最優先課題にしようという100人規模の小さなデモが都内であったと報じられていた。


フランスの新聞記者が「フクシマの荒廃」(緑風出版)を書いた。サブタイトルが「フランス人特派員が見た原発棄民たち」。朝日新聞1月22日の書評欄で紹介されていた。低線量(?)とはいえ被爆不安と健康不安に怯えながら、毎日毎日「何も生産しないし、何も建設しない」引き算労働。それをこれから何十年も続けなければいけない「人間蟻塚」の実態。もっともっと報道されるべきだ。この福島原発内での労働者も下請けが多く、親会社から搾取されている。原発大国フランスもひとごとではないのだ。国策会社アルバ社があるからだ。労働派遣で暴力団へも金が流れている実態。


ここで福島原発のおさらいをしよう。一覧表を資料からコピーした。メーカー名がわかる。ゼネコン名もわかれば入れたかった。ゼネコンは原発建設と廃炉作業で二重で売り上げだ。(除染も請け負っている可能性もある)BWRは軽水炉沸騰型の略。

福島第一 1 BWRマークⅠ GE 廃止
2 BWRマークⅠ GE(東芝) 廃止
3 BWRマークⅠ 東芝 廃止
4 BWRマークⅠ 日立製作所 廃止
5 BWRマークⅠ 東芝  
6 BWRマークⅡ GE(東芝)  
福島第二 1 BWRマークⅡ 東芝  
2 BWRマークⅡ改 日立製作所  
3 BWRマークⅡ改 東芝  
4 BWRマークⅡ改 日立製作所

福島の現場に、東芝や日立のOBたち(当時の原発に詳しい技術者たち)がどれくらい駆けつけて協力しているのか。責任感があれば、当然駆けつけて何らかのアドバイスなり指示をしているはずだ。型としては古いものだからだ。ほぼ40年くらい前の原発だ。本当に汚染水はすべてドラム缶に入れているんだろうか。まさか海へ放出してはいないだろうね。できれば全体を俯瞰するライブカメラをたくさん設置して、廃炉までの様子を誰でもどこからでも,世界中から見れるようにして欲しいものである。たいしたお金もかからず、未来の人への道しるべになるだろう。


さらに一番大事な避難民の人々の暮らし。私の町にも10人くらい福島から移住している。ステンドグラスの職人がいて彼の作品は道の駅で販売している。津波・地震・原発・火山・大火・疫病・台風。中でも原発は自然災害ではない。福島が原発銀座になった背景に首都圏の電力使用量の異常な増加がある。原油や石炭から出るCO2、地球温暖化への危機を煽ることで原発推進が進められてきたのである。


全国の電力会社は、電気事業連合会を組織して原発クリーン大キャンペーンを雑誌・テレビ・パンフレット・原発立地自治体へ学校や補助金をバンバン出して、賛成ファンを増やしていった。テレビ局も新聞社も広告代理店も自治体も儲けたのである。雇用さえも原発に依存した。石炭産業は九州や北海道、常磐で興隆と盛衰を繰り返したが、坑道に蓋をすれば廃坑にできるが(それでも見つからない死者がいる)、原発は30年、40年かけて1基を廃炉まで持ってゆく。筆者が生きている間には廃炉は見れない可能性大である。膨大な電気を使ってきょうもテレビ局は放送中、新聞社は輪転機回転中。人間蟻塚の過酷な労働が後ろにあって、電気紙芝居はきょうもいつものタレントがお笑い出演で稼ぎまくっている。スキャンダルも流しながら。


ところでテーマの「しなければよかったリオ五輪」だけど。下記の写真です。五輪の経済効果ゼロ。公務員の給与が支払われず、デモ&怒り。原油で好景気に沸いたブラジルであったが、原油価格の低下で国営石油会社の低迷と汚職事件発生。原発も解決してないで、東京オリンピック招致するとは、狂気の沙汰としか思えない。札幌での冬季オッリンピックも手を挙げないでほしい。イベント減らして、静かな大人の成熟した国になりたいものである。

五輪前の空港

五輪後の公務員の給与未払いに怒り

 

  1. 津波による原発大事故後の廃炉作業の話題が霞かけたところで,東京五輪開催決定も。しかし問題山積。おまけに豊洲問題も重なって,東京のみならず,地方自治体にまで問題波及していますね。すべては身の丈以上の背伸びをした結果で,税金でしか収入の無い自治体が,徴収した国民・都民・市民・区民のためよりも,対外的にメンツを立てるために無駄づかいを平気で行う図式に反発を感じますね。このような事業に参画している企業の一部は税金の見返りとして恩恵を受けますが,中小の企業の大部分は我々同様に蚊帳の外でしょうね。

  2. オリンピックの基本理念。

    五輪アスリートの話では,立派な協議施設などに訳の分からない予算を使いすぎる事より,スポーツ育成強化のための費用を希望している。
    器さえ立派でいいのは,組織の関係者とゼネコンとその傘下企業だけだし,メダルの数とは全く関係ない。オリンピックも,もともと戦争をルール化したもの。平和のために開催するなら,実際に戦闘を繰り返している地域も参加させる努力も大切ではないでしょうか。政治や宗教を超えて,紛争地域での平和への折衝を買って出る五輪組織など出来れば,近代オリンピックも,少しは古代オリンピックの基本理念に近づけるのではないでしょうか。

  3. 福島の廃炉現場で,下請けか孫請けの親方の話「将来ある若い人には声を掛けられない。我々は子供も大きくなったし,少しは世の中のためになれば。誰かがやらなければ・・・せめてもの慰めは収入がいいというのも本音」と。それだけ被爆は現実的なものなのだろう。家屋から離れて廃炉作業に従事する人たちは皆,中年や高齢者の人たちばかりで覚悟を決めての単身赴任のようです。

  4. 夢のプレゼン。

    リオ五輪は国民の猛反対の中で強行開催の感がありましたね。決定後に反対しても強行せざるを得ないでしょうね。東京五輪も全く同じですね。決まってから予算見直しや会場立地など後手後手です。これでは国民の同意は得られませんね。もっと緻密なプレゼンが必要じゃあないでしょうか。夢のような計画では実現不可能ですから。

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