2015年3月28日掲載でした。農家のバイトは3日間でダウンでした。悲しい体力でした。

ハクチョウの脚と畑被害

はくちょう2

筆者撮影。

血糖値を下げるために、運動をしなければと思い、近所の農家がアルバイト募集をしていて、電話をし、面接に行った。「応募の動機は?」「運動のため」、「これまでに農業の経験は?」「ありません」、「この仕事に思うことは」「食は生きる基本です」、「草刈りをしたことは?」「家の芝生を刈る程度です」。「将来も一緒に農業を続けていく若い人を求めていたんだが・・」と。私の住む街は、苫小牧ウトナイ湖から美唄の宮島沼へ向かう途中にある。

 

ハクチョウは天気のいい日、朝でも夜でも渡ってゆく。「この畑にもハクチョウがたくさん来ますか?」わたしは自宅周辺に舞い降りるハクチョウを撮影して、友人にハクチョウが渡ってきていることを知らせていた。ところが、彼は「あいつら!」と。「あいつらのおかげでひどい目に遇っている」。雪が解けて、去年刈り取られた水田、トウモロコシ畑跡に昨日も来ていた。「何かあるんですか?」「ハクチョウの脚に外来種の草の種(たね)が付いていて、これが畑に蔓延し、作物に被害をもたらすのだ」。

 

餌付けされた丹頂にも近所の畑に餌を食べに行き、被害を与えているのかもしれないが、外来種はあっという間に広がって大変らしいのだ。セイダカアワダチソウが短期間で日本中に広がったように、どんな外来種を運んでくるか心配をしているのだ。見ると牧歌的なハクチョウの渡りの風景の中に、必ずしも歓迎をしていない人たち、それも生きるための基本作物を作る農家へ打撃を与えていることは、彼とおしゃべりをしないと出てこなかった貴重な話であった。

 

その対策として、できるだけ雪解けを早くする土を雪の上に撒かないで、ハクチョウが北へ移動してから撒く工夫をしていると言っていた。いまは、シベリヤに帰るとき。彼らからみて外来種とは、本州で越冬しているハクチョウたちが生息地で脚に付けてくる種(たね)のことでこの地にはない草のこと。この伸びた草を筆者が撮影できれば、どんな植物か公開できるのでお楽しみに。いったい、いつから渡り鳥の習慣が形成されたのか。日本の植生も、温度や湿度、日射、浜辺に寄せられた種もあるだろうけど、渡り鳥が運んできた草や植物の種が、知らぬ間にこの国土を覆っていると考えると、農家の人には悪いが、別な意味ですごい歴史を感じるのは私だけだろうか?

 

 

  1. 絵本に出てくる可愛い動物たちも別の視点から見れば,害鳥、害獣がほとんどです。エゾシカは北海道で繁殖し過ぎて食用にと道あげて取り組んでいます。(子供たちが小鹿のバンビを思い出せば食べられませんが?)白鳥などは鳥インフルエンザも媒介します。養鶏業には大迷惑どころか死活問題です。遠目に観れば綺麗ですが,大挙してやってくる飛来地では鳴き声も騒音です。南極のペンギンを撮影した人に聞きましたが白鳥に似て,ものすごく煩く,辺り一面糞だらけで臭くてたまらないそうです。写真は綺麗なところだけを見せたがりますから本当の姿を知らない人が多いのです。狸などがよく住宅地に迷い込みますが体中ダニだらけです。野生生物はどれもペットとは程違く,荒々しく生きるためだけの知恵を駆使して一生懸命生きているのでしょうね。潔癖症の人間とは大違いです。考えてみれば人間も野生動物に利用されているのではないでしょうか。人間中心に考えれば,野生動物は全て外敵?害獣になりますね。

  2. 北のガラパゴス。

    白鳥の湖,などバレエや物語に出てくる白鳥を想像して,つい美化して見る人が多いのでしょうね。野菜や穀物を作る農家や養鶏場では天敵ですね。白鳥や渡り鳥の足や体や糞に含まれる菌や種子が大挙して休息を求める場所からどんどん拡散され被害を及ぼします。昔は今ほどの大規模では無かった農業に被害も少なかったのでしょうが,近代農業では,規模も大きくなればなるほど,渡り鳥たちにとっては格好の餌場でもあります。その数はどんどん繁殖して増える一方で農業被害も拡大しますね。野生生物を保護する考えもあれば,迷惑な現実もあって,今後は対策も考えなければいけないのではないでしょうか。北海道にも,ガラパゴスのような場所を作ってあげるとか。

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