日本の人事部調べ、男女。営業希望者1.6%。したくない75%。ダブルクリック拡大。

27歳から61歳まで、4回ほど転職はしたが、営業職を全うした筆者からみて、大不人気の営業を考えてみようというブログだ。(27歳まで一体何をしていたか、バイトと放浪と恋愛である。フリーターの先駆者である)。売り上げが上がらぬ困ったときの営業マンに読まれるサクセスストーリーは山ほどあるが、意外にも営業の失敗談のほうが参考になる。


消極的ながら、相手先が倒産して往生したり、始末書を筆者は何通も書いて始末書のベテラン。営業にはつきもののことである。先日、転職で職探しをしている若い人と話をしていて「営業職なら求人はたくさんあるのですがね、どうも営業だけはご勘弁」「どうして?」と私。「外歩きで訪問したり、毎月数字の世界で、苦しめられるから」さらに「販売員も敬遠される。ノルマがいかないと自腹で欲しくもない自社製品を買う羽目になり、給与も吸い上げられる」と率直だ。


「保険にしても初めは身内に入ってもらう、昔からの営業スタイルは残っていてね。いまは外交員は損保・生保を含めて各社の商品の勉強をしないといけないから大変」そこで出てきたのが街中に保険の相談窓口を設けるスタイル。これで「外回りの営業」の生損保イメージを変えたかもしれない。泥臭い営業が嫌われている。


筆者も実は自分が営業ができるとは思わなかった。できるならしたくない。人見知りもひどかったし(だれもそう言う人はいないが)。営業職は事務や管理が苦手というイメージも強い。(というが、しかしやれば同じ人間ゆえいずれできる。既存の事務職が営業職が事務に来ると、既得権死守のために営業を突き放すケースも多い。また営業の不祥事でひどい目にあわされたと嘆く事務職の被害者意識も強い)。そういう日々の営業と管理・事務のやり取りを見ていて「ようし、営業へ出て頑張ろう」という意識を持つ人は少ない。苦労の割りに、経費で落とせる金額も年々少なくなり、自腹接待も増えて事務職より手取りが低くなるケースもある。


ある会社の若手は「営業は給与の高い社長や管理職がするもので、自分たちはそれをフォローすればいいのだ」と思い込んでる人もいる。彼はどちらかといえば、社内営業に力を発揮したりする。大きな企業は社内営業でエネルギーの大半を費消する、飲み会での人事情報集めに〈間違っていても)一喜一憂する人生になる。某電気メーカーの支社長と昼ごはんを食べたとき「飲み屋で喋った話が次の日には全国の本支店へ話が流されてヒドイ目に遭った」とボヤキを聞かされたことがある。


営業していると、異業種の人間たちとおしゃべりができる効用をメリットにしよう。それがまたいつの日にか、人生のピンチになったときに「こちらへ来ないか?」と誘われたりする。営業はだから、誠実に仕事をし続ければ、どこでも使えるスキルが自然に身に付く職種だと思いたい。定年後も「頭を下げて、客に接する」ということでマンションの管理人に以前なら元警察が多かったが「威張らない」ということでマンション住人から好評だと聞いたことがある。


地域社会でも「威張らない」生き方なら、受け入れられるし、一番喜ぶのは家族かもしれない。そう考えると、営業職は辛いことも多いけど、長い時間で考えるとメリットが多いと筆者は思うけどどうだろうか?それでも「やっぱり営業はいいわ。したくない。」「飛び込みはできない、どんないい企画書や商品であってもね」。その場合、プールに突き落とすしかないかもしれません。


しかし、どこからどこまでが営業なのか、いまの時代、線引きは難しいが。電話1本で稼げる人もいれば(業種)、メールとホームページで通販売上げを伸ばせる時代だから、営業職の人件費を削減してホームページ作成に投資する時代なのかもしれない。


がらりと話が変わるが、BSで木下サーカスの社長(67歳)がインタビューを吉永みちこさんから受けていた。ブランコ乗りで転落し、頸椎を痛める。以降、営業職として世界を回り、サーカスに参加できる人たちを説得したり、新しい機軸を打ち出したり、サーカス場所の交渉をしたり、裏方営業をして借金2億円を完済した。130人の団員の暮らしを守り、お客さんに喜びと感動を与える日本唯一のサーカス団として生き残っている。ダイナミックな営業世界がサーカスにもある。(5月21日追記)。隣の人とおしゃべりできれば営業はできるし、仕事はそこにある役割にどれだけ適応できるかで決まる。仕事を選ぶのではなくて、仕事から選ばれていると思えば気が楽になるものだ。

  1. チャンスの神様。

    営業職に限らずどんな職種でも,働く事が好きにならなければ,楽な暮らしは保証されませんね。「先ず仕事有りき!」ですね。最初から楽をしょうと考えるなら,将来の暮らしはあきらめてニートになる事でしょうか。若い時は誰もが不安で,エリートコースの人以外は,いったい何をしていいのかさえ分からないのが普通でしょうね。僕は12回仕事を変わりました。決して職種が嫌で辞めたのではありません。その時,その場で変えざるを得なかったのです。今や一生面倒を見てくれる会社など存在しません。どんなに大企業だって消滅したり企業間合併によるリストラだってあります。例え就職できたとしても,そんなショッキングな出来事がいつ自分自身に降りかかって来るか判りません。そんな時にも対応できる自分を作っておくためにも,いろいろな経験をする事をお勧めしますね。「つぶしが利かない」とか言いますが,或る一つの事しかできなければ,有事に対応できないわけです。外勤や内勤,フリーランス,など自分が普段から気をつけて周囲から学んでいれば,イザ!と言う時には必ず役に立つものです。それには,どんな職種だって馬鹿にしてはいけませんね。皆んなそれぞれ頑張っているわけですし,その人だって一生同じ仕事をするとは限りませんからね。極論ですが,バイト先の先輩が自分の人生を変えるきっかけにならないとも限りませんよ。下剋上なんても言いますが,後輩が上司に成ったりもする可能性だってありますから,社会人に成ったら年齢に関係なく,他人を敬い,礼を尽くして,いつも学ぶ姿勢が基本でしょうね。そうすれば,チャンスの方から必ずやってきますから。

    • 現代なら、運・不運も大きくて、誰がどこにいるかでずいぶん人生が変わります。幸運であればOKで
      しょうが、こればっかりはどうしようもありません。私も30代、1000万円給与上げるから転職し
      ないかとか美味しい話が3つありましたが、全部断りました。必ず、裏があると踏んだら、案の定財産
      問題が発生したり、倒産劇に見舞われたりしました。動かなくて正解でした。

    • 営業職の不人気は、あきらかに誤解から来てますね。これだけ数字が偏っているというのは、先入観で言ってる証拠みたいなものです。それにこのグラフ。「医療専門職」なんていう細かい区分と、「営業職」という無茶苦茶大きい区分を一緒くたにしてあって、はじめから営業不人気を導き出すために調査したとしか思えません。こういう、一見公平なデータを提供しているようで、その実火に油を注ぐメディアが、営業不人気ムードを作ってるでしょうね。

      • そのとおりで、営業嫌いか、何か営業に偏見の強い人間集団の主観的な調査のような気はしました。話題として、私の
        前にいた職場では『営業へ人事異動出ると』、80%『いやだ、行きたくない』という答えが返ってきました。特に女性の事務
        職者ですね。反対に営業に出て『内勤より面白い』と開眼した人も数人。自然体でいいのですが、経験的に営業失敗者が営業に
        キツイという統計はあります。ルサンチマンです。

  2. 次の自分へのステップ・アップ!

    労せずして利を得ることを最初から夢見てはいけないでしょう。下手な苦労はしたくない?とも言いますが,障害の無いコースを選んで成功するとすれば,皆んなが同じコースを選べば良いわけです。しかし,学歴や派閥など社会には障害だらけですから,余程の成績や実績の持ち主か親の七光りか自信家でもない限り無難なコースを突っ走る事は殆ど不可能でしょうね。また,どんなに学業優秀であっても社会での順応性が無ければいけません。社会は自分を中心に回っている訳ではありません。就活の際の一般的な希望は,①楽な職種,②待遇の良い環境,③将来を約束してくれる職業。こんな素晴らしい夢は実際の社会にはあり得ません。むしろ,この逆パターンが当たり前かも知れませんね。①人の嫌う仕事,②給与も少なく,環境も劣悪,③将来的にどうなるか分からない。こんな職場や職種に飛び込んだとしたら,きっと生きることに長けた強い人間になるでしょうね。絶えず不安でも次の自分の生き方を常に持ち続けながら緊張した毎日を過ごす事になるでしょうから。

  3. 成功者たちは皆んな天才だと思うでしょうね。しかし,人には言えない情けない過去も苦労もあって成功するわけですね。
    その人の技量や,事業や企業が成功して,始めて苦労も努力も美談として語られますからね。
    そんな美談より実際にあった,もっとリアルな現実を語って欲しいですね。

  4. 門戸は選り取り見取り。

    就活と言えば一般的に「サラリーマン」でしょうか。世の中はサラリーマンだけで構成されている訳ではありませんね。一流大学で学んでいても演歌歌手になりたいと言う人もいますからね。「職は人を選ばず」ですね。門戸は沢山あるわけで,違う門をたたいてみるのもいいのかも知れませんね。

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