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この辺で、老子さんにもご登場願った。最後の81章「道(タオ)につながる人」です。

(筑摩文庫 タオ 加島祥三造 269p)

 

本当の言葉というのは

甘い響きのものではない。

甘い響きの言葉は

本当の言葉ではない。

腹のある人は

あまり喋らんものだし

喋りまくる人は腹がないんだ。

真に賢い人とは

知識を漁って広く知る者じゃない。

広い知識を自慢する者は、

真に賢い人ではない。

道(タオ)によくつながる人は

蓄(た)めたり積んだりしない、そして

いつも他人のためにしようとする、

そうすることによって

ますます自分が豊かになる。

内にもつものを

すっかり他人に与えようとする、

そうすることで

ますます多く与えられる。というのも

こうするのが天(タオ)の働きだからであって

タオの働きは、

他人に益を与えるけれど、害はしない。

だから

タオの働きをよく知る人は、

何か行為をするとき、

争わないのだよ。争わないで、するのだよ

 

  1. 職人は多くを語らず着飾らず、早朝から黙々と仕事をこなし夕べには一杯の晩酌で感謝して深く眠り、コツコツと一生を成す。
    一方、商人は、多くを語り、物を安く仕入れて高く売り、夕べには着飾って外で酒を呑み、自慢話に酔いどれて、我を忘れる。
    僕達の周りには大きく分けたとすれば職人タイプと商人タイプの人がいる。どちらも人間。むろん全く属さない神仏に近いような存在もあるにはある。が、俗っぽいのが人間。悪さもすれば善意も見せるから二極分化の線は引けないが、友人関係でも、男女関係でも、仕事関係先の人でも、会った瞬間にビビッとなんて判るわけもなく、その人の概要を知るには最低一年は必要だ。その間に悪いところもいいところも見えるからだ。相手だって同じで、自分を理解してもらうには時間も必要だ。しかし、長年理解しあっていたはずも、時には、突然に破局や破談、亀裂などの想定外も起こり得る。こんな難しい人間関係を保つにはお互いの距離感の持ち方だと思う。着かず離れず、丁度よい距離を置いて、ズカズカと心の中にまで踏み込まない、人感センサーを身に着けなければならないのだろう。人の心はカメレオンのように瞬時に変ることを、つい昨日も知ったばかりだ。

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