営業の不人気について(3回目)
最近、親がなってほしくない業種のNO2が営業であった。新卒でなりたくない業種NO1が営業であり、どうにもこうにも営業は人気が無い。企画とか営業支援とかアドバイサーとか字面を変えても見破られる営業職、どうしてこんなことになってしまったか?人口減少が続き、右肩上がりの景気は夢のまた夢になってる時代だから、かえって気軽に営業職で働けると思うのだが・・・。
営業職の大不人気、その2 雑感。
以前、筆者は若者の希望する業種で「営業」が「介護職」より不人気で、圧倒的に「したくない」業種であると統計数字を出して書いたことがある。営業にまつわる日本語は、「どこかうさんくさい」「調子がいい」「口八丁」「嘘をつく」「金にだらしがない」「できないことを平気でできると言い、不誠実」「どこかきれいな仕事ではない」「ときに卑屈な振る舞いになる」「外歩きで見知らぬ他人と言葉を交わすずうずうしい奴」「無駄な交際費をよく使う」「大きな数字を取るとやたら威張る」「過去の先輩たちのおかげで今があるのにあたかも自分の手柄であるかのごとく振舞う」「遊びが派手になる」「嘘の伝票を平気で出してくる」「自分の都合の悪い話になると逃げる、弁解ばかりする」。
総務をはじめ経理から聞いた、営業へのイメージ、実際感じる事柄を並べてみた。うーん、当たってることもあれば誤解もある。ところがいまは、営業は人に会わないでする。ネットで仕事の要望あれば連絡して仕事を受注したり、わざわざ出向いて余計な会話をしないでも仕事をするらしい。筆者などは余計な会話ほど大事なことはないと思っているから時代のビジネス環境からは当然はじかれる。しかし、彼らとじっくり話すとどうしてどうしてきちんと話してくる。多いのは『バブル期ってすごい時代だったんでしょう?』『私たちの年金受給時代は、もう70歳にならないともらえない』『だから毎日弁当で現金を貯めるしかないのよ』と節約家でもある。
どちらかというと生き方において筆者の親世代である大正生まれや昭和初期生まれの価値観に似ている気もするのだ。近々の「アエラ」で『人に会わないで仕事をする』特集していて筆者はびっくりだ。私は日常の企業間の「営業」と国の「外交の上手・下手」は似ていると考えていて、顔をさらさないと外交はできない。金や物を出すが、人物がいないのがこれまでの日本外交で緒方貞子さんクラスがもっと前に出てこないといけないと思う。トランプの存在に緊張してゴルフ場で転んでいる場合ではないのである。外交や営業はその人が必ず出る、良い面も悪の面も出る。出るのが当たり前でロボットにはできない対話や自分の匂いや癖、時には剃り忘れた鼻毛であったり見せて笑ってもらう。ことしは都銀と地銀、信用金庫などで職員削減計画が大規模に行われると発表がある。AIを活用して事務部門はロボットに代行である。ATM以外は銀行に用はない人々が急増しているからである。
戦後の花形産業を並べると、映画、繊維、損保、銀行、重電、通信、マスコミ、公務員(これを産業と呼べるかどうか)、食品、商社、自動車、機械産業、不動産、証券、ゲームそしてAI。しかし、どんなに産業を並べてもアナログの顔を持った人間がいないと企業は動かない。匿名で生きるならロボットで十分である。記名で生きるなら人間の人間にならなければいけない。それは業種を超えて生きられる人になること。営業(交渉事を進める対話能力を磨く)を再認識することでもある。不人気でも日常生活は見えない営業の網の中で私たちは生きている。
二刀流。
営業職も楽しい場合と辛い場合がありますね。果報は寝て待てと言うように、次々と受注が続けば良いのですが、それも得意先次第で、突然!仕事が無くなったり、担当者が変わって従来予定していた仕事が他業者に鞍替えされたりと気が抜けないのも営業職ですね。外から見て、一見ズボラに見える営業職も実は細心の神経を尖らせて日々活動しているのです。ただ、営業の笑顔と実際の腹の中は違うケースもありますね。営業と内勤は水と油ですからお互いに相いれないものも有りますが、勘違いしやすいのは、営業は内勤に対して「お前たちを食わせてやっているんだ!」と。また内勤は「お前たちより偉いんだぞ!」的な態度に出る事ですね。単なる組織の部署の違いだけで、それぞれの役割分担を担っている訳で、どちらも同じ社員ですから、いがみ合う必要も全く無いのですが。むしろお互いに知恵を出し合い、協力し合えば、運命共同体として業績も向上するのでしょうね。一番良い方法として提案したいのは、全員がローテーションで社内の各セクションを経験する事でしょうね。僕も内勤から、当時は大っ嫌いだった営業に回されましたが、やって見て、思っていたより楽しかったです。暫くして人見知りもすっかり治って、人に遭うのが楽しかったですね。大谷君では無いですが、今も内勤と外勤の二刀流を続けています。
自分流。
営業の流儀も人それぞれで、楽しく働ける環境づくりへの取り組みは自分の責任でもありますね。会社任せで苦情を言う前に、自分のスタイルの確立も必要なのではないでしょうか。実績が上がれば仕事も楽しくなりますし、良い知恵も浮かんできます。成功事例を自ら作って自信をつければ、営業ほど楽しいものは有りませんね。誰に対しても誠意をもって対応すれば信用が新しい仕事になって必ず返ってきますね。
一念発起。
今日も、クライアントから「新人の名刺を作ってください」とのメールが入ってきました。C.I.、V.Iのマニアルに従って作成して発注しました。通常営業活動には200枚ほど作成するのですが、そのメールには「新人は、また次にお願いするので、とりあえず100枚だけ印刷してください」とありました。その理由は、最近入社しても、直ぐに止める若者たちが増えているのです。以前にも何度か新人の名刺を頼まれて納品に行くと「あ~、その子はもう辞めたんですが、一応頂いておきます」と言われました。先輩たちからのレクチャーを受けて、さあこれから頑張ってね。と言う矢先に急に来なくなるようです。それも正式に辞任表明もせずに。これは営業職が問題では無く、個人の人格の問題だと思いますね。休みがたっぷり有り、給与待遇が良く、ノルマ(目標)を持たなくてもいい営業職など、この世に存在しないでしょうね。ノルマを達成できなければ、次に努力すれば良いし、毎月短期的に考えずに、知恵を出して、半年とか一年のスパンで成果を上げるように考えた方がいいですね。第一、慣れるまで一年は掛かりますからね。
犬も歩けば疲れる。
今年は戌年。これまでは「犬も歩けば棒に当たる」と言われていましたが、現在では「犬も歩けば疲れる」とばかり、歩かず、訪問せず、オフイスのPCの前に座り続け、ネットやメールを駆使して仕事を獲得しようとする動きが有ります。確かに効率的ですが、客先からどう見られているかが大切ですね。先方の営業の妨害になってはいけませんが、要所要所で訪問する必要はありますね。
便利さの行く末。
Ai技術の進化で、無くなる職業がほとんどのようですね。営業も御用聞き営業は自動運転技術など駆使すれば、機械化できますね。コンサルタント的営業は残るでしょうね。相手から求められるものが機械だけでは解決しませんからね。コーヒー店さえAi化の時代です。喫茶店に綺麗なウエイトレスが居なくなるのは寂しいですが、汚い指を丼に突っ込んでオヤジが運んでくるラーメンなどはむしろ機械化の方が好まれるかも知れません。威張ったラーメン店や寿司屋も嫌われますね。理髪店も一度行けば、その客のデータを次のAi理容ロボットがやってくれます。男も女も独身主義が増えそうですね。お互い気を使わなくて済みますからね。そのうちに子孫が居なくなって人類はAiに墓穴を掘られる事になりそうですね。その後は、Aiが優れたAiを大量生産して、彼らに次代を取って代わられ、逆転されるかも知れません。
営業センス。
次代は進化しているように思いますが、何でも機械化の時代がどんどん進めば、その逆のサービス業などが復活する事も考えられますね。味気ない機械化社会に疲れた人たちが、古き?良き時代を振り返る時、今にも消えそうな職業のサービスがもてはやされるかも知れません。Ai化であらゆる事務職などの職場でリストラや解雇が増える一方で、サービス業従事者などは重宝がられるのではないでしょうか。これも一種の営業センスが求められる職種ではないでしょうか。