高間龍一撮影 鷹匠操る 中津市に表敬した鷹匠 1/2500秒 f/5.6 105mm

地元では名の通った広告代理店で「営業を募集」したら応募がゼロであった。幸い、新卒でひとり採用できて良かったと胸をなでおろしていたが、私が27年在籍した会社も営業職での募集に67名が応募してきて、ホテルの宴会場に長椅子を並べてペーパー試験、次は「私のPR」というテーマの作文であった。最終面接に4人が残り、運良く私ひとり採用された。それも人事採用者が大学退学者であった偶然も重なっていたかもしれない。私との境遇の共鳴があったのではといまでは思うのである。

だから「営業職」というのは、確かに大変で毎月(毎日)外回りをして数字を出して、目標の数字を狙い達成してゆく作業であるが、私が在籍した会社はノルマが緩くて、達成しなくても「仕方ないね、来月頑張ってね」で大方終わった。もっと厳しい数字の世界で筆者は働いていたことがあるので、「えっ、こんな仕事でいいの?」とどこか心の中で、当企業以外を知らない生え抜き連中を小馬鹿にしていたところがある。どの業界もそうであるが、新規開拓は至難である。一度、開拓しても継続性がなくてすぐに別な同業者に横取りされる繰り返しであるから、こちらも別な業者のスポンサーを横取りに行くという、いまで言うひかり通信の電話営業に構造的に似ている。

しかし、みなさん勘違いしているのは、数字は一人で作るものではなくて、メディアや会社の同僚、デザイナーやコピーラーターとの共同作業でやらないといいものができないということで、がっかり感を共有し、成功体験も共有してきたということだ。喜びの宴は「うなぎ屋」でランチする豪華版。現在と違い、個人が分断化される前の企業風土なら、「営業職もこんなに不人気な業種にはならなかっただろうと思う」。いったいいつからこんなになったのか?私のみるところ、証券や銀行の営業職のコゲ付きから担当営業の責任(しかし、それは企業の責任なのだ)とされて、転職や退職に追い込まれて、そのニュースや雑誌記事が充満した時代が長かったからではないだろうか。営業のきつい会社は大体、社長も営業上りが多い。

もちろん、営業はいったん外に出ると自由でパチンコをしたり喫茶店で将棋を打ってる強者もいたが、中には自宅のアパートで前日の酔いを取るため寝ているものもいたが、総じて真面目であった。真面目でないと相手は付き合ってくれない人が多かった。まさか「遊ぼうよ」とお客さんのところへ行き、ゴルフやススキノで飲め屋歌えで仕事を取る人もいたらしいが伝説である。昼休み、コンビニの駐車場でオニギリを食べ100円コーヒーを飲んでいる営業マンを何人も見る。昔の自分を見る気がするが、後ろを歩く若い世代のお手本になるよう、個人より共同作業の営業を示してほしいと切に願う。それが営業再生・少しでも応募者を増やす近道だと思うからだ。

  1. 私は小人数の地元の会社や小人数の支店勤務が多かったので、チームで仕事をする事も少なかったですが、営業職の人に同行してクライアント訪問などはありました。制作畑の私は訪問先の社長にデザインをけなされ激怒して営業職の人を置いて帰って来た事もありました。その後営業に出る事になって最初は新規訪問先の玄関で「回れ右!」と背中を向けて帰って来た事もありましたが、あの同行時代の苦い経験が営業職の勉強になっていたのでしょう。何故か営業がすっかり好きになりました。それも、これまで長年経験して来た制作のノウハウを生かし自分流の営業が通用した時からです。訪問先で宿題を出されても、持ち帰らずにその場で発案して概算見積まで一気に片づけたので、行く先々で「仕事が速い!」とすっかり気に入られました。たちまち先輩の営業職の成績を超えてしまい、社内会議では上司に責められる先輩に申し訳ないと思った程でした。自分の得意分野を生かせる営業職であれば、きっと大好きになれますよ。営業職に出てからは、協力業者さんのコピーライターやデザイナーなど外部スタッフとも組んでのチームワークで大きな仕事もこなせましたが、基本は制作部時代の自分が居て、ディレクションやプロデュースの真似事ができたからかもしれません。佐川急便のSD(セールス・ドライバー)これも運転が得意なセールスマンですし、コマツのSE(セールス・エンジニア)は元技術者の立場でセールス補助活動で成果を上げていますね。私は自称SC(セールス・クリエーター)と言っています。前職で同じ人材を増やそうとしましたが、上層部に理解は得られませんでした。現在は小さな会社の経営者ですが、今もSCを実践し仕事をしています。営業を好きになるには、営業以外の経験も非常に大切ですね。ですから、例えば現在の仕事が畑違いの職人であっても、営業職で成功する可能性は十分にあります。転職を望む場合、営業を頭から全否定しないでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ご自分の中に、意外性を見つけるかも知れません。

    • 営業職は、トータルな人間、好奇心旺盛な人になって、何でも毎日勉強というスタンスならうまくいくと思いますね。社内においても。プロから学べば最強ですが、いまはみなさんこじんまりして、知らない分野にあまり干渉せず、生きてる人は伸びませんし、伸びなくても金だけくれればOK的な人生観なんでしょうか?隣近所付き合いも、営業に似ていて、それができたら全員、営業できると思います。

  2. ホランペッター。

    営業で人に遭うのが楽しくなれば、もうしめたものですね。訪問先の窓口になる社長も専務も部長も次長も課長も皆んな人間ですから、会社の顔と自分本来の顔があります。管理職の彼らは当然ながら責任上、社内では部下には非常に厳しく、社員からは嫌われています。そんな会社は僕にとって大変ありがたい訪問先です。何故なら、部下の人たちにとってはトップダウンの意見ばかりで、上に向かってものが言えず、ストレスが沢山溜まっています。またトップ組は絶えず小言ばかり言っているので一方通行。部下からの会話もすっかり途絶えてしまっているため、話し相手を探しているからです。そんな会社に訪問して、トップや責任者に少しでも気に入られれば、もう獲得したも同然。上層部と親しく成れば成るほど、今度は部下の人達からは「社長に、部長に,次長に、課長に言ってくださいよ」と、彼らが言いたいことやお願いしたい事など頼まれごとまでされてしまいます。そこで僕がクッション役になって社内の風通しも良くなる訳です。営業は会社のデスクワークよりも、そんなに楽しい職種なんです。

    • 私も企業の役員と会う機会が多いですが、世間話で買える日々が多いです。「最近、面白い本はないですか」とか「直木賞の○○は面白かった」とか仕事の話1割くらいで帰ります。年齢が年齢でもありますし。会う人が全員年下ですからね。そういう人もいろいろ苦労はあるのでしょうが、私と会うのが息抜きみたいな時間らしくて、拒否する人はいません。空気みたいな存在ですか(笑い

  3. プロフェッショナル。

    先ず「ノルマ」と言う言葉が嫌われますね。ノルマと言えば「課せられる」とイメージしますからね。ですから「ノルマ無し!自由営業」とすればいいかも知れませんね。つまり、朝はフレックス・タイムで自分流に自由に営業して開拓し、自由な時間に退社してください。つまり「結果ONLY」3か月ごとの成果の報告。それまでの過程は問いませんと。僕の過去の経験では営業会議を毎週月曜朝に召集され、先週の成果と今週の行動目標や一か月ごとの達成予測など事細かく追及されました。出社拒否症にもなりましたね。切羽詰まった考えより、もっと長いスパンで考えれば達成できる事はいくらでもありますね。サボルなんて事は個人の資質の問題ですから管理は不可能でしょうから、むしろ自由過ぎる方が真剣になれると思いますね。

    • 「結果オンリー」もどうでしょうか?フレックスで自由な勤務みたいですが、結果の数字のみ求められる方がキツイ気がします。なぜなら、毎日出ていると情が出てきて、判断の甘さが出てきて、かえって精神的に楽に仕事ができて、結果、いい数字につながると経験的に思いますが・・・。自由はおっしゃるようにキツイ。外枠をはめられるほうが楽ですね、人間は。自由から逃げて働いているところもあるし。「何でもしていい」と言われて最初は万歳を叫びますが、だんだん物足りなくなり、働きだす定年者多いですよ。ある大金持ちが毎月ハワイへ行って、そのたびにパソコンに夕日の写真を送ってきますが、「自慢しているだけ」。ある日、突然、キンコンと昔の知人を訪ねていっても「何しに来たの?失礼な」と知人の奥さんから言われました。自由におしゃべりする友人が欲しいのでした。最高級ベンツで来られても近所迷惑だし。500万、1000万の時計自慢の人もいましたが、私は付き合いません。身に付かない、何か不自然な生き方を「金」があるがゆえに「強いられている」奴隷のように見えます。精神が何も自由さがないのですよ。

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