夜の8時、遠くから消防車とパトカーのサイレンが聞こえた。だんだん近づいてくる。あれっ、町内に入ってきて自宅前を通過して、10メートル先の角を右に曲がって次々停車。サイレンに住人は何だ何だと全員出てきた。私もいつもの野次馬が出て、どうしたどうしたと傘を差して現場に向かう。途中、住民の顔は知っているが殆ど話したこともない主婦や旦那と「どうしたんだろうね」「あそこは○○さんと言って、旦那さんは寝たきりで奥様も○○病院へ通っていてようやく歩けるくらいで二人暮らし。子供は何歳と何歳の二人いて、車が2台あるから長男か長女も来ている」「こんなに消防車が止まっているのだから、灯油でも転んで倒したのか」などと会話が聞こえる。それぞれが持っている近所話、もうプライバシーもないくらいに細かなことを知っている。ストレッチャーが降ろされたが、家の中に入るのか、誰かを乗せて来るのか見ていたが、すぐにそれは畳まれて救急車に戻される。原因不明なまま「お騒がせしました。これで消防車は引き揚げます」とアナウンスして事件は終わる。

先だって、川崎で小学生と大人がバスの中で刺殺された悲しい事件があった。偶然、姪が犯人の麻生区の自宅から数分のところに住んでいて、子供の通学路にも当たっていた。町内は報道陣でてんやわんや。玄関ベルを鳴らして「犯人について、しつこく聞いてくる」と兄は電話口で言っていた。テレビ・週刊誌・新聞・雑誌の記者はキンコン鳴らして近隣住人に聞いてくる。そして聞かれたほうは憶測も含めてペラペラしゃべる人もいれば沈黙を通す人もいる。知ってることはどうしても言葉に出てしまう人っているもので、メディアにとって美味しい人である。

そして思うのは、人は街頭のカメラ以上に近所をよく見ているということで、どこでネタを仕入れているのか謎だが凄い。我が家で洗濯機が壊れて新品を買ったとき、今は亡き向かいのおじいちゃんが飛んできて、製品のメーカーと電器屋さんを聞いてきた。台所の窓から見ていたのである。そして次の日、全く同じ洗濯機を買ってきた。日立のビートウォッシュだ。

そういえば、あるメディアで出生地・学歴・親の職業・子供の通っていてる私立学校名・奥さんの親の職業など人物名鑑のような人がたくさんいた。お昼ご飯は人事話に講じる。こういう人に共通するのは現場での仕事ができないが出世する。消防車の話からとんでもない結論になったしまったブログである。

  1. 野次馬とは言え、隣近所の人たちが出て来るところは救われますね。昔の長屋ではないですが。都会では他人に興味を示さないどころか、隣にさえ無関心ですからね。そんな環境で事件が起きても長屋のようには行きません。昔、息子家族が移住して来た時に近所の同年代の主婦が、早速嫁に近づいて根掘り葉掘り家族の事や家庭内の事を聞き出して自分の事は一切シークレットでした。結局付き合いはそれっきりでした。彼女の亭主は銀行員で早朝から真面目に出かけて行きます。きっと付き合えば出世の妨げになりそうな人は排除する作業だったんでしょうね。

    • 自分はさらけ出さず、相手の話ばかりを聞いて来る人もいます。頭の悪い人に多いです。それなら天気と洗濯の話をしたほうがいいでしょうね。銀行もいまや心の病の人だらけ。プライドが高いだけ転職の障害になりそうです。肩書なくても生きていける人物になるよう若いうちから努力しないといけませんね。

  2. 救急車はたまに近所にも来ますが、消防車は今のところ来ていません。町内も高齢化が進んでいますから、今後なにかとお世話になる事も増える事でしょう。それにしても、救急隊員の方たちは大変ですね。救急搬送など真夜中でも出動ですから、働き方改革などと言っていられませんね。人命を守る仕事には、サラリーマンと違って定時で帰る事も無いのでしょうね。

    • さすが4台来るということは市内の全車両が来たといこと。そして何もなく帰る。どんな事件だったのか?こっちに興味あります。隊員は筋肉隆々タイプ多いでしょうね。消防署の前に必ず鉄棒がありましたね。肉体訓練をするのでしょう。自衛隊にしても訓練・訓練。筆者のもっとも苦手な世界です。規律や約束を破って生きていきますから。周りに迷惑をかけてばかりです。救急車で運ばれ、生還してきた筆者なのでラッキーな人生です。ストレッチヤー見ると12月14日の搬送された日を思い出します。

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