故ディープインパクト 筆者撮影 社台スタリオン

いい患者になるために。

2回ほどの入院で学んだことは、いい患者になると、入院生活は楽しいということだ。ある本(そんなこと、気にするな 桜井章一 プロ雀士)に老人病院で一番手を焼く入所者は、かつて金持ちで、社会的にとても偉かった人たちだという。一流企業の元社長や役員、大学教授、弁護士、政治家、官僚、検察官・・・。共通して弁舌が立ち、わがままであり、看護師や医師の言うことを聞かず文句ばかり言う。人を馬鹿にする癖がある。病院中のスタッフから嫌われている。どうせ入院するなら楽しく送りたいもの。あげくに、家族や元部下たちもお見舞いもどんどん遠くなってくる。どうしたらいい患者になれるのか?私が心筋梗塞で入院した部屋に10歳くらい年上(私は50歳で入院)の穏やかな人がいた。ある日、『専務、決算書です。サインをお願いします。』とやってきた。サインをして部下たちが帰っていったが、彼はどこの誰であるかも言わず、いつものバカ話に戻った。お互い退院日を合わせて、風呂に入り、背中を流させてもらった。穏やかな人であった。もう一人は、札幌の藻岩山下の病院の院長から聞いた話で、雪印乳業の役員が末期がんで入院していたが、愚痴を一つもこぼさず、たんたんと入院生活を送って、必ず、医師や看護師に『ありがとうございます』と言うことを忘れなかったと。院長の話ではクリスチャンではなかったかという。亡くなって、医師を含めて全員が泣いたよと。感動を残して亡くなる人に共通するのは、威張らない・感謝する言葉を忘れない。筆者の2か月にわたる入院生活はどうであったか?これは自分で語ってもしょうがない。私の入院生活に関わったたくさんの人たちに聞いてもらうしかない。しかし、いまは意地の悪い看護師もいるから、その対策も患者側でしなくてはいけない。入院生活を快適に過ごすのは、主治医より病棟の看護師との付き合い如何、同室の人たちに嫌われないための工夫であって、その部屋で身分や会社や学歴を自慢するところではないということ。自慢したいなら高額な個室に入って、他人との交流を絶つ孤独な入院を送るしかない。

  1. 入院患者の間でも格差社会ですね。病院経営者の立場としては歓迎する患者も、現場では手を焼く厄介者となる場合も多い訳ですね。病気になれば少しは気弱になるものの、性格の本質は変わらないでしょうね。社会の中でトップに近い立場の経営者や管理職にもタイプはいろいろあるでしょうね。トップ・ダウンばかりでは、下からの意見も上がって来ませんから、つい自分の意見だけがまかり通る場合と、現場の話を聴きとり、組織をまとめる場合など様々でしょうね。いずれにしても、どんな状況下でも相手の話は最後まで聞いてから自分の意見を述べたりして対話する方が、コミュニケーションは成立するのだと思います。お互いの立場を理解する事が最低条件なのでしょうね。

  2. 専門分野の事は専門家に任せた方がベストですね。医療従事者なら年齢に関係なく、その道で勉強してキャリアを積んでいる訳ですから、幾ら過去に栄光が有ろうとも素人の入院患者が口をはさむ事は無意味でしょうね。それが医師でなく、看護師であっても。

    • ひどい医師も、看護師も見てますから、何とも筆者は答えられません。隣人が泌尿器科で再手術をするとき、娘さんは『札幌医科大学で!』と望んだのですが、隣人は『あの先生は最初から私の尊敬する人、ここで手術する』と言って亡くなったのですが、評判の良くないキャリアの医者でしたから・・・。しかし、これ判断、難しい。どの診療科目もそうでしょうが。入院するとわかりますが、個性ある患者ばかり。毎日、痛みに耐えかねて叫ぶ患者もいました。ある日、5階から飛び降り自殺しました。夜中の出来事で私は気づきませんでした。朝、患者同士でヒソヒソ話で知りました。病院は何事もないような日常です。怖いですね、これって。余りの痛みに飛び降りるのです。

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