イベント七転八倒の話(コロナの気配もない昨年の同じ日掲載)
全道の自治体をキャラバンして、市町村の住人を集めた「健康教室」をある団体の主催で年間2回開催していた。テーマも「笑う門には福来る」とか「脳梗塞にならないために」「糖尿病の治療最前線」「温泉健康療法」とかだ。しかし、高齢者の多い地方で確実に集客ができるのが「ボケないために」というテーマ。イベントは用意された席数を集めるため、2か月前に地元自治体の担当部署と協議して、保健課の人から明るく「150名なんて大丈夫よ。200名も来るかも」と自信を持って言われた。
湖の美しい町だった。すっかり観光気分で大船に乗った気分。ところが午後1時に開会する講演会なのに、会場の駐車場へはさっぱり町民の車が来ない。時間は45分を過ぎてあと15分。まだ20人くらいしか座っていない。ヨシこうなったら、アレしかないと私は判断。会場が地元で一番大きなホテルだったので、あらゆる部署・階にいる従業員に「制服や掃除服を至急脱いで私服に着替えてください!会場にある席に座ってください!料理人の方もお願いしまーす」。
一方、用意したパイプ椅子をどんどん片付けて200席用意した椅子を半分に。さらに後ろの衝立を前に持ってきて、会場を半分に。なんとか体裁を整えて講演開始。講演だけは無事に終えたが、最後に恒例の反省会が講師の医師を交えて実施。シーンとお悔みの反省会。タバコ好きは「ちょっとタバコを吸ってきます」と言って逃げる。当日はプレゼントに250ccのミルクがもらえるプレゼント付きだったが、この地は酪農がメーンの産業。来るわけないよなあ。しかも後でわかったことだが、この講演の1週間前に,全町で大々的に「町民健康まつり」をしたばっかりだって言われてがっくり。チグハグなイベントであった。
私は、この失敗イベントで始末書を書いた。成功したイベントより、失敗したイベントが懐かしい。お金をかけてるわけだから、人が集まるのがあたりまえ、来ないのは企画の詰めが甘いと常務からは叱られる散々のイベントだったが、仕事ができない役員から正論が出た時の腹の立ったこと。仕事ができない奴ほどよく吠える。人の失点に食らいついてくる。困った人材が多い。この点をこう改善したらいいのでは・・という提案的な話なら聞くが・・・・。さらに私のミスは続く。