先日、『いま真っ盛りなのは経費削減産業だよ』と教えられた。彼も旅行代理店の取締役員をしているが、旅行需要が激減してプリンターの用紙を格安で提供するビジネスや健康豆腐を扱ったり孤軍奮闘している。経費削減のために企業へ提案することを日々考えている。自身の身分も平社員にすることで、会社の人件費を減らして、自らは政府からの雇用助成給付金をもらうことで生計を立てる。どの会社も派遣切りや親会社の経費削減の方針で半期の終わる9月に予算の見直しを迫られ、外注先へ当初の予算以下の経費が求められて、仕方なくアルバイトや派遣を切ることで利益の確保をしている。ゴルフ好きな人に聞いても、人件費を減らさないとゴルフ人口が減って経営が立ち行かないらしい。風呂場やサウナを止めたり、キャディを減らしてゴルフカートにGPSを付け、何ホール目を回っているかパソコンで把握している。職場の経費削減の古典はコピー機の裏紙使用や会社支給の電話をガラケーにしているところも多い。社員同士の会話は無料にする契約だ。大きな削減はもちろんオフィース料を減らすためフロア縮小。自宅で仕事をしてくれというリモートワーク。自宅の仕事は公私の区分ができにくい。住宅街から出るゴミの量も格段に増える。菓子類や弁当を食べる回数が増えるから当然だが、企業側ははゴミの排出増大にどこまで関知するのか。物理学でエネルギー保存の法則があって入るエネルギーと出るエネルギーは同じだと考えれば、得をする企業は必ず損をする人(企業)を生み出していて、合計してプラスマイナスゼロだというわけだ。置かれている立場で物の味方が180度変わる。圧倒的多数が賃金労働者であることを考えると、電気代や通信費の増大、移動が少ない暮らしに変わって健康被害(肥満や鬱)も予想される。夫婦ケンカも増える。残業代も減り暮らしに余裕がなくなる。喜ぶのは対人恐怖症の強い引きこもり系社員だ。どう考えても、経費削減はサラリーマン同士が食い合う、賃金労働者が小さくなったパイを取り合う図式に見えるがどうだろうか?

 

  1. 経費削減提案産業も時代にマッチしていいのですが、そのほかに、この大変な時に企業の立て直し提案も大切では無いでしょうか。そのためにはアイディアしか無いですが、考える事自体にはお金は掛かりませんからね。もしアイディアが陽の目を見れば、現状から脱皮できるかも知れませんね。

  2. 経費削減というのは、時折ブームの波が訪れますが、中小企業が深く考えないで手をつけると危険な場合があります。企業はいつでもお金が不足気味ですし、経費削減はなぜか「良いこと」とみなされているので、周囲でやり始めると経営者はつい自分もと考えてしまいます。が、無駄だと思って削減したことが、実は何の役に立っていたか、理解できないでいただけということもあります。また、月いくらで年いくらの削減という算盤を弾いても、実際に1年経ってその額が手元にあることはまれです。財布に入れた金がいつのまにか、思ったより少なくなってるというのと同じです。
    お金がほしいなら、まずそのための新規事業などの仕組みを考え、それに必要な原資を得るために経費削減する、というなら筋が通っているのですが、それができるのはもともと力のある企業が多いような気がします。

    • お金は何をするために残すかまたは使うのかで、企業や経営者の器が図れますね。無目的なら夜の街に注ぎ込むか、ギャンブルか経費で買うぜいたく品で、なんの意味もないですね。新規事業といってもそれを考えられる人、アドバイスする人、そして現場で動く人、それを聞いて協力をする人などたくさん必要ですが、まずは仕事の面白さに敏感に反応する人間がいないとどうにもなりません。組織は実は後でついてくるので、組織をつくりネーミングを巡って大会議が開かれ、役職者を置いたら、あとは頼むでは・・なんの生産性もない。おまえに1000万上げるからやってみなさい・・というほうが目の色変えて現実化へ走ると思います。それで組織が変わりますよ。

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