加島祥造自由訳 老子「人はなかなか気づかない」
昨日の「雪かき仕事」の延長の話になるかもしれないが、英文学者加島祥造さんの「老子(タオ)」の第43章に「人はなかなか気づかない」という自由訳があったので、紹介します。
固くて強いものが
世の中を支配しているかに見えるがね、
本当は
いちばん柔らかいものが、
いちばん固いものを打ち砕き、
こなごなにするんだよ。
空気や水のするように、
タオの働きは、隙のない固いものに
滲み込んでゆき、
いつしかそれを砕いてしまう。
何んにもしないように見えるが
実に大きな役をしているのだ。
このように、目に見えない静かな働きは
何もしないようでいて深く役立っている。
これは、この世ではなかなか
人に気づかれないんだが、
比べようもなく
尊いものものだよ。
昔の少年
この自由訳は深いですね。優しい柔らかい言葉で浸み込んできますね。同じ文章でも人それぞれ受け取り方が違いますね。漢詩を見ただけでは難しい字が並んでいるので読むのが精一杯で、なかなか自分なりの理解には至りません。英文の詩でもニュアンスまで理解できないですが。