年末が近くなり、札幌のコロナ感染者は減少に入っている。札幌市のコロナ対策はことしの2月、札幌雪まつりに始まるクラスタで感染者が激増して全国を驚かせた。当時、札幌は東京オリンピックのマラソン開催が決まり、札幌市も関心がこちらに向いていた感が否めない。しかし、感染者が増えるにしたがって市内の各病院は危機感を強めた。さらに当時悲惨だったのは、PCR検査が200万都市で一日12件しかできなかったことである。ウィルス危険度は4段階に分けられるが、エボラやサーズ、ペストは危険度4、新型コロナは3に分類をされて、容易に検査技師が扱えない区分をされていた。相当な訓練を経た人でないと扱えないという分類だ。あまりこの点は報道されていないから書いたが、レベルを段階2に下げると検査しやすくなると多数の医師からは意見が出ている。危険度3ならウィルスの入った容器を飛行機で運べないとされていたぐらいだ。しかもPCR検査をする施設は当時1か所だけ、民間の検査機関はゼロであった。それを検査のため東京の研究機関に送ろうにもウィルスの入った容器を飛行機に乗せられないから、調べようがない現実だ。法律の縛りで自由が利かない。万が一があったら責任をだれも取りたくないのでずるずる検査件数を増やすまで時間ばかり要したわけである。

まさか私も武漢での一地方の鳥インフルみたいなものだ程度に思っていたからえらそうなことは言えない。札幌市もこれではだめだと態勢を組みなおした。新型コロナ感染症患者をどういう病院がどういう段階の患者を入院させるかを2名の石にアドバイサーとして就任させて、病院との交通(専門的なコミュニケーション)を良くした。病院側も札幌市から委嘱された札医大と北大の医師が入ることで信頼感が増した。さらに病院を重点病院1、重点病院2、重点病院3、協力病院1、協力病院2、協力病院3まで分類、患者の症状と高齢か否かでアドバイサーの医師が残り病床を検討して送り込みをしていた。残り病床数は全病院で情報を共有するシステムを構築した。協力2や3の病院は疑似症患者のために用意された。重症者のためのECMOの台数及び空き台数も把握され、毎日更新されている。

それでもひっ迫することが多かった。病院そのものからのコロナ患者発生でベッッド数が減ったり、入院を一時ストップする事態にもなったし、救急患者の受け入れができない事案もあったが、札幌市保健所の若手の職員の頑張りと医師の連携でようやくクリスマスまで来たわけである。ここだけの話だが、たくさんの病院にいる若手の医師たちは自分たちも何とかコロナ患者を救いたいが、所属する病院側が「危ない」から辞めてくれと言い身動き取れない悩みもある。医師としての使命感があるので、そういう医師たちを札幌市の準公務員として雇いダブルワークさせられないかという動きもある。もちろんすべての保険をつけて。ある医師は「札幌市のコロナ対策は全国最先端をいっている」と自負していた。各都道府県も各都市も札幌市をお手本にするといい。その成果はどんどん出ている。

  1. 医療従事者の方々の奮闘とは裏腹に、未だ一般人の人たちの中にも自粛をしない人も多い。首都圏では日に日に感染者数も拡大し全国でも日に日に増えつつある現実に、今日ようやく緊急事態宣言を発令すると腰を上げた政府ですが、決断の遅さを指摘する人も多い。果たして本当に遅すぎたのか?それともこれを機に終息が見えてくるのか?結果は直ぐに出ないだけに、まだまだ気をもむ日が続きますね。

    • 長い自粛期間ですからね。エネルギーを余した若者中心に走り回るケースが多いですが、無症状なのでわかりにくく抗体検査だけでも1時間もあればできるので無料でそういう場所を都市部で作ってもらえればいいですよね。

  2. 北海道の感染も早く収束が見えればいいですね。そして北海道の感染予防対策や医療体制が全国や世界のモデルになればいいですね。感染予防の条件は個人の自覚・意識がもっとも大切でしょうね。今朝もTVで見ましたが、対応している病院の様子がよくわかりました。いきなり病院に行く人が多いらしいですが、体調変化が有れば、先ずコロナウイルス感染症健康相談センター(24時間)に電話して症状を伝えて、症状によっては医療施設を紹介してもらう事が順序のようですね。08002220018 へ。

    • わたしも昨年、保健所と道庁のコロナ相談電話をしたことがありました。どちらも不親切でいい印象は持っていません。言うのはかかりつけ医に行って相談しなさいだけでPCR検査の病院は教えられないことと,勝手に行かないでくれというような返事でした。

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