いずみ旅館前庭のステージでアイヌの踊りが披露された。

 

チセ(アイヌの家)

4月1日から1泊2日で虎杖浜温泉 いずみ旅館で宿泊してきた。エゾシカが部屋の窓側に現れることで有名。先週は長沼の道道でキタキツネに遭遇、自然に生きる生物たちに遭うと大分から来た孫娘は大喜び。北海道の自然体験を一つ積んでほしいと思う。いずみ旅館は内浦湾の小高い丘に作られた旅館(右写真)で昔風の土壁を使った部屋で煎餅布団であったが、夕食に白老牛3種の陶板焼きを加えたのでそこそこの値段になった。目的はエゾシカ体験と昨年開いた国立博物館の見学であった。どこへ行っても、「こんにちわ」をアイヌ語で話しかけてくる。イランカラプテだったかな?ポロト湖畔に建てられていたが、ここは以前、白老コタン村で学校や町内の研修旅行、子どもたちが小学校時代に何度も訪れている。コンクリートで作ったアイヌの酋長の像があったり(今はない)、入口に本物のクマもいて、動物好きな妻がチセ(藁ぶきの家・上写真))にいた説明員にクマの行方を聞いたら、老いたクマは全国の動物園や施設から引き合いがなくて、引き取ってくれたイギリスにわたり余生を送っている。その後の情報はないとのことだった。国土交通省管轄の北海道開発局が巨額の予算を投じて、新千歳空港に近い白老に中国人の観光客目当て、また苫小牧を中心にIR事業が推進されればカジノ誘致もしていたので、国立アイヌ民族博物館の入場者も多くなり、活性化されると青写真を作ったが、実態は一度訪ねて見て欲しいというだけだ。箱物だけ作ってはソフト面のおざなり感は否めない。当初、1階だけの建物予定がいつのまにか2階建てに設計変更した。太平洋に面しているので胆振東部地震もあって、白老町民がいざというとき避難できるために2階建てにしたわけである。この施設は現首相の菅案件とされる。異常とも思える広告の露出(JR全列車にウポポイのカラーポスターを貼っていた)。広告代理店とゼネコンのための税金乱用施設というほかはない。全道の博物館や郷土資料館にもアイヌ関連の作品や資料は山のように展示されている。筆者の近くの恵庭郷土資料館 、野幌の北海道博物館立博物館にはもっと充実した資料がある。札幌市の定山渓にもあるし函館の市立博物館にも見ごたえある絵もある。北海道大学植物園の中にあるアイヌ資料館は充実している。モノクロながらクマ祭りの映像も見れるし、アイヌ女性と結婚したバチュラー博士の記念館もある。アイヌはたくさんの探検家や知識人、本州から渡ってきた和人と交流をした。和人だけでなく、イギリスから来たイザベラバードにもアイヌのことがたくさん書かれてあるし、日本地図を作った松浦武四郎もアイヌの世話になっている。この施設の欠点は人的交流部分が歴史的に少なく勉強されていないということだ、文化は人と人との交流でガラスケースに入れて鑑賞するだけではない。沙流川の金の採掘も平泉の金色堂を作る原料になっている。平泉にアイヌの偉いさんが招待されている。交易の部分としての日本人やアメリカ人・イギリス人・ロシア人とアイヌの交流が見やすく整理されていない。私はアイヌの人とたくさん仕事をしてきたけど、観光客として見せしめになるアイヌは好きではない。和人の騙し交易も殺害も泥棒も、過去のいきさつもあるが、そういう事件は記憶から抹消できない。ただ、この施設、職員(正社員か臨時かパートかは調べていないが)の町民の雇用はずいぶん増えたと言っていた。ある町民はウポポイをウソッポイと読み替えていた。エジプトのミイラを入れる棺型をイメージしてしまった本館であった。空から見るとたぶんわかるだろう。国家公務員の天下り先がまた増えた。

体験交流ホール

 

  1. 仏を作って魂入れず?に似ていますね。立派な施設にはなったものの、本当にアイヌの人たちに歓迎されているのかは疑問ですね。国も観光スポットぐらいにしか考えて居ないのでしょう。アイヌの歴史や文化を誰もが研究する核的な施設になればいいですがね。

    • アイヌの歴史や文化を研究する施設はたくさんあります。総務省にアイヌに関するセクションが北口合同庁舎にあります。道庁にもあります。札幌市にもあります。財団法人アイヌ協会、そのほかに札幌大学や北大にもアイヌ語を中心に研究者がいるし、旭川の博物館に瀬川拓郎さんというアイヌと縄文世界を読み解く先生もいて、けっこう充実した研究をしていますよ。おっしゃるように観光スポzット的で、レストランもファミリーには高い値段でしたね。白老の温泉泉質は素晴らしい。PH8.7でした。ツルツル肌になります。

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