この盗品を買ってください、または警察を呼んで。
札幌で老舗のブランドのリサイクルブティックに久しぶりに顔を出した。経営者とは30年前からの知り合いで話が弾んだ。三越近くの店にある日、『新品の5万円のブランドバックを買ってください』と老女がやってきた。『三越で盗んできたから』。経営者ははじめ1万円で買えば、相当に儲かるとは思ったが、次に老女が『万引きで警察を呼んで捕まえてくれるよう連絡をしてくれませんか?』と言う。さらに『私はホームレスで身寄りもなく刑務所に入りたい』のだと言う。経営者は咄嗟に『そのバック、三越へ私が返しておきますから、どこかで無銭飲食をして警察を呼ぶといいですよ』とアドバイスをしたが、首を縦に振らず、1万円を握りしめて帰っていったとのこと。いろいろ話すと刑務所を出たはいいが、世間は冷たくて、頼る家族・親族もおらず、季節もだんだん寒くなり、暖かかった刑務所が恋しいのだと。男ならば、どこか拾ってくれる企業や団体があるかもしれない、たとえ反社会勢力であっても。しかし、老女には明日のご飯を支える受け皿がない。思いつくのは刑務所での快適な暮らし。苗穂刑務所である。刑務所の中は全国、こうした囚人の高齢化に悩んでいる。中学の同級生のお兄さんが定年後、苗穂刑務所で過去の職歴を活かして薬剤師をしていた。『彼らはやたりに薬を欲しがる。はっきり言って税金の無駄!』とよく言っていたとも。しかし、筆者はそうは思わない。税金の無駄ではなく、もっと世間の受け皿を増やすべく仕組みを作らないといけないところにきている。適性があれば不足しているドライバーの養成や、これだけの世代間を貫通する人手不足が続いているわけで雇用する側の意識さえかえていけば意外に簡単かもしれない。とにかく現場作業員が足りない。殺人を犯すわけではないこういう軽い犯罪について、常習とはならない人について、もっと雇用機会を増やすようにすればいいなと思うのだ。誰だってひょっとしたらまかり間違えば罪の人である、心の中を深く探っていけば、その要素はある。それが表面化しないからとりあえず、法治国家では市民・善人という商号をもらっているが、いったん物不足やインフラ途絶でパニックになると何をしでかすかわかったものではない。最近、団地内で出没するのが灯油ドロボー。500リットルタンク(約5万円)を抜いてしまうので、防災センサー設置が流行している。ガーデンイングブムのときは玄関の鉢植えが大量に盗まれた。三越の5万円は正直な昼間の犯罪でわかりやすいが、闇で行われる泥棒はたちが悪い。各界の税金泥棒は、一度、刑務所に入れて肉体労働の日々を課してあげたい気分になるのは私だけだろうか?
ところで三越から盗まれた5万円のバッグはその後、どうしたのか、それを聞くのを忘れていた。
坊主の孫。
或る日の帰り道、突然!見知らぬ若者?から電話で「〇〇さんから電話するように言われたのですが」と。「どなたですか?それにどなたですか?」と。「札幌刑務所で一緒だった〇〇さんからで、〇〇と言います」。ところが、出所したら私に電話をしろと言った〇〇の名前が、娘が最近付き合いだした彼氏の名前に似ていたので嫌な予感がしたのです。根掘り葉掘り聞くと、どうやら半年ほど先に出所しているとか?名前は似ているがどうやら別人の事のようでもあるが心配。電話をしてきた本人の罪名など聞いても「お恥ずかしいので」とか言うので婦女暴行かなとか?想像しながら、ところで今はどこに?「旭川の〇〇建設です」と。そこで受刑者を更生させるために雇い入れている経営者も居るんだなと感心した次第です。
seto
良かったですね、別人で。受刑者が働けず、また再犯する人も多い中、雇い入れる経営者、偉いですね、なかなかできることではありません。履歴書・戸籍がどこまでもついて回る不自由な人間集団ですが、他人を補足するため(補足されたくない人々も多い)の制度でしょう、大昔から。税金徴収と犯罪つかまえですか。ただ、性暴力や性犯罪は病気ですから、常習ですからGPSを埋め込まないといけませんがね。
広告マン。
大阪のミナミで高級志向のお好み焼き店を経営していたチェーン店が、コロナ禍でインバウンド客も来ず、会社が危ないと責任者会議を開きアイデアを募る事にしたそうです。経営者は社員を辞めさせたくはないが最悪そうせざるを得ないまで切羽詰まっていました。が、社員の一人が知恵を絞った中に、コロナ禍では、高級店よりも単価を下げて、郊外の大型スーパーマーケット内レストランに出店が良いのではと。早速実行。テーブルには鉄板は置かずにその場で焼き上げた熱々を提供。コロナ対策もしながら大繁盛。なんと?社長がその店舗の店長に抜擢したのは元受刑者の青年。客の評判も、丁寧な対応の店長への評価が高く大成功との事でした。
seto
いい話ですね、単価を下げる、郊外のスーパー内。高級店の発想をあっさり、切り替えた庶民目線。履歴に関係なく、何をどうするかですね。それを採用した社長の決断もえらいです。また次のアイディアが別な社員から出てくる可能性を秘めています。成功体験をばっさり捨てているのが凄い。味は昔から定評でしょうから。