定年を廃止した会社、そのわけは?
いま定年がない職業は、医師・弁護士・税理士・公認会計士・農業・漁業・林業・商店経営者・会社経営者・自営業・政治家も定年がないかもしれない(政党内で定年の年齢を考えてるだろうけど)。主婦も定年がないね。(妻はよくこぼす、主婦にも定年が欲しいと)。ブロガーにも定年がない(どうでもいいか)。
札幌のある会社が、定年を廃止したと知人から聞いたので報告をしておきます。食品製造業の会社で、プロ感覚・職人的な技や技量が問われる世界。流れ作業で機械で作るのだけれども、肝心なところはやはり熟練工が必要な業種だ。最近、社員から辞表が多く出るようになって、理由を聞くと、親の介護のために故郷へ帰るというのだ。50歳台が多くて、親が70歳台から90歳だ。社長としては、物づくりのベテランに残って後輩たちの育成にまだまだ力を振って欲しいので、考えた。
工場の周りの空き地に「老人ホーム」を作って、彼らの親を故郷から呼んで住んでもらおうと。社員は工場のすぐ近くに親がいるので、仕事が終われば顔は出せるし、安心だ。さらに社長は、この際、定年も廃止して、好きなだけ働いてOKというふうにした。
働く側からいえば労働のインセンティブが持続して、いい商品を作り続けられるメリットも出てくる。それに比例しての賃金体系がどう変わるのかまでは聞いてはいないが、社会感度のいい会社へ変貌していくことは間違いない。社員同士のチームワークにもプラスに作用する。社長さんは、よく決断したものだと感心する。
成長している会社だからできることかもしれないが、株主の配当を多くするための会社経営が主流になった世界で、こういう仕組みは新人を採用するとき、高い評価を受けて、素晴らしい人たちが集ってくると思う。世知辛い世の中でほんわりするニュースだ。
昔の少年
アイディアはモノづくりだけではないんですね。「人を大切にする」と言われますが、「社員を大切に=家族を大切に」が根本なんですね。年齢とともに役割があって、若い世代に継承していかなければならない事はいっぱいありますね。僕もある時期、転職の際に定年のある正社員を嫌って自ら1年更新の契約社員を願い出て7年間働いた経験があります。20代の若者に交じって頑張りましたが、そこでやるべき事がなくなりまた転職し、区切りをつけて、その後は定年なしの世界に浸って好きなように働いています。お陰で精神的にも健康になりました。客先からは「いつまで働くの?」と。「死ぬまで!」と冗談を言っていますが。