モーセと一神

フロイト)「前回の最後でモーセさんが言っておられた一神教の功罪ですね、どうですか?6月23日にも、アルジェリアの市場で少女の自爆テロがあって10人以上が亡くなりました。本人の意思でやっているというより、ボコハラムにやらされているのでしょう?ムハンマドさん、どうなんですか?いつになったら自爆テロがなくなるのですか?コーラン(クルアーン)は日常の暮らし方まで詳しく書いてあるはずで、こんな自爆テロをせよと書いてる箇所はあるのですか?ISISでもキリスト教徒であると判明した少年をふたり公開処刑してます。ムハンマドさん、なんとか収束させる方法はないのですか?」

ムハンマド)「これは、まずブッシュ政権がフセイン政権を倒して原油の利権を確保しようとイラク爆撃テロを行ったアメリカが非難されるべきで、国連は爆撃に反対していたのにもかかわらずです。聖戦宣言をしたのは国連軽視の原理主義者のブッシュだということです。ISISを構成する幹部もそのときのフセイン政権の官僚たちが中心です。さらにイスラエルもイスラム教徒が団結して、自国を攻めないようISISへの武器提供をして、アラブ世界の分裂を画策しています。アメリカ自身もシリアのアサド政権を倒すべくCIAを使って混乱させ、ISISが入りやすい環境を結果として作ったわけです。ロシアはアサド政権維持のために爆撃機でISを攻撃、都市を瓦礫の山にしてしまいました、」

フロイト)「ムハンマドさん、私が聞いているのは、自爆テロはコーラン(クルアーン)の中に書かれてあるのですかと聞いているのですが」

ムハンマド)「ジハードは書かれてます。ジハードとは、神の道において努力・奮闘しなさいという意味です。大きなジハードは自身の内面との戦いです。欲望であったりね、そのために絶食という期間を設けて食べることのありがたさや自分の内面を見つめることの大切さを促しているわけです。もう一つが狭い意味のジハードで、外的との戦いがあります。あくまでも防衛戦です。この戦いで万が一亡くなれば天国に行くことが約束されて、最上の食べ物やいくら飲んでも酔わない酒を飲めたり、72人の処女と交われると喧伝されて、若者が洗脳されてる、苦々しい状況が続いています。」

フロイト)「ムハンマドさん、イスラム教の長老たちが集まって、統一見解を出せないものでしょうか?イスラム教は政治と宗教が不離ですから、すぐに政策へ反映されやすいですよね」

ムハンマド)「それは、フロイトさん、公平を欠くというものではないですか?では、キリスト教国家の人たちも同じように統一見解をなぜ出せないのですか?さらに言わせてもらえば、フロイトさんはユダヤ人でイスラエル国家へも、もういい加減にパレスチナへの空爆は中止しなさいと天から言えませんか?イスラム教徒だけにそういうまるで悪の権化のようなマスコミの風潮は注意していただきたいですね」

フロイト)「なかなか、結論が出なくて申し訳ありません。モーセさん、孔子さん、仏陀さん、シャクシャインさん。私どもの議論を聞いて何かありますか?」~モーセが手を挙げる~「モーセさん、どうぞ」

モーセ)「一神教の功罪についてでしたよね、初めの問いは。一神教はいまのフロイトさんやムハンマドさんの議論を聞いてもわかるように言葉の厳密さ・厳しさ・徹底性、相手を追い詰める癖がどうしても伴います。特にコーラン(クルアーン)はアラビア語で初めから完成された聖典で、最初は多言語への翻訳を禁じてたほど発音や音楽的な響きを持たせたアラビア語の抑揚を含んだ芸術に近いものでした。旅人がモスクでコーランの合唱を聞くと鳥肌が立つと言います。しかし、ここで議論されているのは、無残な死が多過ぎて、なんとか中東やアフリカへ平和が来ないかということですね。もちろん中国の新疆やウィグル、ロシヤのチェチェンもね。マルクス主義も一神教ならロシアや中国も一神教の国と言えるでしょう。そこで私の提案ですが、一斉に気づいたところから一神教を捨てようではないかという提案です。全地球規模でブーイングが出るのを覚悟で私は発言しています。功罪で考えると歴史をひもといても功より罪の方が大きいと思うようにありました。科学思想家が、近代の科学の背景にはキリスト教があって、神の作った世界や現象の背後に必ずある原理なり法則があって、それを分析・解析するところから近代が生まれたと言いますが、そうであってもそこで発明・作られたものは兵器ばかり。」

フロイト)「モーセさん、そう興奮なさらずに。これまで発言を控えていた仏陀さん、全体を聞いていていかがですか?

仏陀の発言は5回目に掲載予定です。掲載まで多少時間が掛かります。

  1. それぞれの事情は有るのでしょうね。私達もこれまで果たして正確な情報を得ていたかは定かでは有りませんから反論出来ない部分も多いですね。むしろ現在のネット社会より、かつて現地で現実を見たり聞いたりした昔の報道の方が正しかったかも知れませんね。今や宗教に政治が絡んで起こる戦いばかりです。

    • 先日、コンゴみある鉱山のドキュメントを見てました。携帯電話で使用される金属の産地をデンマークの記者が追いかける命がけの取材でした。鉱山地をめぐり、政府や警察も汚職まみれ、私兵が利権を守るために平気で人を殺してすでに300万人が殺され、レイプ殺人がなくなりません。ある兵士が「おまえら、おれたちをサルと呼んでるくせに」と罵声を浴びます。フィンランド本社ノキアへの広報部へも取材する、血塗られた携帯電話です。民兵は殺した兵士から制服と機関銃を奪います「奪ったほうが安く済む」「これだけの兵士を養うためには金が要るからな」。チョコレートの原料カカオもコートジボワールで少年少女奴隷で働かせて、それがネッスルやベルギーのチョコ会社ゴディバ、経由して板チョコは明治製菓、ココアは森永に供給されています。この闇を取材してきた記者は殺されました。真実を伝えようとすると命がけの世界がやまのようにある時代ですね。宗教や教会を、新興宗教を内部から観察して伝えるとどういうことになるか。バチカンやカトリック神父の少年への性犯罪が数限りなく、殺人さえ行われていますから。血塗られた携帯だけでなく血塗られた宗教ばかりです。モスクワのギリシャ正教しかりです。なんだか宗教の話なのに利権や略奪行為の言い訳に宗教が利用されている、貧しい家族と子供たちが奴隷そのものの労働で現代も働いて、都市に住む人々の利便(携帯電話)やチョコレート文化を支えている構造が見えてきます。

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