鮭の密漁・ナマコの話
サケの遡上が8月から始まっている。千歳のインディアン水車のHPを見ると毎日、オスとメスが何匹捕獲され、昨年の捕獲数と比較ができる便利な一覧表がある。「インディアン水車さけ捕獲情報」
http://chitose-aq.jp/captureinformation.html
近所に住む釣り名人によると、サケの密漁が多くて困ると嘆いていた。彼は7本のサオを持って、太平洋側の海へ行き、砂浜から投げる。一人の釣り人の占める幅は約3メートルがマナーらしい。密漁者は河川と海の交差点で夜中にサケを捕り、捕獲したサケは遠く離れたところに置いた箱へ入れて戻ってくる。こうすると発見されても罰金10万円を逃れられて、そのサケは知らぬ存ぜずで押し通せるというのだ。
海のサケなら美味しいだろうが、川に遡上したサケも密漁されてるということだ。石狩湾から遡上して20キロも30キロも泳いでうろこがボロボロになってるサケをも密漁する。全然、美味しくもないのサケなのに捕獲する。名人によるとメスの「イクラ」だけが目的だと言う。知ってのとおり、山口組の分裂問題の背景に下部組織の組への上納金の値上げ問題が伏在する。組員も減り、全国のヤクザ・暴力団がどこで金を稼ぐか必死の状況で、素人の密漁も多いとは思うが、ヤクザのみかじめ料稼ぎの密漁が全道各地のサケにはある。
あるとき、知人から「ナマコ」が欲しいと中国の知人から電話があり、手に入らないか相談された。それも干したナマコだ。さっそく水産会社に勤めるの知人へ電話を入れた。間髪入れず「よしなさい、命を落とす覚悟ならやってみたら」と。「そこは、暴力団のシマだよ」と。
干しナマコは中国で高価に売れる。暴力団の美味しい資金源だとわかった。中国人はそれを各地の共産党の幹部へ賄賂として使う。そして仕事をもらったり、便宜を図ってもらうのだと。それに手を貸す自分が気持ち悪くなってきた思い出がある。中国からの爆買いツアー客の中にも、買った商品をわいろに使う人も多いだろうなと推測する。
前にも書いたが、私の住む団地の横に漁川(いざり)があり、橋の真下にサケが遡上する。道の駅にある川なので、ここの責任者へ「立て看板で、漁川にはサケが上るのでご覧になってくださいと書いたらいかが」とメールで提案した。相即の返信は「密漁者を増やすだけなので気持ちはわかりますが、出せません」。
昔の少年
昔は北陸の川で魚を手づかみしていた僕などは、鮭を目前に見た時は、つい掴みたくなったものだ。密漁のつもりはなく子供のころからの習性でつい心が動くだけだ。マスを見つけると大騒ぎで捕まえるのが遊びだった。今、考えれば川マスも遡上していて密漁だったのかなと?一匹捕まえるのに子供の体力では命がけだった。自作の鉄砲ヤスは水中では威力半減でマスの横っ腹でポコンと跳ね返された。大きなカギ針にロープを結んで真竹の竿の先に刺して水中で引っかけるが竿を流してロープだけになるとマスとの闘いが始まる。マスは水中では断然強く死にもの狂いはこっちの方だった。年に一匹獲れば古殿の世界では英雄だった。アユの密漁を取り締まる川番のオジサン達も子供には寛容だった。そんな田舎にもならず者が居てダイナマイトを川に投げ込んで密漁する者や電線を川に入れ感電死させるものもいた。手がなくなったり、自分が感電したりして、そんな大人にはみんな天罰が下ったものだ。