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日本中の大都市に乱立する高層マンション(私の理解では10階以上)に幼い時から住むと、精神や健康面で悪影響が出ると言う医者がけっこういる。妊産婦なら流産・死産、低体温症や神経症も発症しやすい。

1泊か2泊のホテルならいざ知らず、長屋を縦にしただけのものに何千万円もお金を注ぎ込む神経がわからない。マンションメーカーのある責任者が「札幌も早く高層階マンション建築の制限エリアを撤廃すれば、うちも儲かる」と明言していた。決められた土地に戸数の多いマンションは大きな利益を生む。

面倒なマンション管理組合があって、決められたときに外装を変えたりするために管理費を取られて、老人になっても年金から管理費・積立費用を死ぬまで払わないといけないのは辛いではないか。私は4階建ての月額3千円国鉄アパートの3階に住んでいたけど、広告業界でたくさんのマンションモデルルームを見たが、天井も低くてどこも似たり寄ったりで住んでみたいマンションはなかった。昔の公共アパーとを豪華にしただけで代物だ。倒れたら、周りに大きな害を及ぼす、メーカーも住民も考えていないのだろうか?

住むなら地面の上だ。その地面でさえ、洪水が来たら床上浸水する風土なのだ。戸建て願望はたぶんに私の持病のパニック障害の影響でもある。マンションのエレベーター内の息苦しさ、廊下の狭さ、ベランダの恐怖、花や虫のいない人工的な空間への嫌悪と相まって相性が悪い建物だ。地震でエレベーターが自動的に停止し、閉じ込められる、一斉に階段で降りてくる住人達、揺れを吸収するためのゴムを下に置いているがゆえに長い時間揺れて、それを吸収する技術とはいえ気持ち悪さ。

子育てを終えてから住むならまだしも、イギリスでは都心部での高層マンションは禁止、単に景観を崩すだけでなくて、幼子や妊婦に気圧や密閉空間の及ぼす悪影響を明言しているが、それを言うマンションメーカーの営業マンはいない。さらにいまは、マンションに部外者が入られないよう、ゲートを設ている。某メーカーの新聞・チラシ広告の校正に何度も行ったけど、そこは刑務所だ。刑務所の中に住むために大きな借金をする異常さ。高層マンションは子供の落下を防ぐためにさらに刑務所化が進行する。

きょう元会社の同僚が大手のマンション管理人をしていて、愚痴をこぼされた。前は同じメーカーの値段もお手頃の古いマンションで穏やかに仕事ができた。転勤で高級なマンションの管理人にはなったが(7千万円のマンションを購買した客)、外壁の傷を直す業者が痛んだ部分を削っていたら、壁の削りが下の車にパラパラ落ちたらしい。住人が管理室に来て「おい、洗車しておけ」と命令口調で彼に指示。「私の仕事範囲ではありません」と拒否して、すぐに不動産会社へ電話連絡。会社から管理人の彼へお詫びを言われたが、その住人の管理人を奴隷扱いする態度に彼は激怒。それだけではなくて、クレーマー常習者も多くて「何も高級マンションではない。住んでいる人間の品からいったら前の安いマンション住人の方が人間的にずっと上だよ」と。お金持ちになっても気をつけたいことではある。一生、ないだろうけど。

どこに住んでも近所迷惑にならない人生を送りたいものです。

明日は映画「ハンナアーレント」です。

 

  1. 不動産広告の走りから手掛けた経験から、札幌のマンションも大きく変わった。高層階になった事、大型が増えた事、高額になった事だ。宮の森の億ションを手掛けた時はバブル絶頂期で90%までアッと言う間に売れたが、等価交換で最上階のメゾネットに住む元地主は「もっと高くすれば良かった」などと嘯いていた。僕の目にも億ションにはふさわしくないキッチンだったりTV付きドアフォンだったり、ドアだったり、気になっていたが坪200万円の立地が特に地方都市の富裕層の心をとらえたらしい。元地主は平屋の古い家に住んでいた事もあってそのギャップがあらゆる処に見え隠れしていた物件だった。また、ある販売業者のカタログ作成時の間取り平面図は畳の畳数表記を8畳間なら8帖と表現させられた。つまり規格の8畳ではなく京間なのか畳自体が小さく正確な8畳ではなかったが、購入者への説明は無かった。南の窓から藻岩山の自然の眺望をうたったマンションも隣接地にマンションを建てられ住民から訴訟を起こされたり、バブル崩壊後の販売不振で200万値引きで販売も、先に住んでいた購入者からクレームで、販売済みの全戸に200万円の商品券を配った大手メーカーもあった。真駒内の物件の広告で現地に行くと近所のマンションに住む主婦が「ウチのマンションは夜水を使うと音で迷惑がかかるので夜8時以降は子供も寝かせてトイレの水も流さないようにしている」などと粗悪な構造を暴露していた。それも有名メーカーの物件だ。ただマンションで羨ましいのは冬季の除雪から免れる事ができる事と便利な立地を選べるくらいか。超高層なら最上階の眺望は素晴らしいだろうが、災害時などは相当なリスクも覚悟しなければならないだろう。それ以外は余り魅力を感じない。大手ジェネコンも、大型高層住宅で利益を重視するより、冬の暮らし対策に雪のない道路整備や雪を克服する住まいなど、地方貢献度の高いアイディアなどは無いのだろうか。広い北海道、まだ宅地なら十分にある。最近明るみに出た不良品耐震ゴムの使用や寸足らずの基礎杭は高層建造物への警鐘の一部に過ぎないのではないだろうか。ガラス建材の多用なども大震災経験者の僕にはそら恐ろしい光景だ。

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