私の健康状態は、医者さえいなければ元気です。(立川談志)&山下達郎
「まくらコレクション」(立川談志・竹書房336p)平成17年12月の講演から。立川談志のまくらを読んでいると、ジャンルは違うが、山下達郎がコンサートで話す話術に重なってくる。なんだろうね。反骨といえばいいのか、わが道を行くというか、コアのファンが離れない、テレビに出る(達郎は出ない)よりライブでお客とのアドリブを見せる。ユーモア・皮肉が体に染みている、いたずら心も同居。意地悪も。自信と覚悟と不安が同居していて、とても人間的だ。談志もそうだ(高座をやることの恐怖感ってのがあって)。
12月3日の札幌で(山下達郎PERFOMANS2015~2016)、最前列の女性ファンが達郎の話にすぐにゲラゲラ笑うので、彼は笑いながら「笑い過ぎですよ、笑うときに腕を左右に振ると、隣のお客のひじに当たりますから注意してね」と会場を大爆笑させていた。彼も落語の素養がありそうですよ。少年のころにおじいちゃんに寄席へ連れて行かれ、落語が大好きになり「落語家になるのが夢」だったと。なるほど。
「ドームツアーなんてコンサートではありません。パーティーです。」11月に3日間「嵐」が札幌ドーム公演があって14万人が集まった直後の達郎コンサートだったので、刺激的な発言。さらに、この会場(ニトリ文化)が近々壊される話を聴いて「文系の役人は困ったものです、ミュージッシャンや芸能・文化を理解しないのが多過ぎる」と喝を入れる。自分の生の声が会場の奥まで届く場所を選択する。箱(ホールの使い勝手)の問題は最重要なことだ。昨日は(22日)中野サンプラザホールでの2日目公演で、「クリスマス・イヴ」を聴くのにちょうどいい時期だ。聞きに行った知人からのメールが楽しみだ。
ようやく談志の上記の「私の健康状態は、医者さえいなければ元気です」。医者に病気は作られる。薬を一番飲まないのは製薬メーカーのMR(薬営業をする人)。副作用の怖さを知っているから。喫煙行為を日本医師会が「依存症」として病気のカテゴリーに入れた背景に禁煙外来を保険適用に目論んだ外資製薬メーカーの金のばらまきが。さらに談志は「向こうは脅かしているつもりはないんでしょうけれども。結果、直接的にではなくても、脅かすような行為をしないと、≪実入り≫に差し障るという意識が、どこかにあるんじゃないかな。≪医者なんぞ行かないでいいですよ≫って言う医者、なかなかいないでしょう」。
日本の医療を救うのは、最新の医療機器ではなくて、「その程度の症状は病院や医者へは行かなくてもいいんだよ。行くだけ健康保健の財政が悪化するんですから」と発言する医者。談志の理想の死因は「談志、ふとした病で死亡」。
人間一日だけ幸せになりたければ、床屋に行くといい。
一週間幸せになりたければ、結婚するといい。
一年間幸せになりたければ、家を建てるといい。
一生幸せでいたければ、自分で正直であるといい。
今宵、幸せになりたかったら、談志を聴くがいい。クアーッ!「立川談志 まくらクレクション290p)
昔の少年
北海道に来た当初はデパートやホテルは多いが、コンサート・ホールが少ないと思った。僕の亡兄は芝居の劇団もやっていて福井県庁の文化課にも席を置きながら全国のコンサート・ホールを視察し、福井市に新たなコンサート・ホールを作る仕事もしていた。子供の頃、兄の芝居やクラシック・コンサートを聞きに行ったが物音も立てられず退屈したのを憶えている。しかし青春時代の僕は大阪や京都で毎週のようにジャズだPOPSだ、フォークだ、カンツォーネだ、シャンソンだ、タンゴだ、GSだ、J‐POPだとジャンルを問わずにコンサート・ホールに通った。懐はいつも寂しかったが、なぜか音楽と美術鑑賞などにはお金を掛けていた。しかもギターやトランペット、ボーカルで大阪南は心斎橋のクラブのステージでバイト感覚でステージにも立ったり。今思えば不思議だ。今ならいくらでもコンサートにも行けるし、楽器だってムリすれば買えるのに、それほど貪欲になれないのはなぜ?。仕事の忙しさにかまけて年に数回しか行っていない自分に改めて気づいた次第。あのころの熱は、もう冷めてしまったのだろうか。
匿名
ステージと一体化できる大きさと出演者と客席の間で笑いが起きたり意思が通じたり、こんなコンサートや高座は健康にもいいですね。彼ら彼女らの活躍を見るにつけ、元気がもらえたり「自分も頑張らなくっちゃ!」とか思いますね。そのためにもコンサート・ホールはもっと沢山なければならないでしょう。税金の無駄遣いと言われればそれまでですが、芸術・文化で観光資源にだってできますし、環境整備で地元から優秀な人材だって誕生させる事だってできますし、行く行くは大きな財産にもなりますね。
札幌ドームではボンジョビなども見ましたが、ロック系以外では音響にもムリがありますね。収容しきれないアイドル系J- POPなどはドームでも仕方ないですが、札幌にも中規模ホールをもっと数か所増やして欲しいですね。収益も出ますから無駄遣いでもないでしょう。