戦費から考える太平洋戦争(2015年8月18日再録)
戦費から考える太平洋戦争
盧溝橋事件から始まる第二次世界大戦は、一体幾らのお金が動いてどこへ支払われたのか、沢山の犠牲を払って、どこが儲けたのか、あれこれネットで調べてみた。お金の話である。
日清戦争で2億3340万円、日露戦争はユダヤ系アメリカ人ジェイコブ・シスの資金提供(戦時国債50万ポンド引き受け)もあって18億2629万円。当時のお金をいまの金額に直すと日清戦争は400億円、日露は7300億円だ。では太平洋戦争では幾らの国費が使われたのか?いろいろな費用も加えて7558億円と言われる、いまのお金に直すと150兆円。
昭和44年度の日本国の予算が6兆6000億円だから、23年分の国家予算を使ったことになる。戦死者は軍人215万人、市民40万人以上(ちなみにソ連2000万人、中国1000万人超え、ナチスドイツ700~900万人、朝鮮40万人以上、アメリカ42万人)。
お金の話に戻ると、使途の8割以上は兵器を中心とする物件費で、民営工場へ委託していた。日本銀行本店を窓口にして支払われていた。一番多かったのは、三菱重工業や日立製作所(三井系)などへ6割、三井物産や三菱商事など商社へも多い、後は物資を運ぶ船舶を含めた運輸会社など。戦後GHQが財閥解体を意図したことが、金銭面からわかる。
敗戦前年1944年の国家予算934億円のうち、80%超える735億円が軍事費で消えている。費用の調達はもっぱら公債を発行して、金融機関や国民(戦時公債として戦後反故にされた)の負担、それでも足りず、占領地や植民地へも負担を強いた。泥棒国家(国家とは泥棒行為を正当化して、官僚や軍人、政治家を養う仕組みだと言う人もいるが)に追い銭であったかもしれない。精神論とか心や魂の話が新聞を中心に国民を煽り、部数を伸ばしてきた(新聞は実は戦争が大好きである、選挙も亜戦争かもしれない)。
政府は必ず嘘を言い、それに追随するマスメディアの自称客観報道がある。これは、全世界の政府や国民との間に横たわる虚無川を挟んで、いつになっても超えられない。真実を追いかける少数の人はいるのだが、どこで何を書いたり、話しているのかわからないときがある。
ましてや戦争を体験していない我々は、幸い、アメリカ軍が写した日本軍や民間人の映像、父親・母親の戦争体験の聞き取り(生活)、香月泰男のシベリアシリーズの絵、大岡昇平の「野火」、吉田満の「戦艦大和の最後」渡辺一夫「敗戦日記」まだまだ当時の記録として後世まで見られ、読まれるものが残されている。大西巨人「神聖喜劇」もある。死と隣り合わせの人生が国中を覆っていた時代の空気を吸ってみる、しかし、それを支えていた戦費の調達や支払先へも注視したいものである。ずばり企業名をどんどん出す戦争番組がもっと民放やNHKで放映されんことを。
(注 戦争当時の物価水準といまの物価を比べて正確な金額が書いている資料ごとに違うので、困ったことを伝えておきたい)
匿名
トランプ氏も同じ事を調べたのだろうか?軍事費の中でも海外派兵や安保協定などによって費やす軍事費。今も、戦わずしても、米国に限らず何処の国でも軍事予算は膨大な額になっている。新たな兵器を生み出すために科学が利用され、軍用に試されたものが、少し姿を変えて一般商品に適用されている物も多い。ベルトコンベアーを持つ大手企業の大工場では、日ごろから国の恩恵も大で、情報も逸早く掴み、いざ有事となればラインが軍需に一変するらしい。今になれば、無用の長物とも思える大型の軍艦や航空機。当時とすれば最新鋭の武装で、素人には踏み込めない聖地だったのかも知れない。子供の頃聞いた話では田舎の土蔵の中に眠る甲冑や刀剣類さえも鉄砲の弾丸を作るためと強制供出させられたらしいが、銘有る名刀などは鉄砲玉にならず、位の高い軍人の手に渡っていたらしい。しかし今、気になるのは、ISの車列のピックアップ・トラックの映像は日本車だ。
狼少年
政治とお金は仲良しだ。まして国民の代表の議員はお金に敏感だ。言い方を変えればお金持ちの企業の思うままにもコントロールされる。企業が儲かる仕組みのシナリオの台本を渡されれば、上手に演じるので、さらにお金を払ってまで、知らないで拍手していると、とんでもない事になる。怖いドラマの始まりだ。
昔、昔の少年
我が家のガキ大将が小学一年生の参観日の事。父兄が沢山見守る教室で先生が「みんな、大きくなったら何になりたいですか?ハイ~○○君!」と。我が家のガキ大将「先生!自衛隊になりたいです!」。後ろに居た親たちはクスクス笑い、我が家族は真っ赤になった。その後も先生の質問は続いて「自衛隊になりたい」と答えた男の子は数人居たと言う。勿論我が家の家系に自衛隊員は一人も居ない。どうやら戦闘ゲームや漫画の影響らしい。理由を聞くと「カッコいいから」と。戦争を知らない親たちから生まれた子供たちには戦争の現実など知る筈もないが。そう言えば僕たちだって小さい時には、手製の武器で本気でチャンバラや戦争ごっこをしていたし、山本五十六の伝記などを読んで、カッコいいなとも思ったし、中学では戦闘機の精密画も描いたりしたものだ。(その後、大人になって初めて悲惨な戦争の無い平和を求めるようになったが)その後の我が家のガキ大将も、4年生になり、何故か今年から自主的に少年野球チームに志願して「野球少年」になった。今日も小雨の中、出かけ、明日も試合があるから朝は5:30に起こせと言っていた。同じ戦いでも、こちらの方がまだ健全だ。しかし、こんな小さな子供の戦いに必要な費用も馬鹿にはならない。試合用ユニホーム一式と練習用ユニホーム2着とジャンパーや帽子とスパイクシューズと本革グローブと金属バット等々で5~6万円。それに毎週末の試合には爆弾おにぎりと大きなポッドにお茶を持たせてクルマで送る。さしずめ我が家の無駄な軍事予算と言うわけだ。でも我が家には何のメリットも無い。