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   今井昇 撮影 月寒八紘学園 菖蒲

65歳以上の世代が世界を席巻している現実。世界で最先端を行く日本の高齢社会まっただ中を世界中が注視している。中国も60歳以上が総人口の10%2億人いる。スーパーで買い物に行ったり、週3回の電車通勤で、元気な70代の女性たちの軍団。札幌は70歳を超えると3千円で1万円分の交通機関有効なパスを1年間7枚までもらえるから、街中に出てくる出てくる70代。当然、商圏も若者と棲み分けされているが、出てくる割にはそんなに大きな買い物をしてるようには見えない。せいぜい、子供や親戚へ送るお中元選びくらいか。


しかし、同じ高齢者であっても不動産や金融資産をたっぷり持ってる人と国民年金だけで子供たちの援助のもと生きてる老人と扱われ方が違う。丁寧に扱われる方はどちらか書かなくてもわかるというものだ。しかし、この階層がともあれ政治的に同じような価値観を共有するとしたらどうだろうか?加齢は何でも守る意識に徹底してくる。「年金」「健康」「家族」「孫」「配偶者」etc。獲得するとすれば、90歳を超えるだろう自分の両親の遺産(相続平均年齢67歳)くらいか。借金も財産だから安心はできないが。


近所にある道の駅で、キャンピングカーで旅をしている裕福な人たちと話すと60代後半から70代が多い。いろいろ聞くと月平均ガソリン代や食費込みで15万~20万円経費がかかる。ほぼ老健施設に入居した場合の月の必要額に相当する。男ひとりの旅が圧倒的に多いのも特徴だ。それと男自身のマメさ。家事一般ができないと車の中はゴミ屋敷になる。


先日会った千葉ナンバーの人は和食・洋食・中華、洗濯得意でこれなら奥さんの手を借りなくても十分生き延びれる。大洗から苫小牧へ来る方が早いと私は思ったが、「新潟から道内に入る方が安い、しかも個室で快適だと。雑魚寝はしたくない」。調べるのが細かい。最低1カ月の長旅だからお金の計算も厳密だ。とうてい筆者のアバウトな性格には合わない旅だ。私の近所でキャンピングカー趣味は超少ない、わずかに支笏湖で浮かべるボートを何人か持っている。フェリーで本州へ渡る人もいるが自分の娘のところへ、観光を兼ねて八戸や大洗、名古屋へ行く程度。


自慢ではないが、私は知床・天売・焼尻・奥尻・利尻・礼文も行ったことがない、北海道は広いからねというとびっくりしていた。自分ながら、いったい私は旅が好きなのか嫌いなのかわからなくなるときがある。学生時代は、毎年、旧国鉄で上野行きや大阪行きに乗り、一人旅をしていた。時間を持て余していたのと、どこか旅先で女性との出会いがないかひそかに期待して旅をしていた。そう思ってキャンピングカーの人たちを見ると、彼らは青春時代、大きなリュックを背負ったカニ族ではなかったのかと推理したりする。自分の脚の衰えで、今度は車の脚を使っているんだと。そう思うと妙に納得する道の駅風景である。再度、このあたり確認してみようと思う。

  1. 車イスは体の不自由な人のモノ、クルマは年寄りのモノだ。若者は歩いたり、走ったり平気だが、年寄りはそうはいかない。そこで足代わりに使って行動範囲を広げるのがクルマだ。しかし、危険も伴う。動体視力や反射神経の衰え、脳など、体の機能低下は必ずやってくる。クルマはもっと年寄りに優しく安全に設計すべきだろう。例えば、大きな文字のスマホがあるように。

  2. 札幌では高齢者向け「敬老優待乗車証」(乗車カード)を配布している。申請はがきを投函すれば振り込み用紙などが送られて来て近くの郵便局に1,000円持っていけば印鑑一つで1万円分のプリペイド・カードがもらえる。追加も可能だ。3,000円コースもある。この乗車券の取り扱いは「札幌市敬老優待乗車証交付規則」によるものだ。市電、地下鉄、JR北海道バス(JHB)、じょうてつバス、中央バスの各、札幌市内区間で利用できる。当然ながら貧困でも裕福でも、70歳以上の人には無条件で申請はがきが届く。足(クルマ)のない老人には有りがたいカードだが、年齢に関係なく、幼児を抱え、足(クルマ)の無い家庭にも配布すればいいのでは。裕福な老人たちや、カード申請しなかった分を回してあげればいいのでは。収入が少なく、結婚できない人たち。結婚しても子供を育てられない人たち。根本は、少子が高齢化社会を作り、働き手の少ない不安定経済社会を作っている。さらに若者たちの年金離れを増幅させ、消費税UPで、破たんを埋めようとする後ろ向きな考えしか出て来ない。どこかの独裁国家では、結婚記念に家や車や土地まで提供しているとこりさえある。敬老も結構だが若者も尊重した方がいい。

  3. キャンピング・カーで一人旅など羨ましい。僕は毎日ワーキング・カーで走り回っている。時々、広い駐車場を見つけて居眠りしたりもするが、調理などできないので、近くのコンビニで何かを買って昼飯にするくらいだ。経済して毎朝自作弁当を作っていたが、こう暑くなると車内は高温で食品は傷みやすくなるので夏場は作らない事にしている。かと言って外食は「甘いか?しょっぱいか?油っぽいか?」ばかりで身体にいいものは殆ど無い。ヘルシーな外食があればいいのだが・・・。我慢して身体に悪いモノに付き合うよりも、いっそ、冷蔵庫付きのキャンピング・カーで日常を過ごした方が思い通りにできるかも知れない。野菜など刻んでサラダなど、自分ですぐにできるから。

  4. フランス人は普段節約して、夏のバカンス4~5週間に一家族平均30万円ほどかけて、海や山や田舎で過ごすらしい。これほど腰を据えて休む事など、日本人には出来ないだろう。少なくても僕には無理だ。育った田舎では働く事が当たり前で、遊んでいる者は結核患者や精神病の人たちしか居なかった。子供も働いた。その頃からの癖で今も働く事は苦にはならないが、実際は食べて行くために働いて居るわけで、年金だけでは暮らしが成り立たないからだ。フランスでは労働者たちが勝ち取ったバカンスだが、日本の労働者と言えば大手企業に勤務する人たちの間でベースアップの要求くらいで、一般企業にはユニオンなど皆無だ。ただし、日本の風習として今も残る「お盆休み」が、我が国の唯一の夏のバカンスと言う訳だ。僕も最近はクルマをフェリーに乗せて本州の田舎にも行かなくなった。今年の僕のバカンスは、近くのゴルフ場で下手なゴルフでもする事になるのだろう。

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