次の表を見ていただきたい。これは日刊ゲンダイ(2016年11月10日付け)の『高齢者不幸になる確率』というレポートで書かれた数字。資料出所は『平成28年版高齢社会白書』の中で~一人暮らし高齢者の動向~とある。

    65歳以上の一人暮らしの数    うち男性の数

1980年 88.1万人         19.3万人

1990年 162.3万人        31.0万人

2000年 303.2万人        74.2万人

2010年 479.1万人        138.6万人

2015年 600.8万人        188.9万人

2020年 667.9万人        217.3万人

2025年 700.7万人        229.6万人

女性の一人暮らしは、認知症さえ進まなければ日常の暮らしや近所への迷惑さも少なく、伴侶のご飯作りや洗濯が減る分、長生きと楽しい老後を送ってる人が近所でも多い。


しかし、問題は男だ。近所で楽しく生きるすべを知らないまま一人暮らしに入るから迷惑を撒き散らす人が多い。加齢とともに寛容さを身に着けるどころか頑固じじいに変身、熟年離婚でもしたら(逃げられたら)悲惨。先日も筆者の元いた会社の先輩が熟年離婚、好きなゴルフが出来る間はルンルンであったのが、冬が近づくとともに落ち込み・元気度急落したと風の便り。


それはそうと、このままいくと、向こう10年で4割が単身世帯になると予測されてる。現在は65歳以上の3人に一人が単身だ。年金足りないと新幹線でガソリン自殺した71歳男(他人を巻き添え)、宇都宮の自爆死した72歳の元自衛官のやけっぱち事件も、類似の事件が今後全国で増えるかもしれない。


希望や家族関係の楽しさ、お金と出世以外の価値観にも大事なことがたくさんあるよという思考をサラリーマン世界で学べなかった男たちは、きっとイライラ病にまず罹る。ここからどう自分を進めていくか。どういう人生を送ろうと一人で生まれて一人で死んでいくわけだから、筆者などは妻が亡き後残されたら、孤独死が理想ですね。妻からはあなたが先に逝ってと言われているが。


スーパーマーケットでカートの中に自分ひとり分のわずかな食料品を入れてレジを通る老人を見て明日はわが身だと思うこのごろである。

  1. 妻と、こんな約束をしている。お互いに「倒れても救急車を呼ばない」事を。入院して長生きしても、年老いてからお互いに迷惑をかけるわけだからだ。よく、ピンピン・コロリなどと冗談を言うが、理想かもしれない。しかし、お互いのために救急車を呼ばなくても、イザ!となれば、自分のために救急車を呼んでしまいそうだ。いつも手元にスマホがある限り。

  2. 一般的に、男の方が先に逝くケースが多いと思う。働き蜂や蟻のように、せっせと働いて一生を終える。一方、女王様たちは、子孫を作る営みで働き者の蜂や蟻たちを洗脳して、捕らえてきた給与やボーナスと言う蜜の餌を、小分けして与え、家事のほかに趣味を謳歌している。男たちは、わずかなお小遣いを与えられ、安い酒を飲んで憂さ晴らしをして、また働き続ける。サラリーマンの家庭では、妻が愛?の鞭を振るい、夫たる男たちは「疲れた、疲れた」を連発しながら生きて行く。こんな生き方の違いが一生を決めるのだろう。

  3. 消費のみの暮らし。

    母は86歳で、父は96歳で亡くなった。妻に先立たれても器用な父は独居を通した。が、隣近所から迷惑がられ最終的に老健に入ってすぐに亡くなった。90歳超の独居は珍しいケースかも知れない。夫婦の性格の違いもあった。せっかちで行動的な母、のんびりと柳に風の父。母は思いついたら東京だろうが北海道だろうが大阪だろうが行ってしまう。一方父は若かりし頃は外国まで行ったらしいが、田舎に引っ込んでからは余り動かず、絵を描いたり、詩を読んだり、釣りをしたり、趣味を謳歌して、仕事は他人の半分しかしなかった。都会のサラリーマンを退職した人たちが田舎にあこがれるのも、環境を変えて余生をのんびり過ごしたいからだろう。一方、田舎の人達は働き者が多く、定休日などはほとんど無い。雨天や台風、冬場に、屋外作業を休むからだ。のんびりした父の下で育てられた僕も、中学までの田舎暮らしでは、サラリーマン家庭が羨ましかったものだ。竹馬の友の家庭は両親ともサラリーマンで経済的に余裕が感じられる暮らしぶりだったからだ。独居は賛否両論ありきで、援助する家族が居たり、金銭的余裕があって設備の整った介護施設に皆んな入れればいいが、稼げず消費のみの独り暮らしでは、ままならないだろう。

  4. 独居の準備は早めがいい。

    余程、孤独が好きな人ならいいが、独居は寂しい。しかし、同じ独居でも隣近所など地域社会と旨くお付き合いできれば寂しくはないと思う。趣味をたくさん持って居る人も、趣味に没頭すれば寂しくはないと思う。従って、老後までの準備期間中になんでもいいからできる趣味を身に着けておくことだろう。手先を使うことが苦手な人は、足を使って散歩とか、口を使っておしゃべりでもしたらいい。独居になってからでは遅すぎる。

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