畳を全部新しく。畳は生きている。
住んでから38年の住宅で唯一、畳のある6畳和室。筆者が亡くなったら、運が良ければ、この畳の部屋から直送にしてもらおうと思っているから、せめて気持ちのいい畳にしようと以前から考えていた。すでに畳の裏返しもして、日焼けの部分を隠すために、ゴザを何度も変えてはいたが、畳屋さんに言わせると畳本体にゴザを重ねるのは『畳の呼吸をさせないで、不健康で湿気を呼んだりするダニの巣になりやすい』とのこと。畳も現在はほとんど中国製のイグサを使い、それを日本で加工していて、熊本産のイグサは高い。
しかし、畳屋さんが勧めるのが和紙を使った畳。淡い緑っぽい色で部屋も明るくなる。日焼けしずらく色が長持ちするとのことで1畳1万4千円で手を打った。さらに畳は1枚1枚サイズが違っていて、厳密に縦・横を測らないと部屋に嵌らない。様々な畳見本も持参してきて、琉球畳も初めて見て触った。現代はフローリングが主流で、畳の仕事だけでは食えず、塗装の仕事も請け負っているが、公共工事が激減して6月7月は民間需要で仕事量はあったが、8月に入って長雨の影響なのか仕事はさっぱり無くなったとぼやいていた。東京にいる甥が広告の製作会社にいて、会社のロゴを作ってくれたということで見せてもらうと可愛いおじさんが左手で畳を担ぎ、右手にペンキの刷毛を持つイラストで可愛い。一目瞭然のロゴだ。私はこのイラスト入りのチラシを団地内に配るだけで、電話の問い合わせがあるかもしれないと思うので今度進言してみようと思う。
畳を新しくしたい人は大勢いるが、畳の上にタンスや書棚やテーブルなど重い家具が乗っていたり、それを見て『面倒くさい』とついつい後回しにするから需要が伸びないのかもしれない。若い人でカラフルな畳をモザイク模様で敷く人も多いと実物写真を見せてくれた。アートの世界である。ここで少し畳について調べてみた。全国で敷かれている畳の枚数は7億枚。資料は古いが1993年での国内での畳需要は4500万枚(畳)が2008年には1720万枚(畳)と三分に一になっている。それに伴い、畳職人(事業者)も2005年で10年前の半分1万4千人。畳文化の始まりが弥生時代、稲わらを材料にし、奈良時代にイグサを使い縁をつけた形式ができている。空気を浄化する作用があるイグサ。全日本畳事業協同組合のHPに畳業界の未来について試行錯誤が記事で書かれてある。縁をクマモンにした畳もあった。イグサの匂いは気を鎮める効果もある。
昔の少年。
畳と〇〇は?新しい方がいいと言うジョークも今では通用しない時代になりましたね。我が家には畳は3畳しかありません。元々畳は無く、すべてフローリングでしたが、座卓でPCを使うスペースだけ畳を入れましたが、日に焼けて色も変わって、擦り切れた箇所もあり、そろそろ替え時ですね。
seto
新しいものはすぐに古くなると思えば面倒な世界ですね。イグサの匂いは好きです。昔は土間で職人がタタミの表替えをして
いて、見ていて飽きない芸でした。ひじをつかったり、大きな針で太い糸を通したり、もう感動のシーンばかりでした。
お昼休みの使者
備品設備に限らず、衣類、フード、果てには書籍までが「只の消耗品化」しているのでしょうか。良いものを長く使う、その視点で見ると「畳」はとても優れた資産ですね。子どものころはフローリングに憧れていましたが、少し大人になると、生意気にも純日本家屋が羨ましくもなったりしています。
seto
品物が長く使われると大量消費されないので、売上げ・利益至上では、市場にできるだけ出ないようにされて
ますね。先日、宿泊したホテルは和洋室でしたが、和とはいえ畳ではなかったです。畳はこするとイグサ
が剥がれます。この辺でしょうね。昔からの食堂には畳の部屋は残ってますが、ラーメンのツユがこぼれた跡も
あり、保全が大変です。フローリングの居間もカーペットを一度全部剥がしてみないとダニはいなくなりません。
自宅内に病の元が潜んでいる可能性もあります。