車のディーラーや眼鏡の店のDMも含めて、文字が小さくて読むのに難儀する。『加齢による老眼』かもしれないが、読み手のことを考えない、届け先の人の目を考えない人たちだなあとつくづく思う。というのは自分がある生命保険会社のDMを制作のためデザイン会社へ発注したとき、MacでかっこいいDMを作ったのはいいが、肝心の文字が小さ過ぎて読めない。『この文字の大きさで読める?』と私。20代のデザイナー『全然、大丈夫、読めます』『2ポイント級数上げて』と私は指示。しぶしぶ若者は従うが、全体の余白を考えてのデザインなので不満顔。新聞も長い間、1段(新聞は1ページ全部で15段でできている)の中にそれまで15文字を縦に入れていたが、さすがに高齢化の波に押され12文字にして活字を大きくした。パソコンは基本は10.5ポイントだが、簡単メールならそれでいいが、長い文章になると文字間も狭くて読んでいて疲れる。スタバで薄型ノートPCを使う人の画面を遠くからちらりと見ると、実に小さな文字と数字が並んでいる。それを見ながら勉強やビジネスしているのだから、目は大丈夫か?と心配する私である。文字がアリの隊列に見えてくる。しかし、昔は無茶なほど文字を詰めていた。たとえば筑摩世界文学大系を開いて文字数を数えてみた。1p3段組みで、1段が21文字で29列、そして3段を掛けると1ページにほぼ1830文字が詰まっていることになる。当時はパソコンもないから活字を拾っての職人技である。『活字を拾う』は今では死語であるが、根気と目力と腕と指先の器用さが要求される仕事だ。岩波文庫では、1pで縦が43文字で16行あるから688文字詰まっている(福沢諭吉 文明論乃概略を数えた)。ということは筑摩文学大系は1ページで岩波文庫3ページに値する文字数で埋められていることになる。道理で読んでいて、なかなか次のページに進めない筑摩世界文学大系である。しかし、これは当時、良く売れて、ある大学の同級生の自宅に行くと、壁に手作りの棚があってびっしり筑摩世界文学大系が並んでいるのを見ると圧巻であった。お父さんが買い揃えたとはいえ、インテリの匂いがして羨ましかった思い出がある。目が老化してきたとはいえ、筆者は文字がびっちり詰まった本が同じお金を出しても納得できる・・・後悔が少ない気も体験的にはする。チラシやDMや新聞広告の不動産概略の小さい文字を追いかけるのは諦めたい。

  1. 概要とスペック文字。

    あれは、興味ある人がルーペで見るものですから、肉眼や眼鏡で見えないのが普通ですね。制作者側でもある私でも27インチの大画面で拡大しながら文字打ちしています。最も保険の約款などは更に小さな文字ですが意図的かもしれませんね。 保険金の支払いの際に重要だからでしょう。

    • 約款は意図的ですね。裁判になると動き出します。すべて企業防衛ばかりで、契約者の立場には立たないのがお決まりの約款という存在です。

  2. 年寄のタブレット。

    タッチパネル式のパソコンやタブレットやスマホは指で拡大することが出来るから便利ですね。書物も新聞も電子版なら大丈夫ですね。年寄の冷や水ならぬ、タブレットですね。

  3. 何とかルーペ。

    何とかルーペなんて眼鏡型ルーペのCMを良く見せられていますが、先日、大型電気店のカウンターに実物がありましたので試してみると肉眼でも、眼鏡の上からでも、細かな文字が大きくなり見やすかったです。但し架けたたまま歩くと遠近感が狂い危険かも知れませんね。

    • あんんまり見え過ぎると、顔のしみが見えて嫌ですからぼんやりがいいですね。あとはこころの眼(心眼読み)です。

  4. 印刷の活字組みも無くなり、タイプライターも無くなり、印画紙に文字を焼き付けて版下台紙に貼り付けて製版カメラで撮影する写真植字も無くなり、ワープロも無くなり、パソコンですべてを処理できるいようになりました。僕は全ての経験者ですが、時代の流れに何とか合わせてパソコンを自力で覚えましたが、当時はかたくなにパソコンを使わなかったり、最初からあきらめて仕事が無くなった方も多かったですね。今、国会でサイバーセキュリティに関わる大臣が、質問に「私は指示するだけで自らパソコンは打ちません」と堂々と?答えて失笑を買いましたね。我が家の小学生の孫たちでさえパソコンやタブレットやスマホを自由自在に操作しているのに、日本の国会議員も時代遅れですね。これではサイバー攻撃の格好のターッゲットにされてしまいますね。せめて文字くらいは打てなければ。取り巻きの他人が書いた原稿を読むだけの国会答弁は空しいですね。

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