アメリカの宗教について。モルモン教を例にして。
アメリカの宗教について。モルモン教を例にして。
*2017年1月20日に就任したトランプ大統領。1月中旬に書いたブログである。アメリカで『ファンタジーランド』(未邦訳)という本が現在ベストセラーになっている。(ニューズ・ウィークの文化欄から)イギリスからアメリカへ移民をした過激な清教徒。宗教の側面からアメリカ人のメンタリティーを説いた本らしい。私は16世紀ヨーロッパの宗教戦争(カトリックVSプロテスタント)にばかり目をやっていたが、アメリカに移住した清教徒もカトリックを殺せと言ったりたり、魔女裁判まであった。同じプロテスタントでも迫害をしたり、隣の人と疑心暗鬼の暮らしをしていて、同じ宗派でないと信用しない閉鎖的な精神構造を持っている。だからまとまるためには『旗』や『歌』が必要なのである。人工国家アメリカである。だから極端にぶれやすい弱さを持っている国民といえる。現代もテレビやラジオを使ったキリスト教の新興宗教の布教をしていて、名建築家を使い、巨大な教会を作っている。
アイダホから妊婦さん帰国。どこにある州?大統領選挙。
お正月に、娘の同級生がアイダホから我が家を訪ねてきた。小学生のころから娘のように可愛がって一緒に遊んでいた子だ。京阪にある大学の工学部を出て、結婚してアイダホのボイシに住んでいる。アイダホというとポテトの州ということだが、果たして地理的にどこにあるのか調べてみた。街の人に『日本はどこにあるか知っている?』と聞くとある米国人は『中国の中に日本があるんでしょう』と答えたと彼女は笑って言っていた。
日本人のアタマの中には世界地図が入ってる人は多いが、アメリカ人は大して他国に関して興味を持っていないらしい。テレビは連日、クリントンとトランプの大統領選挙ニュースを見ていたが、初めは街の人たちもあたかもクリントンに投票するようでいて、アイダホもクリントン有利になっていたが、ふたを開けるとトランプでひっくり返り、びっくりしたらしい。日本のメディアだけでなくアメリカのメディアも間違った。彼女に『アイダホ通信』というブログを書いて欲しいくらいだ。主婦目線で。
アイダホ州のボイシは日本人が少なく、じろじろ見られる。映画『ファーゴ』や『バクダッドカフェ』『ミスト』を見た人なら、閉鎖的でよそ者を疑心暗鬼で伺うアメリカ人のローカル性はわかると思うが。妊娠5ヶ月なので月に1回産婦人科へ通うが、会社が医療保険をかけてくれているので安くて済んでいる。しかし、通常分娩なら生んだ次の日には退院させられる。産婦人科では1分診療で『ほかに何か聞きたいことはありますか?』『ありません』『では来月また』でチョン。母子手帳にあたるものがないので、シアトルにある日本領事館に申請してもらうとのこと。そこで様々な乳幼児向けの予防注射リストを見て打ってもらうらしい。他国での出産は大変だ。予定はあと4年間。バイリンガルの子供になるね。
『隣近所付き合いはどう?』と聞くと『それがね、主人もあまり付き合ってないみたいで。実はここはモルモン教徒が多くて勧誘させられる危険があるのよ』アイダホ州の南がユタ州で州都ソートレークシティーはモルモン教の本部所在地。なるほど信者が多いわけだ。宗教的な迫害で西へ西へと旅をしたモルモン教徒が砂漠の真ん中に1847年に居を構えた。5000人の人口からスタート。北に塩湖がある。アメリカ国内のプロテスタント同士の宗教戦争があったのである。
しかし、この場所はもともとインディアンの土地なので彼らを追い払って住んでいることになる(虐殺した)。現在、アイダホ州で7箇所のインディアン居留地を設けている。さらに『おじさん、ここに戦争中、日本人がたくさん収容された跡地もあるんですよ』。調べると確かにある。
旧約聖書、モーゼのエクソダス(出エジプト)で、シナイ半島をぐるぐる回って、一行は前から住んでいたアラブの部族を虐殺していった。私からみたら似たような宗教史をモルモン教徒も繰り返している。モルモン教の教祖ジョセフ・スミス・ジュニアは1844年暴徒に殺されている。以降、フロンティアを求めて西へ移動。教義に関しては私は暗いが、一夫多妻、男尊女卑。収入の10%は教会へ寄附。キリスト教学者の中ではモルモン教をカルトに位置づけている人もいる。自転車で日本中を元気に布教している学生風の人たちはモルモンだ。
1月3日、思わぬ妊産婦の来訪で『アイダホ州』を勉強させてもらった。アメリカ国内のキリスト教の会派や分布、さらにラジオやテレビを使った布教活動など、その教義を含めて勉強しないとアメリカはわからない気がしてきた。彼女は1月10日にアイダホへ帰る。ボイシから時速100キロで6時間走り、イエローストーン国立公園へひとりで行ってきた逞しい女性だ。
坊主の孫。
アメリカは広大ですね。宗教も人種もそれに州も沢山あり過ぎて一言では語れないものがありそうですね。アメリカそのものが小世界ですから当然他国の事より自国の事だけでも大変な数のルールを知らなければならないのでしょう。日本から見ればアメリカ人は皆同じに見えてしまいますが、現実は複雑すぎて理解に苦しみますね。国内だけでも絶えず起きる争い事に気を張り続けて生きなければいけないその裏には銃規制も難しい原因の一つなのかも知れませんね。昔も今も、世界のあらゆるところで宗教絡みの争い事は絶えませんね。
ほぼ無信心者。
アメリカのスポーツの代表選手たちは、首には十字架を下げ、何かにつけ必ず十字を切りますが、必ずしも同じ宗派ではあり得ないと言う事ですね。敬虔な信者だけに訓戒を守るには他と交わらないどころか争いにまで発展してしまうなんて罪作りですね。現代の多くの日本人はそれほど入れ込まない人が多いですから、アメリカに比べれば宗教戦争は起きないと思いますが、しかし最近心配なのは、他国からの移住者が増えるにつけ様々な宗教も持ち込まれていますから決して他人事ではないのかも知れませんね。
seto
宗教は排他性の上にそれぞれの宗派が成立していて、モルモンも東部海岸での迫害があって、西へ西へですから『自分たちが過去にされたことを今度は別な宗派に必ずします』。被害者はすぐに加害者へ変換します。これはアフリカの部族戦争でも日本でもあり得ることではないでしょうか。