3月17日、山下達郎Special Acoustic Live 2019(2回目) 小樽
言い忘れていたが、当日VIP席ともいえる一列目のド真ん中2席が空白。こういう狭い場所で歌う方も気になって『どうしたんでしょう。インフルエンザでもなったのでしょうか。具合の悪い人がいたらお座りください』とアナウンスしたが手を挙げて行く人はいないマナー万全の聴衆であった。私は1月の東京、2月の大阪で歌われた曲名一覧表をつくり壁際の席であったから3曲目までは、チェックしたが、狭い空間で達郎さん丸見えの場所で、自己嫌悪になり中止。さらにライブに集中する気持ちも薄れるので、まあ大阪梅田に似ていたということで昨日書いたわけである。細田守監督の『未来のミライ』(筆者シングルCD買うも未見)について、『難しすぎるという人もいますが、私は非常にわかりやすかった。今は何でも易しく簡単が流行っているようですが、そんなことで安倍公房や別役実の本が読めますか?』まで言った。安倍公房の代表作が『砂の女』で同名の曲(鈴木茂カバー曲)もある。大陸で生まれた安倍公房も戦後の日本に違和感を感じながら創作活動をしていて、このあたり山下達郎も大いに共感するところがあったのかもしれない。1960年代末から1970年代、世の中の音楽ムーブメントはグループサウンズやフォーク全盛。シュガーベイブもその中にいたのだが、当時の音楽評論家から正当な評価をされず、落ち込む日々が続いた。落ち込み体験はほとんどの人が持ってると思うが、暗い気分になり、たとえば詩をつくっても暗いものになる。達郎さんは音楽で食べて行こうと思っていたので、ステージづくりでもいいと密かな覚悟もしていた。なかなか人生、思うようにならないが、同好の人との出会いであったりして未来は開けてくる。達郎さんの音楽を誰かが知らないところで聞いていて、目の前に今は見えないが隠れていて、突然飛び出してくる。CMで使われたり、キーボード奏者(難波弘之さん)との出会いであったり(40年の付き合い)ベースの伊藤弘規さん(39年の付き合い)であったりする。加えて大貫妙子さんや大滝栄一さんとの交流も深まる。ドラマー青山純さんも加わって最強なバンドになるのである。シュガーベイブの追っかけを竹内まりやさんは大学時代にしていた。時間の経過とともに、信頼や尊敬がそれぞれの輪の中で形成されていて、私が一番すごいと思うのはメディア(特にテレビ局やFM局、広告代理店、メーカーの販売促進室、新聞社、楽器屋さんにも)に山下達郎さんのファンは多い。ライブ時代の京都のライブハウスで『帰れ!』と言われてしょげたが、音楽通の外国人がいて『彼がノリノリだからうまくいくよ』と励ます人がいたりする。正当に評価する人は、場面場面に出てくる。『世の中、捨てたものではない』という気がする。小樽市民もまさか山下達郎さんが来るとは!待てば向こうから山下達郎さんがやっくる、申し込めばいつかチケットが当選すると思いましょう。一番、みなさん知りたい演奏の中身については言うことなし。事件は『夏への扉』の歌詞2番をキーボード奏者の難波弘之さんがソロで歌い出したことだ!そしていい声、上手い!
すでにことしのツアー計画が始動している。こういう3人での小回りの利くライブは実は、達郎さん自身の声の調子、長いツアーでの声を保つための訓練になるのだと言っていた。昨年だったか、岩手県でのコンサート半ばで声が不調でコンサートを中止した事件があった。『後日、必ずこの場所で開きます』と言って約束を守った。昨年オープンした札幌の芸術音楽堂hitaruのチェック終えて『なかなか音がいいホールだ』とコメント。8月のお盆コンサートはあるが札幌以外の都市はシークレット。