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世の中には、他人を信用しないといことを前提に成り立つ産業が多い。他人は何をするかわからない、勝手に金を盗む、伝票を改竄して架空の会社へ振り込み後日キックバックを受ける(このケースも多い。何人か知っている)、ウィルスをまき散らす、ストーカーをする、盗撮をする、どこでもなんでも捨てる、「人は人に対してオオカミになる」という荒野の原理にならぬよう規制してるかもしれない。人間性悪説の跋扈だ。職業・職種に関係なく発生する。

これによって成り立つ産業は法律をベースにした法曹界、官僚たち、各企業の経理部・総務部、警察、軍隊、警備会社、ITのセキュリティー企業、監視カメラ製造業、GPSを監視に使うタクシー会社(サボると携帯が鳴ると泣いていた運転手)まだまだあると思う。他人を信用しないということは、実は信用しない本人が「自分がそういう状況ならしてしまうかもしれない」可能性の危険を知っているから出てくる発想かもしれない。

ところで、信用するとか信頼するとか、これはどういうことなんだろうか?いい例が、私の隣の住人が突然、包丁で刺しに来るとか、向かいの人が横溝正史のサスペンスみたく頭にロウソクを付けて猟銃や日本刀で襲ってくるわけがない。しかし0.001%ぐらいはあるかもしれない。実際世の中、そういう事件もたまにある。一寸先は闇だ。

ある人が、私にこんなことを言った。「孫がある企業に就職して、保証人を頼まれた。親族ふたり必要らしいので、何事もないとは思うけど彼がそこで働いている期間、ずっと保証期間が続くのは気が重い。5年とか10年過ぎたら保証人を外して欲しいと」。就職難のときの孫の嬉しい就職に水を差すわけではないが、20歳を過ぎた人の保証人ってどうだろう?考えられるのは横領事件。でもそれは採用した会社の責任で、5年間、何もなければ「保証期間終わりました。これで貴殿の〇〇君の保証期間は終わりました」と通知を出すのはどうだろうか。

私のいた会社で経理が辞めて、経理マンを募集し、面接をして内定を出した。中途入社の場合、前職の企業を訪問して挨拶に行き社内での評判を聞きに行く習慣が残っていた。当時の総務課長が挨拶に行くと、そこの総務部長から「止めた方がいいよ。会社の金を横領して返したけど自主退社した人だよ。」。採用取り消しになったのは言うまでもない。いま転職の場合、「あなたの応募秘密厳守」が必ず書かれてある。能力が高すぎて引く手あまたの人ならそれでいいだろうけどね。前職でのスキャンダル隠しに使われなければいいが。

恥ずかしい話、筆者は営業経費で交際費足らず、カードでキャッシング(当時上限30万)リボ払いで使っていた。1万円返してまた借りてを長い間繰り返していた。急性心筋梗塞で倒れて入院したとき、偶然、信販会社から支払いの督促状が来ていて、泣く泣く妻は30万円を払いに行った。心臓の痛みでICUで苦しんでる夫の私であったが、そこで責めると死んでしまうようでずっと我慢していたらしい。元気になって通勤したが、それ以来、一切信販カードはご法度。ブログを書いている私がまず信用されていないのだ。信用されていない私のブログを読んでくれてありがとうです。信頼を作るのに30年かかってもたった一つの事件で、信用は失墜する。

夫婦生活も他人を信用しないで生きる産業と思えてきたのは、私だけだろうか。

  1. 現代のことわざは「信じる者は騙される」だろう。詐欺だの成りすましだのが絡んだ事件は日常茶飯事。世界中どこもかしこも安心はできない。つまり自分がそうなら他人も同じ、法の番人だって人間である以上ロボットのようにプログラムを忠実にこなすとは限らない。同じ人間である以上「やる事・なす事」皆同じ。違うのは職業と言う仮面をかぶっているに過ぎない。ビジネスだって利益を生むには原価をさらけ出すような事はしないし、接客業だって営業スマイルに決まっているし、家庭だって食いブチ稼ぎを生かさず殺さずだし、信用は意外にも本人を十分に知らない人の評価基準で、アバウトなものだと思う。まして周囲の人に100%を求めてもそんな人はどこにも居ないだろう。自分でさえ、そうであるように。

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