第四帝国の登場!? ドイツ(7月10日掲載)に追加(VWに絡めて)
7月10日の記事に追加して書きました。全体が長文です。すいません。
もちろんドイツのことだ。フランス人のエマニュエル・トッド著~「ドイツ帝国」が世界を破滅させる~の1回目を読み終えた。再読が必要な本だが、読み終えたところで、ギリシャが債務返還ができず、EUとの会談が不和だ。この次に控えるのがイタリヤ、次はスペイン、次はポルトガルと地中海に面した国が無理やりユーロ圏に加入して、自国通貨をユーロにしてろくなことがない。
ユーロ圏で一人勝ちのドイツへの怨嗟がこれからどう噴出してくるのか。旧東ドイツを統合してどうなるかと思ったドイツ。旧東ヨーロッパは教育水準が高くて、ドイツの経済界にとって、その部品調達や賃金の安さをフルに活用して、EU間は関税もなくてドイツの物づくりには絶好の環境になった。
しかし、それはドイツだけ。ドイツのシステムや価値観をそのまま他国へ(他地域へ)文化的な摩擦がなくて普及するとは限らない。朝鮮や中国への日清戦争から第二次大戦までの日本の対応は違うと思うが、「日本の文化が他人を傷つけないようにする、遠慮するという願望に取り憑かれているのに対し、ドイツ文化はむき出しの率直さを価値付けます」。
EU離脱途上がイギリスとハンガリー。ロシア嫌いでドイツ接近がスエーデン、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド。自発的に隷属してるのがオランダ、ベルギー、チェコ、オーストリア、ルクセンブルグ、スイス、フランスだ。負債を含めて事実上支配をされている(ユーロの債券多過ぎて返せない)国が、ギリシャ、ルーマニア、イタリヤ、スロベニア、クロアチア、スペイン、ポルトガル。もっか、経済的に併合途上(ドイツから仕事をもらう立場)がウクライナ、セルビア、アルバニア、マケドニア、モンテネグロ。ドイツ帝国の勢力はここまできているのだと、エマニュエル・トッドは危機感を強めている。
それに警鐘を鳴らせるのはフランスしかないと。メルケルが重大な会議を必ずフランスのオランドに相談をしに行くシーンを何度もテレビで見たと思う。ドイツ自身も不安でしょうがないのだ。見てもわかるようにアメリカは人口数でドイツ圏にはかなわない。実質GDPではまだアメリカに及ばないが、時間の問題だ。オバマは育ちからいっても太平洋ばかり見ている、ヨーロッッパがわからない。
さらに独首相メルケルは毎年必ず中国へ訪問している、6年ぶりに日本にお義理で来日したぐらい中国との関係を重視している。ドイツと中国が組めば最強経済が出来上がる。そういえば、中国のシルクロード構想は、その先にヨーロッパを見据えている。ドイツにとって、日本の自衛隊や米軍基地で中国ににらみを利かせれば利かせるほど漁夫の利が転がり込む仕掛けになっていること。未来はこの2国間と、ドイツ(ユーロ)VSアメリカ(ドル)との戦いに入っていく。それが著者の未来像だ。「ソ連崩壊を予言」「米国発の金融危機」も預言、「アラブの春も」予言。またその国の安定性や未来性を乳幼児死亡率で見ていて、ロシアの死亡率低下と出生率の上昇を国情の安定とみている。プーチンロシアが最も安定している国家だとも。再読して再考して、このドイツ問題はもう一度書くつもりだ。
1回目、彼の本を速読して感じた感想を書いてみた。ちなみに第四帝国という名称は、神聖ローマ帝国(462年~1806年)が第一、第二は1871年~1918年のビスマルク時代、第三帝国が1933年からのヒトラードイツだ。第四はEUの組織化とユーロという共通貨幣の創出からか。
以上が7月10日の掲載記事でした。ここで、フォルクスワーゲンのディーゼル排気ガスNOx数値偽装事件。以下は私の作文である。
このままいくとアメリカはドイツの経済圏(中国でもフォルクスワーゲンは製造・販売されて人気車種だ)が旧東ヨーロッパの部品製造を含めて、圧倒的な力に及ばなくなる危機意識から、ずっと前からこのディゼル車の排気ガス検査の偽装を知っていて、中国の周近平首相の訪米に併せて、ドイツと組むと碌なことがないよと中国へメッセージを送った政略的な面が強い。
元々、アメリカという国は「自分より上に立つ国を叩く癖がある。NO1でないと気が済まない」(日本もよく叩かれた。江戸時代夭折した学者富永仲基<ナカモト>が生きていたらアメリカ人は叩き癖の国民と命名したろう。ときに外へ出て戦争をして相手国を叩く。ちなみに日本人は隠す癖あり)。これからは電気自動車だよ、グーグルも作るんだよというメッセージにも聞こえる。しかし、ドイツはEUのリーダー、一人勝ちをしてきた国として、シリヤ・アフリカ・アフガン難民をどれだけの数を支えられるかの岐路に立たされた。
ユーロは結局、ドイツ経済のためのユーロ貨幣で、時間とともに昔の各国通貨へ戻るかもしれない。特に旧東ヨーロッパ圏は、EUに入ればもっと豊かな暮らしができると幻想を抱いた。しかしあったのは、ドイツの会社の利益のために低賃金で働く労働であった。気味の悪い世界が続く。英国はバックにアメリカを控えてポンドを崩さない。
次にあるのは、プライド高いドイツ人が自分たちのフラストレーションをメディア含めてどこに向けて発散するかということだ。せっかく政治的な難民を上限無く受け入れ表明をしたメルケルにアメリカは泥かけしたようなもの。2007年からVWの不正疑惑があって、メルケルの携帯や通信をずっと前からスパイ傍受していたアメリカが、フォルクスワーゲンの幹部連中の通信を含めてスパイ傍受してないわけがない。アメリカはずっと前から知っていたのだ。
窒素酸化物の排出基準を超えて、誰ひとり死んでいない論点でアメリカの弁護士連中がここぞとばかりに訴訟で儲けようと笑みを浮かべている光景が筆者には浮かぶ。優先順位からいくと、中東の殺し合いの終息を図るために全力を尽くすことだし、難民たちの欧州へ希望の光を求めて命がけの旅をする無名の人たちへの支援をすることではないだろうか。普通の人間なら。「スイマセンでした、今後、直します」で終わる案件だと思う。繰り返すと誰も死んでいない。ディカプリオはもうVWの件で発売する本を映画化すると張り切っている。悪乗りだ。世界のマスコミも冷静になってもらいたいものである。
昔の少年
メルケルが穏やかな女性の面を被ったヒトラーの変わり身とは?知らなかった。そういえば知らない間に僕も工業国ドイツを崇拝していた一人で既にクルマで支配されていたようだ。世界情勢は地球と同じで地表の美しい姿と地中の活動の激しい両面があるようだ。ヨーロッパに学ぶべきは過去の歴史と芸術や高い技術だが、日本は戦後アメリカに自由を学んだ。今では「欧米か」と双方のいいとこ取りで成長してきたが、ここにきて、すべての国と同様に中国やロシアと言う大国に気を使わざるを得なくなった。どの国も『二枚舌外交』で見せる表面の表敬と隠している地下の密約が入り混じって、素直に読めない情勢の時代入った。『中国』はまさに、その名の通り世界の中心の国?のような存在になりつつある。強硬派ロシアも『オソロシア』か。『日本』は『火の元』にならなければいいが。
匿名
トヨタのブレーキ欠陥問題、タカタのエアバッグ事件、VWディーゼルの排気ガス問題、ほかにもベンツもホンダも他国の製品の粗探しは今に始まった事ではない。過剰な反応は政府ぐるみのやらせ劇に見える。発覚した時点での告発なら解るが政治的タイミングを図るから裏が見える。不思議な事に自国のクルマや製品に対しての厳しさは全く無いところだ。