溺死した3歳のクルド男児
9月初旬、シリア人の3歳の男児がトルコ海岸に遺体で打ち上げられた(9月15日NEWS WEEK)この写真は瞬時に世界中にネットで流れた。もう一枚は彼の父親が息子の死(同時に妻ともうひとりの息子も亡くしている)を嘆き悲しんでいる写真(9月22日 同紙)。
トルコからギリシャのコス島へ渡るはずが、船が転覆したのである。子供の名はアイラン・クルディ、父親はアブドラ・クルディ(40歳)。シリヤのコバニに住んでいたが、首都ダマスカスへ美容師として生計を立てようと引っ越すが、内戦が始まり、またコバニへ戻ったが、ISISの侵攻でトルコへ出国、ギリシャへ向かう途中の事件だ。クルディの一族の叔母や叔父など11人が殺された、クルド人であるがゆえに。クルド人は少数民族ながら、国家を持たない(持たせられなかった)最大の山岳民族。
トルコ・イラク・イランの山岳部に生き、クルド語を話す。2500万人から4000万人と言われて、イラクのフセインからも弾圧され、トルコからも迫害を受けていて、そしてISISと女性の兵士も武器を持って戦っている、戦い続ける少数民族だ。クルド自治区にはキルクークはじめ膨大な原油・天然ガスが採掘されている。
匿名
時代は巡るとは言え、地球のあちこちで、闘う武器は変わっても、まるで戦国時代そのものを繰り返している。問答無用とばかり「殺戮が日常」の現状を、今の「島国日本」では「ニュース」としてしか捉えていない。ほぼ「安全地帯」に居て成り行きを話題にするだけでは戦乱は拡大するばかり。終戦に持ち込む具体的な「アイディアや提案」は一つも出て来ない。現状で唯一の答えは「空爆」のようだが、さらにエスカレートして大規模な攻防やテロの形で広がっている。悲惨な世界大戦や原爆も経験済みの我が国が軍隊抜きの人道支援ができるアイディアや提案は出来ないのだろうか。政府の答えは「いつも自衛隊ありき」になるが、違う道もあると思う。武器を持った自衛隊が海外で何をしょうとしているのか疑問だ。