実家力について
12月10日のブログ『貧困女子のリアル』で『実家力』という単語が出てきて、この漢字が現代のさまざまな事象を解くキーワードに見えてきたので少し書きます。政界や芸能界では2世議員とか誰々の娘・息子と表現されていて、その意味は親の財産(名声や人間関係を含めて)を引き継いで、苦労知らずで(実は相当な苦労があるが後で述べます)生きてきて、親以上に世間的な成功を収めて、親は目を細めてそれを見ながら死んでゆくパターンです。最後は財産があろうがなかろうが、名声があろうがなかろうが皆死んでいきます。これは誰もが知っていて、どこかで自分は死なないような気分で生きていて、毎日の暮らしは満ち足りない『もっと、もっと』と欲望して生きているはず。
私も200円スクラッチくじを毎週買っていて当たればどう使うか迷う男です。『実家力』の話でしたよね。考えてみるとこれは、会社生活では奇跡的な給与はまず得られないと仮定すれば、莫大に経費がかかる子供の教育費については、この際、実家の力を大いに当てにして生きてはどうかということ。恥も外聞もありません。当てにしないと子育てできないほど、教育費の高騰は異常です。たとえば野球のスポーツ推薦で東京の私立大学文系に入る場合、ユニホーム含めて野球部に属するための費用が80万円、加えて通常の入学金・授業料が150万円、しめて230万円。クラブはこれだけでは終わらない、遠征費や交通費を含めて追加される。これを4年間続けると1000万円になります。推薦だから筆者は無料で入学できると思っていた。大昔の話であった。子供一人ならまだしも、さらに子供が後ろにいたら家計は悲鳴を上げる。マイホームローンが残っていれば、人生は住宅費用と教育費用の支払いでおしまい。頼りになるのは親しかいない。恥ずかしながら筆者も少し親に甘えてピンチをしのいだ。北海道から本州の大学へ二人に10年の送金はきつかった。無理がたたった。住宅ローンも続いていたし、この辺の事情はよくわかる。子供への資産は教育しかないので仕方がないと観念、すべてのローン終了が65歳であった。未来の人間関係をプレゼントするのが進学である。
ところで、最初に書いた2世議員(芸能人)の苦労についてだが、それは自由と引き換えになっていて、『見られる不自由』『干渉される煩わしさ』『カメラに視線をさらすイライラ』『恋愛の不自由』『家族間の軋轢増大(金銭面で)』『世間からの嫉妬バッシング』。自分の力で何かを達成しても『それは親の七光り』と言われ続けるストレス。結婚して子供ができると、同じような現象に子供をさらすことになる心配(神経のすり減らし)は半端ではないと思う。そういうことを考えると『実家力』は、不動産ローンと教育ローンに限定しての活用にすると精神の自由は保たれると思う。
『実家力』のないところはどうするという疑問も当然あるが、そういうときはきっぱり手に職の道を選択してはどうだろうか。どの世界も職人が激減して引く手あまたである。いい給与をもらい、終身安定する仕事は職人の世界である。世界で通用する仕事でもある。隣家で敷石のタイル貼りをしていた人は80歳を超えるおじいさんだった。庭師の会社に雇われていたが、いい仕事っぷりで感心してみていた。手や指や足腰、大脳を駆使して喜ばれる仕事である。物と対峙する仕事は心の病は少ない。
貧乏暇なし年中無休
哀れかな、私の場合は実家は年間家賃3万円の親戚からの借家。父母は東京からの疎開で慣れない田畑や山林仕事。僅かな米を農協に卸したり、薪を作って売ったり、干し柿を作って現金化する以外には母の着物を質に入れるくらいが関の山でしたね。一方、地元田舎の子供はゆとりがありましたね。田畑も手広く、主人は鉄道員が殆どでしたから。そんな実家に頼る訳にはいきませんから、早く家を出たかったですね。頼るより、実家を心配する始末でした。頼れる人たちは羨ましかったですよ。
seto
実家から出たい人は多いですね。私は北海道を出て外の土地で暮らしたかっただけで、それも親の仕送りと奨学金頼りでしたから情けない。ひ弱い大人になったのもそういう甘え体質の私だったからです。
ホランペッター
二世議員や、二世タレントは多いですね。何故かと言えば、いずれも狭き門だからですね。ですから、コネクションがあるか?無いかで大きく違って来ます。昔、大阪の心斎橋のクラブでバイトがてらにバンドをやった事がありますが、 バンドマンや歌手達の裏を見て嫌になりました。いつまで経っても芽が出ず、東京から流れてきた人たちは幾らでも居ました。余程の才能があるか?いや?有っても、チャンスがあるかどうか?ですから。もちろんコネクションがあれば実力は二の次の世界です。
seto
テレビ局の世界も広告代理店の元社長の息子とかいますね。書いていて気付いたのですが、テレビ局って貧乏人の子どもを採用しませんね。私が知ってる範囲でもNHK含めて、民放も。新聞社も似たりよったりでね。フリーペーパー出すところとか地場の広告代理店には苦労して育って仕事をしている人がたくさんいます。単純に試験や面接だけとは採用基準がが思えません。コネに負けてますよ。NHKBSの女子アナの上品なこと・・と妻が言います。工場街で育った私にはまったく未知の世界でしたね、テレビは!
郊外も郊外に住む住人
住宅にはお金がかかりましたね。会社の寮、下宿住まい、アパート、借家、中古住宅、建売住宅と、ずいぶん無駄なお金と、年月でした。住宅を持てば毎年毎年税金と補修費に掛かりますから、一生借家住まいのほうが良かったのにと後悔しきりですね。30年も経てば価値も下がり売却しても多くは望めませんね。大家さんと銀行に奉仕?リホーム屋さんにも。何故?人は、そんな住宅を欲しがるのでしょうね。
seto
基本的に落ち着きたい。屋根があって、まさかのときに抵当になる家という発想なのか。子供に部屋を与えたいという夢なのか。ビートたけしは『子供部屋なんて要らない、ちゃぶ台で勉強しろ』『嫌なら外に出て遊んで来い』と。そうすれば犯罪は減ると吠えてますが、半分、本当で、借家で狭い空間で秘密なく育てられれば犯罪おきないですね。
大金持ちの隣人
実家力があるって、羨ましいですね。でも、実家力を使った後には、今度は自分の子供たちの為に、我が身に降りかかってくるのでしょうね。財産を残すと言うことは、何処かで無理を強いられるでしょうから、簡単なことでは無いでしょう。悪いことをするか?コツコツ貯めるか?いずれも私には無縁の世界です。
seto
実家力は身近で働いてますね、聞くと。金持ちならずとも人持ちに徹すると心地いい人生が送れるような気が私にはします。金にケチは人へもケチです。相手への思いやり言葉かけ下手ですね。何をするにも損得で勘定して生きてます。財産を起こすと反動があります。引きこもりの甥は親が残した財産を全部自分が生き延びる原資と思い込んで、親に向かって無駄遣いをしないよう指示しています。私は他人の家のことですが、腹が立ってしょうがなかったです。お金さえなければ、必死に働きに出たと思うのですよ。お金が未来の人生を腐らせてしまいました。お金を使うではなくお金に使われて奴隷になってる現代人です。