片田珠美著(PHP新書)の題名だ。筆者は題名になるほどと思い読んでみた。臨床医として、攻撃された側(患者)の例から分析を試みるわけだけど、学校でのイジメから始まって、結婚して夫婦間のイザコザ、サラリーマン経験あれば、あの人がそうだったよねとか、自分自身も何人か意地悪をしたよねとか思いはあるはず。書き手の姿が見えなくて、少し不満は残る本だけど、ツイッターや2ちゃんねるなどで匿名での攻撃文が増えている現状で、嫉妬や幸せそうな人間への破壊衝動がずっと続いていて、そしてそれを表現する媒体を個々人が保有して(武器を手にして)振り回している気もするのである。

ひとりの人間にいわゆる良心と悪心と備わってるわけで、この本は他人の「あら捜しをしたり」相手へ「攻撃的になるとき」は、むしろその人のネガ部分が反映されるとみる。倒産に見舞われ苦悩の営業の同僚へ「そんな焦げ付くくらいなら、仕事をしない方がいいんんだよ」と断罪する営業上がりの役員もいた。憎しみの感情を込めてね。

しかし、実際は、彼の現役の営業時代、筆者に「今月、数字がないので〇〇の数字を俺に付けてくれないか?」と泣きついてきた先輩でもあった。営業職を離れ管理する立場になると、営業マンにきつくあたる。嫌いな人間の悪口は言い触らす。アルコールでも入るものなら「いいか、給与の役職手当は、部下に使うためにあるのだ」と豪語していたが、恩恵にあずかった者はいない。むしろ、彼のお蔭で数字をたくさんあげた人間は妬まれ、政治力で追いやられ、新しい社長へ「どこまでもついていきます」と部長会で発言して役員になったが、人望なくして1年で退職に追いやられる。

他人を攻撃する人間は、どこかひどい弱点を抱えていて、攻撃しないと自分を守れないのかもしれない。他人の価値観や存在をうとましく思ったりしがちだ。自分の身を守るために攻撃する。その守っている中身はなんなのか?ここを知ると、攻撃されても反論ができたり、冷静になれるかもしれない。「自分で数字を上げてみたら?」と社長へ言ってみたいものである。

筆者も何度も経験したが、新社長はなぜ前任の社長の生き方を全否定するのが多いのだろうか?十分、実績のある担当者とスポンサーの関係を別な人間をあてがって数字を低下させたりしていたね。これも間接的な攻撃で、降格されたり、全然不向きな部へ異動させられたり、うつ病社員が出るわ出るわ。特に自己愛強く、以前の職で閑職にいて、劣等感の強い人が社長になると最悪。さらに夜のアルコールで部員を感化・洗脳をしようとすると、社内は分裂へ向かい、仕事へのテンションも低下して、銀行に預けてある社内留保資金で経営の安定を図ることになる。

正社員は派遣に切り替え、人件費節約、社員同士の横の連携を排除して、暗い社風の会社になってしまう。「その人がいると全体の雰囲気が悪くなる」という人がいるもので、それがトップであったり、部長であったりする。いない方が皆々元気に仕事ができるのに(アイディアも出て、のびのび発展的に仕事がはかどる)、これが本人たちにわからないし、伝える人がいない。この本は、こういう攻撃的な人間から逃げる方法や、彼らの意識がいつか変わるなんて甘く考えないで自分を守りましょうと述べている。

家庭においても夫の言葉によるDVや親が学校へ発揮するモンスターたち。「自分の子供は悪くない、学校が、教師が悪い。」共通は他責。自責感の強い人は攻撃の対象者になりやすいから要注意だ。

  1. 攻撃型人間の弱点は「反撃」だ。でも奇襲が効果的だ。普段は寡黙にしていて一見穏やかにしていると「攻撃」はどんどんエスカレートしてくる。そこで一言で効果的なセリフを用意しておく事だ。例えば僕の場合は「あんた、いい死に方しないよ!」とか、「そんなに言うなら自分で手本見せなさい!」とか、「自分でやれば~!」とか、チョットへりくだって「やり方を教えてください!」とかだ。これ以上のセリフは言わないが、上司にこんな溜口を言う人間と思わせない前段の準備は必要だが、こんな一言の後の反応は意外にもろい。「・・・オナエなら・・・」とか言葉にならないから滑稽だし痛快だ。この程度では大抵クビにもならないが、そんな組織の中では出世はできない。どうせ出世などムリならそんな自分のバリヤーを張っていてもいいだろう。その後は決してムリな押し付けも無くなるはずだ。営業の宿命は売り上げに左右される事だが、売り上げが悪い月には自分を守る「ウソ」をつけば良い。この先にはこんな美味しい話があると。ウソも方便。美味しい話に食いつく卑しい上司をコントロールるすには、これに限る。弁解は売り上げの良い月の会議の席で「あぁ、あの話は流れました。残念ですが、次の提案中です・・・」とか。攻撃的な人間は単純でコントロールしやすい人種でもある。こんな僕も、本当はまじめで実直のつもりですが、もう一人人格が勝手に動き出すらしい。ちなみに僕の某上司の名は体を表す「マモル」だった。

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