先日、全国の私立幼稚園の団体で4億円を超える資金の使途不明金が出た。会計は複数の人が監査しないと不正が発生する。共犯なら防ぎようがないけれど。私の在籍していた会社でも横領事件が多発してひどい目に遭った。どちらもすべて私的な流用である。ある女性はカナダ人の男に数千万貢いでカナダツア旅行代金を横領。別な同僚はススキノの店を持たせるために愛人に貢いだが横領が発覚して公園で縊死。自分の金ならケチるのに交際費・積立金や旅行代金など他人の金なら自分が得になるように使う性が誰にでもある。それにしても一体、会社の総務や経理は何をしていたんだろうかと思うが、当時の会社を考えてみると、お金の不正は横領した人たちだけではなくて、残業代は営業は30時間だが、事務職は青天井であって、広告の制作室は夜中まで酒を飲みながら遊んでいた。考えてみると自己残業は自己申告なので、合法的な横領みたいなものだ。制作室から営業に出てきた男に聞くと「年収が100万円さがった」と。加えて最終残業時間を監査する総務課長が、自分の残業時間を膨らませていたと会計係長が教えてくれて目も当てられない。真面目にやっているのが広告営業と女性社員だけというありさま。いくらバブル期とはいえ、金に関してだらしない会社であった。さらに営業はタクシーチケット30枚つづりをもらえた。定期代をもらっている男女が毎日、タクシーで出勤していた。筆者は苦労して転職4回目に勤めた勤務先。給与も良くて満足な暮らしを保証されていたが、社風としては管理者から社員まで見ていて金に全員だらしない、モラルハザード起こしていたなと反省する。私も居酒屋と高級寿司、ホテルのレストランでサインで飲み食いしていたので同じ穴のムジナと言われればそうだが。こういうお金にだらしない会社に経理面を厳格監査・監視するために東京本社から新社長が派遣された、それが3代続いた。しかし、3人とも北海道に来るのは不本意な人事で江戸の敵は札幌でとばかりにハチミツ(金)に指を突っ込む熊状態で飲むわ飲むわ、経費で飲むわ食うわ、必ず生え抜きの総務部長を同行させ共犯を作って請求書を処理させる。止めれない止まらない経費の青天井。いつのまにか企業は、それが当たり前になって狂っていく。東北新社の総務省接待で最後のお土産の下に必ず現金がお菓子の下に引いてあると知り合いの信用金庫頭取の秘書(自分が万札詰め込んでいた)が言っていた。理財局長が東京から来たら大変、高級割烹、土産(現金)、そして若いスレンダーな女性の確保(60代のおっさんなんか相手したくない)もススキノで探してきたらしい。「今晩頼むわよ」。現実の当時の差別はそうであつたという話だ。稼ぐの大変、使うのカンタン。

  1. バブル絶頂期は蟻のように働きました。営業職兼企画制作の私は、新聞広告は毎週10段、毎週発行の取材絡みのコミュニティペーパー編集制作印刷折り込み、毎週の不動産のチラシ広告の制作折り込みなど、集稿編集の助手の女性と二人だけのチームで毎月2000万円以上の売り上げでした。イベントの企画なども絡んで来れば更に大変で、徹夜に近い事もありましたが、何とかクリアーしていました。一方、上司は毎日のように新聞7紙ほどを隅から隅まで読んで、居ないと思えば、お世話に成っているクライアントではなく、こちらがお世話をしている筈の新聞社や放送局の暇な上司と会食。またある時は彼らと仲良しクラブよろしくゴルフ、夜は会食でした。私などは経費を使う事も暇も無く、むしろ仕事に使用を禁じられていた自家用車のローンと車両燃料費や大通の駐車料金などに毎月15万円~20万円ほど自腹で使っていました。北海道ではバスと市電と地下鉄だけでの仕事は効率も悪く不可能に近いのに、東京の本部で人身事故を起こした事で全社クルマ禁止になったのでした。と言うわけで、上司の使途ハッキリ金と経理女性の不正金での海外旅行などを一生懸命稼いでいたわけです。バブル崩壊で会社の経営も次第に傾いて来たころには戦犯たちは法外な退職金に更に上積みを要求して粘った挙句しぶしぶ引退したのでした。暫くして倒産。働き蟻は最後まで貧乏くじを引いた悲しいお話でした。

    • バブルのときの広告業界は、私は相変わらずしこしこ営業でしたが、新しいスポンサーを取りやすかった、地下鉄のポスター制作や新聞のカラー広告が増えて売り上げが上がった程度でしたが、旅行はバブルで海外旅行大ブームで、一人20万が30人あつまれば600万円が前金で集まります。私も広告マンさんに似ていますが、さすがに毎月15万は自腹きらず、飲み代入れて3~5万でしょうか?ある部長は営業は自由になる金を100万ないとしないほうがいいと豪語してました。ゴルフと酒の接待が多い人でした。テレビ局の接待も尋常ではなくてハワイへゴルフまでありましたね。スポーツ紙も沖縄やオーストラリアへの招待ありました。酒飲まず、ゴルフせずの私にはなんのメリットもありませんが、そんなメリット要りません。仕事が楽しかったですね。エネルギッシュに仕事して原稿が完成して入稿できたとき、安堵感が宝物でした。同僚と1杯のコーヒーが美味かった。その繰り返しですね。そして新規なアイディアを考える。夢のような時間でした。まさか、横領が同じときに別な部で同時進行していたとは、人生や企業ってわからないものです。バブルの戦犯たちはいま何を考え、何をしているのか追跡すると、もうお墓に入ってる人多いのではないでしょうか。

  2. いや、それが憎まれっ子世にはばかる。の例え通り、長生きですよ。倒産劇からしばらくした後に、知り合いから耳に入った情報ですが、倒産前にいい思いして辞めた上司が、最後まで残された私たちの事を、こう言っていたそうです。「あいつらバカさ。俺なんか一週間前から倒産する事は新聞社筋から聞いて知っていたのさ!(笑い)」と。辞めたとは言え知っていたなら慰問がてらに教えろ!と。あの一言で決めました。毎日、新聞の死亡欄を見る事を。そして何があっても二度と会いたくないと。しかし、それが何時になっても新聞に掲載されません。そのうちにこちらの方が掲載されるかも?と。

    • 倒産を知っていて、金持って逃げて、長生きですか?きっと同僚社員からの罵詈雑言が夢に出てますよ。しかし、憎まれっ子ってどうして政治家や官僚トップにいくのでしょうか?そのへん今後の課題として私や広告マンさんに残されていますね。図太いって鈍感ということなのか、神経が太そうで気が小さい人を私も自分を含めて(笑い)たくさん見ていますからね。現代はすべての人が消費者で損得と効率の世の中になっています。情操を鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか?お金で手に入らないものですね。

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