雑誌「噂の真相」が廃刊(2004年3月)して18年が過ぎる。既成の権力や圧政者へ「スキャンダル」という武器で戦いを挑んできたミニコミ誌だ。広告ではなく購読料だけで経営をしていた反骨の雑誌だ。実際に購読するより立ち読みしていたマスコミ関係者や芸能関係、政治家、企業家。官僚も多い。

さらにここからの記事で激震を興して検事総長の人事にまで影響を与えた(俗に言う則定衛〈まもる〉東京高検検事長が女性スキャンダルから総長の目が潰れた)。森善朗元首相が早稲田時代に買春で逮捕歴があることを警察に保管された指紋と同じものを見つけ出して、証拠を突きつけたのもこの雑誌だ。司馬遼太郎に離婚歴があり、隠し子がいて小学校の教師をしている彼を訪ねて大阪まで捜し歩いたのも噂の真相。司馬さん自身の略歴から抹殺されている。なぜなのか?

この伝統はいまも「パンツ大臣」と書かれる高木復興大臣批判へ週刊誌ジャーナリズムへと受け継がれている。清濁併せ飲むのが人間だ。食べるものは出す。出たものは出たもの、隠せない。尾籠な話だが大事なことだ。亡くなったフランス文学者渡辺一夫氏のエセイで「美し過ぎる女性を見て、くらくらしないよう彼女がトイレに入ってる姿を想像すると精神のバランスが取れる」と書いていた。

さらに松本清張を担当する出版社担当は美人が条件、あのタラコ唇で涎を垂らしていたのだろうか。TBS社員10人が参加した「乱交パーティ事件」も噂の真相から出たスキャンダル。TBSドラマ出演者のストレス発散のため芸能ゴロを利用して仕組んだイベントで、参加者のデリヘル嬢の告白から始まった。全員、閑職へ追いやられた。話を戻すと、検事総長の目をあっさり則定を「噂の真相」発売日前に、検察幹部は情報を入手して辞任させる舵を切っていたらしいのだ。原田法務省事務次官を中心にした法務・検察上層部だ。なぜか?

実は「もっと大きな問題を検察庁は抱えていたのだ」それは「調査活動費」のこと。「検察官が情報収集や調査活動を行う経費」で2000年で2億2千万。主に新左翼を調査するらしいが使途は極秘。検事正以上でないと使えない。この費用が検察OBや検察関係者の話では、検察幹部の裏金に利用されている。ある検察OBが「則定さんの一件ね、あれの裏には調査活動費が絡んでいたんだよ。なぜ法務省があんなに早く則定さんを切ったか?あれ以上、騒ぎが大きくなると、調活費の実態が明るみに出る危険性があったからだ。」「あの事件からしばらくたって、検察幹部の調活の使い込みの実態が書かれた内部告発文書がマスコミにばらまかれた。本省の幹部は、実は則定さんよりあの内部告発に焦ったんだよ」

このあたり、自民党の政治家は法務官僚たちへ「こちらの言い分を聞いて判決を出さないと、調査活動費用の使用実態を暴露するぞ」と脅されてるような気がするのだ。どうも裁判の結論が原発にしても住民寄りというより政府よりの判断が多い気もするのだ。自民党と公明党の裏密約が池田大作の国会証人喚問をしないという約束で成り立ってるように(学会員による盗聴事件や言論弾圧事件の真相についての喚問)。

全国の警察が「事件の調査をする」の名目で一般市民に聞いて歩き謝礼を払う制度がある。調査費だ。架空の人名を遣い使い、領収書を集めて貯め込み、飲み食い代やゴルフ代、栄転する上司への餞別へも使用していた実態があるが、元をただせば、検察庁や警視庁、全国の警察に、政府にある官房機密費みたいな自由に使える税金を泥棒するメンタリティーが蔓延しているということだ。政治家においては、切手を通信費として買っては金券ショップで売り小遣いを作る精神と同じだ。中国の共産党幹部なら、はっきりワイロを要求するからわかりやすいが、この国はズルをするために知恵を出す。天下り先を作るために世の中を分析して、協会や団体の必要性を作文して、補助金団体を作る。そんな時間があれば今いるところで、給与分だけせめて仕事をしなさいと言いたい。

未読の読者がいたらバックナンバー買えるので注文してみるといい。

http://www.uwashin.com/2004/indexnew.html

日本のタブーの目次を紹介すると、創価学会”鶴”のタブー、宣伝費でマスメディア支配の電通、ジャニーズやバーニングが圧殺する有名芸能人のスキャンダルタブー、遂に現役の高検検事は衝撃告白!検察総ぐるみの公金横領の呆れた実態、電通の知らざれざる暴力団との癒着、狂牛病対策でピンチを乗り切った資生堂マスコミタブーetc

弱者を決して叩かない稀な雑誌であった。

 

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