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新聞やTVではなく、スマホで最新のニュースを知る人が増えていると思います。
新聞はどうしても昨日のニュースになりますし、
TVも知りたい話題になるまで待たなければならず、また見逃したら終わりですが、
SNSならニュースが向こうから飛び込んで来るし、
また、自分で情報サイトにアクセスすることもできます。

一方、新聞社やテレビ局は、インターネットで十分な情報提供ができていません。
特に日本の新聞社のニュースサイトでは、
多くの記事が途中で途切れ、それ以後は有料契約者専用ページになっています。
SNSにも新聞社のアカウントがありますが、これも同様に数行だけ公開し、
残りはニュースサイトの有料記事にリンクされています。
月額料金も、本紙の購読料とほぼ同じで、本紙の購読者も
追加料金を支払わないと有料ページは読めないシステムになっています。
印刷、配達の経費が大幅に浮くにもかかわらず、ネットの利用者が不利になる仕組みです。

海外のメディアは早くからネットに対応してきました。
例えばニューズウィークやBBCは、わざわざ日本語サイトを作って無料公開し、
ニュース需要を取り込もうとしています。
そして、例えばBBCの料金はどうなってるかというと、
amazonプライムやHULU、NETFLIXなど、
動画配信サイトで読んでくれと言ってます。
つまり動画サイトとの情報提供の契約分が売上です。
日本という新しい市場なので、売れた分だけもうけ、
減りゆく読者数を補うなどという縛りはありません。
黒字かどうかは知りませんが、良い戦略です。

最大の問題は記事の質です。どんなに良い記事を書いても、
有料分を読んでもらえなければ、価値はゼロ。
逆に半分の値打ちしか無い記事でも、読んでもらえれば価値は0.5。
このままでは、これまで築き上げてきた寄稿者との関係もゼロになります。
ギャラ以前に、読んでもらえないのなら、書く意味がないからです。
実際のところ、新聞社の評価が下がってるような気がします。
今現在でも、ウクライナのようなことがあると、BBCは
現地に記者を送ってるが...とみられてるでしょう。

検索エンジンや、TwitterなどのSNSも
消費者のニュース需要を取り込もうとしています。
自分たちで情報を提供しなくても、ユーザー同士が勝手にやってくれる情報交換に対し、マスメディア同様の利益を得ようという戦略です。
さらにこれらのメディアは今、徹底的な言葉狩りをして、
ニュースソースとしての質を高めています。
質と言っても、上品に見えればそれだけ裾野も広がるだろうということでしょう。

国内メディアと海外メディアの戦略の差は、
20世紀対21世紀、プーチン対現代国際社会のようなもので
かなうわけがないような気がしますが、
その責任はメディア各社に勤務する若手社員にあります。
頭の固い、高齢な上層部はどこにでもいるはずなので、問題にはなりません。
問題になるのは、自分たちがネットの恩恵に浴していながら、
その効用を説得できない若手社員たちです。
そして、彼らが十分な権限を持つ立場に立った時には、
別な分野でとり残されていることでしょう。
それどころか、組織自体がなくなっているかもしれない。

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