お詫びと訂正・・現代奴隷の目撃写真は6日(日)に変更です。17分間の映像です。

池田清彦「この世はウソでできている」(新潮社)に京都大学霊長類学者の山極寿一教授が人類の戦争の原因を3つ。「所有」「過剰な愛」「言葉」。調べるとこの3つが原因で起きているという。教授には分析が正しくてもそれを止める方法を提示してほしいと思った。永遠に見つからないか?あればとっくに処方しているよね。

10代末から20代初めにかけてジョージ・オーウェルを読んでいたころ、オーエルと同じくスペイン市民戦争を取材していたアーサー・ケストラーという人の「機械の中の幽霊」という本の中に「ホモサピエンスの祖先であるオーストラロピテクスの頭骸骨を調べると、鈍器で殴られた穴があり、同類からの攻撃で殺された模様」とかなんとかの文に出会って強いショックを覚えた記憶が蘇ってきた。その屍累々が人類の歴史に見えてきた瞬間だった。

薄ぼんやりと、人間の歴史は「戦争の無い時代はないな」と思ってる人も多く、18世紀以降のアメリカの歴史で戦争をしていない時期を探すのが大変なくらいだ。第二次世界大戦後も国の外へ行ってドンパチをしている。国内での戦争は、イギリスとの独立戦争と南北戦争、インディアン虐殺、カリフォルニアをメキシコから略奪する戦い。そしてスペインとの戦争、原爆を日本へ落とした後の38度線を作ることになって、日本の経済成長を大躍進させた朝鮮戦争、ベトナム戦争。アフガニスタン空爆、イラク進軍、そしてシリア空爆。ロシアもアフガニスタン侵略やチェチェエン虐殺、中国も新疆・ウィグル族圧殺やチベット仏教徒虐殺、ミャンマーでの仏教徒による少数民族のイスラム教徒ロヒンギャ虐殺、独立はしたけれど部族間の殺し合いが収まらない南スーダン。枚挙にいとまがない。

先日、図書館でこれまで人類が行って記録にあるすべての戦争を原因と内容・結果を含めた戦争の百科事典を発見した。600ページはある大著だ。血だらけの本だ。BC1700年ヒッタイトのアナトリア征服から始まり、1984年のシーク教徒ゴールデン・テンプルの包囲(どんな事件か?)に終わる。「世界戦争事典」(ジョージ・C・コーン河出書房 鈴木主悦訳)

戦争の原因の一つが「所有」というのはよくわかると思う。資源と女の金の取り合い。「過剰な愛」は肉親愛や郷土愛、民族愛か?「言葉」という原因も大きい。コミュニケーションを取れない相手には排他的になりやすから。さらに「言葉」は煽る。広告業界でも、そのコピーで人を動かし、金を使わせ、他のメーカーや商店より差異を強調して、他を排除しようとする。ある意味で言葉の戦争、CMの戦争をしかけているようなものだ。

いまでは映像が加わってタレントが応援団長にもなる。業界は戦略を練る戦士の集団で、本人たちが気付かないと思うが戦争や争いごとが好きだ。たえずイベントを作って煽るのが常識の世界だ。スポーツイベントも疑似戦争・札束取り合い戦争だと思えば、オリンピックの意味がわかると思う。ローマのコロシアムやアテネのオリンピアから政治とスポーツは切り離されたことはない。政治と親和性が一番高いのがスポーツの世界。企業もね。利用し、利用される。なぜなら明確に味方と敵に分れるから、それだけだ。勝ちと負けに分れる、わかりやすい。「過剰な愛」が働き出す世界だ。戦争の言語とスポーツ言語の質は似ている。戦いが好きなホモサピエンス。自分もそういう価値観で生きてきたのだろうか?

 

 

  1. 戦争の元は「欲」。スポーツも同じだが「スポーツマン・シップ」が一見お互いに理性を保っている。時にはエスカレートして暴動を起こすのはサポーターの方だ。戦争を無くするには人間改造しか無いだろう。肉食系動物的頭脳を草食系動物のような頭脳構造に変えられれば争いは少なくなるのではないか。草や木の芽は季節が来なければ食せないからじっと我慢して待つ。一方、肉食系は目の前に自分より鈍感な生物さえいれば「食欲」に任せて襲い掛かる。また同類で弱そうな異性には暇さえあれば「性欲・肉欲」まかせで襲う。人間も全く同じで、目前の煩わしい者を敵?と見なして正当防衛や正義感と言う盾の元にやっつける。「物欲」まかせに領土を奪う。こんな地球上の世界の事もさることながら、家庭でも職場でも学校でも同じ事は起きている。すべては人間の頭脳構造から自分を基準軸において廻りを見てしまうからだ。家庭でもイザコザは絶えない。「言葉」も時として「種火」になったり「起爆剤」になったり「凶器」となる。僕の場合、ずっと以前から、売り言葉は買わないようにと「寡黙の日」を決めている。もちろん火曜日と木曜日だ。

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