歴史のないのが強みのアメリカ。
なぜ、アメリカは世界じゅうに自分たちの価値観を押し付け続けて軍隊を派遣して、第二次世界大戦から、唯一、軍隊を外国へ送って戦争をし続けている国になってしまったのか?他国への深い歴史理解や他民族の過去にあった出来事への同情について、一部マニア的な知性人を除いて(戦後のライシャワー大使などは例外中の例外であった)ほとんど顧慮しない風土だと、米原万理さんのエセイに書かれてあった。
あるとき彼女がアルバイトでアメリカの主要都市の観光パンフの翻訳をしていて『某郡の歴史博物館には、西部開拓者たちの乗った幌馬車が路面に残した轍(わだち)をセメントで固めて展示している』。米原万理さんは、こういうものしか博物館に残せる名所というものがないアメリカを強く感じて『歴史のないアメリカ』が『過去に囚われず、平気で世界各地へ当事者の顔をして、歴史も文化も全然違う他国へ侵入していく』と読み解いていた。(真夜中の太陽、189p~190p)
だから、次々、実験的に新しい価値観や発明物を世界へ送り出す。試験管ベイビー、代理母、臓器移植、IT産業、金融デリバティブ。過去に縛られないから、何でも一番乗りをしてきた、できてきたのだと米原万理さんは感想を述べる。人工国家アメリカである。もう一つの実験国家がソビエト(ロシア)である。しかし、国家は大なり小なり人工ではあるのだが。
だから過去に苦い思い出、悲惨な暮らししか待っていない人たちは自国を捨てて、ユダヤ人も含めてアメリカへ渡っていった。他民族国家になった背景に『歴史のないアメリカ』が、『過去を捨てていらっしゃい、そのかわりちゃんと英語を話して、アメリカの国旗と国歌を歌って忠誠を誓うんですよ』と要求した。
このブログを書きながら、思い出したことがある。なぜ、大学時代の哲学科の教師たちは『どこかアメリカを文化無き野蛮な国家』と見ていた。ギリシャ、ローマから始まるせいぜい2500年くらいまでに残した書物の訓詁学をしていたに過ぎないのだけど。甲骨文字などを見ていると、歴史の深さは殷や周の中国は凄い。アメリカが出てくるのは、フランスの政治学者トクヴィルがアメリカの刑務所制度を研究させるために旅して書いた古典『アメリカンデモクラシー』(1835年)やエマーソン(1840年代)のことぐらいであった。哲学はアメリカを今の言葉で言うとシカトしていた。それは恐ろしいくらいだった。映画と音楽はどんどんアメリカから入っていたのに。
明治になって日本は、鉱山や農業や英語を初め外国語教授、鉄道敷設、考古学などでヨーロッパ、アメリカ、清国からお雇い外国人を雇ったけれど、文化というより文明の作物を移植していた。現在のITやAIにも反映されていいるかもしれない。アップルやグーグル、マイクロソフト、ツイッター、フェイスブックなども実はそうした『歴史を消して、新しい冒険に、過去に引き づられることなく、やりたいものを作るエネルギーを補給しているのかもしれない』。そして世界を席巻して『何、まだフェイスブックを利用していないの?ツイッターは便利よ』という会話が世界で交わされるように支配をしていったのである。
そういう点で、共産党の1国支配とはいえ、中国が『文化の誇りというか、共産党の政治批判を封じるためというか、アメリカ発のSNSを排除する』のは、2000年の歴史が続く中国の凄さだと感心する筆者である。
時代錯誤のブログになってしまったが、本州で暮らしていけない人たちが北海道に渡ってきた。なかには一攫千金を夢見た者も多いし、逃亡の犯罪者もいた。北海道は風土的にアメリカに非常に似ている。ただ、人材が他県同様、中央に剥奪されて超少ない。若い様々な能力を持った人間たちが北海道へ集まれば、革新的なアイディアで、もっと面白い地域が作れる。そのためには、日本に限らず、北海道に住みたい中国人や韓国人、スキー大好きなオーストラリア人などをごちゃまぜにして新機軸を作るくらいの気概が必要だ。羊蹄山の周囲の町々に外国人移住が増えているから、このあたりから何か出てくるかもしれない。ただ、森や水資源を中国人が買うことだけは止めて欲しい。
アドマン。
日本を不動産と言う目で見て欲しく無いですね。特に自然は個人所有して欲しくないですね。個人所有して良いのは、住むだけの家と作物を栽培する土地だけです。東京でしたか?富士山の見える商店街通りにマンションを建て商店街通りから富士山が見えなくなって地元から顰蹙を買い、即、解体撤去事件もありましたが、ましてや地元住民無視の開発はやめて欲しいですね。外国人にしても入植や開発するなら地域との調和を第一に考えるのが礼儀でしょうね。
seto
自然は一度解体されると、戻りませんから。人間自身の肉体も自然ですよ。周りの自然を破壊すると、人自身も同時に破壊されます、時間を置いてね。野生動物が都市にどんどん侵入してくる背景に奥の山が荒れていることがあります。畑のやられます。
坊主の孫。
文化や歴史は自国だけでなく多くの外国からの知恵が関わっているんですね。昔から他国の知恵や技術が無ければ成し得なかったものばかりですね。反対に日本が外国の歴史に一役買ったと言う話は余り聞きませんね。むしろ外国を占領した話はいろいろ有りますが、外国で余計な悪さをするより、貢献する国に成って欲しいものですね。
seto
「もし日本がなかったら世界はどうなっていたか」という本があります。希望はありますよ。ソニーもホンダも海底ケーブルでアジアとアメリカをつないだことも、インターネットのソフト開発で英語から世界中の拳固で共用できる発明も慶応の先生ですよ。縄文文化もすごいし、任天堂も世界に貢献してますよ。また、日本人の自己主張少なく謙虚さ(大谷祥平みたく)も世界に感動を与え続けています。この本、札幌中央図書館い1冊見つけ、予約しました。土曜日、札幌に行き、借りてきます。また感想を書きます。
seto
もう十分、貢献していることが多いと思いますよ。文化も浮世絵がヨーロッパ絵画に与えた影響や仏教建築や江戸の清潔さ、外国人に丁寧であることは明治の外国人の日記に驚くべき人たちだと書かれています。一人の英国人が馬を引く日本人を連れて横浜から北海道のアイヌ部落まで旅したイザベラバードもいて、「どこへ行っても安心・安全」と書いていました。民度の高さは誇っていいと思います。
移住者歴半世紀。
アメリカ人が開拓に貢献した北海道だからでしょうか?最初の印象からアメリカ風だと感じましたね。第一、葬儀式場で椅子に座るのが当たり前でしたし、本州特有の悪しき風習もさほど無く大らかな人達が多く、しかもルーツは皆んな他県出身者ですから。まるでスモール・アメリカ合衆国ですね。歌謡曲でも無いですが、心が病めば北へ。悲しい別れを癒すには北へ。最果ての北へ。と。そうこうして居れば、北の北海道には悲しい人ばかりが集まるはずですが?それが意外にサバサバした性格の人達が多い事?もしかして過去は過去として心機一転。そんな人達ばかりかも知れませんね。
seto
北海道は不思議な土地かもしれません。一番は本州の部落差別がないことです。沖縄と北海道にはありません。西日本が特にひどいですね。冬さえ乗り越えたら天国かもしれません。アメリカがラージ北海道だと思えばいいのですよ。
昔の少年。
歴史が無いのが強みと言う点では北海道はアメリカ並みですね。NGの慣習も無く、大抵の事は何でもOKですから移住者にとっては正に天国ですね。閉鎖的でも無く、排他的でも無く、誰でも快く受け入れる北海道。かつて開拓使として外国人を雇い入れた時のヒントの様に、これからも外国人も含めた移住者や研究者などの受け入れで北海道合衆国を形成できればいいですね。
seto
おっしゃるとおりです。本州の真似をしないよう気をつけたいものです。