小樽風景

現役ばりばりのころは、どこも好景気で札幌の老舗のデパートMのハウスエージェンシーから「営業部長で来ないか」とか「西区の〇〇病院の事務長、180人のトップになれて1000万円の給与払うから来ないか」と30代半ばで話があったが、美味しい話が裏があると思い断った。

その後、デパートMは倒産し、ハウスエージエンシーも別な広告代理店に吸収されるも、その会社も倒産した。病院は、一族経営であったが、父親の財産を巡り裁判沙汰になる。そのときの事務長はどちらについたかはわからないが辞めて、病院の看板も変わった。住宅ローンもあり、子供も二人いて、結婚して3回目の転職でようやく暮らしが落ち着いてきたところなので、保守的な仕事観ではあったが、人間関係にも恵まれていたので、それで十分であった。

話は戻るが、2回目の転職は、議会の議事録を作る会社に在籍するも、首切りにあった女性を職場復帰させるため、組合をつくり、私が組合長をやり民事裁判を起こした。その女性の能力云々が争点であったので、果たしてそれ以外の職員に高い能力が備わっているのか、証拠を集めなければいけない。そのために非組合員の間違いの多い原稿を夜中に会社へ忍び込み、ロッカーから探し出してコピーをし、どの社員も能力には差異はないよという証拠書類を弁護士を通じて裁判所へ提出。

この事件から、会社側はドアの鍵を替えたので、泥棒ができなくなり難儀した。そのときの弁護士が30代であった今の札幌市長である(今期で引退)。1万円の主任手当欲しさに、組合を脱会する人も出た。外からみれば大して大きなことではないが、こうした日常の小さな出来事がトゲのように私の気持ちを刺していく。身近な人の裏切りは精神的にこたえるのだ。この経験から、落ち着いた暮らし、安定した暮らしを求めた。だから、美味しい話も断ることができたのかもしれない。

それにしても、自分が営業職で35年も働けるとは思っていなかった。私の夢は、山の中の小学校と中学が一緒になった学校で、サッカーボールをけったり、学年の違う生徒が同じ空間にいて、おしゃべりをしながら学んでいく教師であった。笑い声が絶えない、先生も小ばかにされながらも楽しい学校づくりが夢であった。しかし、書きながら今、気づいたのだが、職場は年齢も違い、性別も違い、ワイワイ遊ぶこともする。そうだ、山の中の学校だと思えばもう実現していたのだ。笑ったり、笑われたり、歌ったり、送別や歓迎の繰り返し。夢はとっくに実現していたのだ。

  1. 『願わずば叶わず』。願いは叶うもの、僕は幼い頃、家の中で遠くからやってくるクルマの車種を当てたりできるほどクルマ好きでした。社会に出てもクルマを持てる余裕もなかったはずなのに、何故か知らないうちにクルマ遍歴を。幼い時のもう一つの夢は漫画家か画家でした。気づけばその中間のデザインと言う職業に携わり今の自分が在るのです。時代と共に環境変化はあるものの、お互いに、知らず知らずの内に、脳と言う自動操縦装置が心の中のステアリングを動かして軌道修正しながらここまでドライブして来たのでしょうね。さて、この先はどんな道になるのでしょうか?

    • 大脳のどこかに、埋められた映像なり子供のころからの夢や観念が
      きっと働いているのでしょうね。願わば叶わず・・・であっても
      強く思わなくても、もう実現しているのだと、転職の方向が結局
      子供時代の夢に向かっていたとわかったときは、「あれっ!!」
      って感動しました。

    • どんな道が待ってるか、わかりませんが、とりわけ私なんか、突然道が消えていて、橋が落ちていて
      前へいけないというのがつらいところです。ただ、動き回っているといろんな人がいるもので、先日
      もあるおじいさんに相談されたのが、妻が亡くなり、カラオケ仲間の女性(年齢不詳)と同居するこ
      とになったが、「金遣いが荒くて荒くて、どうしよう。いま、エステへ通ってるんだ」だと。地道に
      こつこつ貯めたお金目当てなのはわかりきってるのですが、82歳でもやはり男は男ですわ。

  2. 知らない道へ行くのもまた楽し。たとえぬかるみでも、これまで経験してきたことが必ず役に立つでしょう。一日は短く人生は長い。見知らぬ向こうの世界も自分にとっては人生の延長ですから。(元坊主の孫)

  3. 近所づきあいの悪~い、でも幸せな爺さんがいたそうな・・・。 奥さんには入院先の病院で先立たれ、独り寂しいはずでしたが?この爺さんの特技が近所でも評判のスケベ?好色?女好き?だったそうな。これまでにも何人も血のつながっていない赤の他人の中年の女性が同居していたそうな。女性が変るたびにクルマも新車を買い与え、クルマを貰って去る女性たちも沢山いたが、爺さんの最後の世話をした?らしい母娘もクルマ2台を買ってもらい爺さんの面倒を診ていたそうな・・・。 そんなある日・・・スケベ爺さんは他界したが、30年前、爺さんがピンシャンしていた頃に建てた家は今も健在で最後に面倒を診た、爺さんとは全く無縁のこの母娘が住んでいるそうな。めでたしめでたし。人生何が幸せかは人それぞれ。(元坊主の孫)

  4. 話は違うが。
    笑顔には似合う人と似合わない人がいる。この稿に出てくる市長だった弁護士の人は似合わない人。政治家の小沢一郎さんとか石破大臣も似合わない人。
    業務上の笑顔=意識してする笑顔は笑顔ではないということかもしれない。この2番目の転職職場の会社の偉いさんもおそらく、同じような笑いをするのだろうな。
    市長さんのことから変なところに飛びました。失礼。

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