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Yの真実』(危うい男の進化論、スティーブ・ジョーンズ、岸本紀子・福岡伸一訳 化学同人)の巻頭からこの文章。参ってしまう。全文を書くと『男はがさつ、男は無骨/男はみんなどこか変/男は下品、遊び人/自然がつくった唯一の失敗作!』オペラ『アイーダ』の中の科白だ。

なんだか全部、自分のような気がして、見透かされて、特に最後の『自然が作った唯一の失敗作』にすべて出ている気もする。動物にはオスはいるが、男らしさはホモサピエンスしかない。その正体はY染色体が握っている。本当は男は女になりそこなったものだという事実が述べられる。男は女に寄生して生きてきた。読んでいて辛くなるか、楽になるかそれは各人の置かれた立ち位置や育った価値観によるだろう。聖書で神がまずアダムを作り、彼のあばら骨からイヴを作ったという話があるが、話はさかさまになる。

ただ、生物学では、今日、女ではなく男の方こそが、二次的な性なのだ。男の任務はただ一つ配偶者を受精させること。億を超える精子の中で、競争をして1個だけ卵子に精子の先を入れたら勝ち。疲れる競争を受精前からしている。性染色体は、知ってのとおり女はXとX、男はXとYで、このYは小さくちっぽけだ。男のアイデンティティのY染色体に乗ってる遺伝情報は、全遺伝情報の五十分の一。それも時間とともに衰退していく。

X染色体に比べて遺伝情報を持ったタンパク質は十分の一の数だ。Y染色体の取柄は、胎児に精巣を与えられることくらいだ。男の必須条件がY染色体にはあるんだ。これがない場合は受精卵は女性になる。Y染色体の起源は3億年前(始祖鳥の飛ぶ時代)にさかのぼる。二つのX染色体のうち、ひとつのX染色体は片方の端がYに似ている。Xと、Yに近いXに時間の経過とともに裂け目が生じてY染色体が完成してゆく(21p)。そしてY染色体は傷つきやすい、100人に一人の割合で無精子症が突然変異で現れるが、この部分に関わる遺伝子は『男らしさ』に関わる部分と重なる。(鳥の性染色体は人間と逆でXXはオス、XYがメス)。

しかし、なぜ性に男と女があるのか?そしてこれは書いていて、思いついたけれど、宗教の創始者や思想家は100%、男である事実は何を意味するかという話。アブラハム、モーセ、イエス、マホメット、釈迦、孔子、孟子、老子、ソクラテス、プラトン、アリストテレス。『何か自分に足りない、男には女にない何かを埋め合わせることをしなければという強迫観念』がありそうだ。それもY染色体がそうさせる働きがあるのかもしれない。自分の心の中を覗いてみると何か発見があるかもしれない。『空虚』だ。女性はこれを子供を生むことで埋めているのかもしれない。

子供でもわかる『なぜ、宗教は男の人たちから始まるの?』。言われてみればそうだ。今の自分の待遇に満足していれば、変革とか現在の社会システムに不満は生じないが、モーセはエジプト圧政の横暴に耐えきれず(?)、イエスは旧ユダヤ教徒からの迫害(?)、マホメットは部族間の殺し合いに終止符を打つ(?)、孔子は理想とする周の王政の実現、釈迦は王国を出て世間を見ると苦の現実。『変えなければ、変わらないと』という使命感が沸いて出る男たち。オバマではないが『チェンジ』か。

こういう宗教や思想家の世界に入ると、女性は脇に追いやられる。先ほど、人間の第一の性は女性だと言った、第二の性が現在の生物学では男だと。第二の性であるがゆえに、第一の性を追いかけているように見えないか?そのために、『こっちを向いてよ!』という言説が預言であったり、説教であったのかもしれない。共和党のトランプが必ず3番目の妻と綺麗な娘を横に侍らせるのも何かトランプの男の弱さを見るようだ。トランプは金と女に寄生して生きているように見える。国民よりわが家族第一。西部開拓史時代のアメリカを見ているみたいだ。『大草原の小さな家』。

孔子も約2000人の弟子がいたと言われる。社会や他人を『思うようにしたい』欲が権力欲だとしたら、個人の権力欲の発露が新興宗教や学派の基盤にあって、『注目されたい。女性にもてたい』。その一筋で生きているという陳腐な話に最後はなってしまった。つまらない結論で申し訳ない。『Yの真実』は全324p。まだ40ページしか読んでいないのに勝手に筆者は妄想の世界へ没入してしまった。しかし、この権力欲も女性に伝染して、近年、亭主が膝蹴りを受けたり、『出て行け』と罵倒されたりする夫も増えてきている。大臣にまでなると平気で『電波停止じゃ』とテレビ局を脅す女性も出て来てるから男にとって怖い世の中だ。クワバラクワバラ。中国の『太子党』ならぬ『男子党』の結成を早めないと。せめてブログの中で。アメリカでホモセクショアルが多いのは、無理してレディファーストをするのに疲れているからと書かれたエセイを読んだことがある。西部開拓時代、女性は少なく、取り合いをしていたからね。

原始の昔から、男は損な性かもしれない。Y染色体のおかげで。

 

 

 

 

 

 

  1. 卵が先か?鶏が先か?と問われれば、卵が無ければ鶏は産まれず、鶏がいなければ卵も産まれない。どっちとも言えないし、どっちが偉いのか?と問われれば「大きい鶏」ではないかと思ってしまう。男は大きく強く、狩りや作業をして家族を守り、死んで行き、女は家庭を守り身の回りの世話をして男のサポートをする。しかし、現代はともすれば、女性が稼ぎ、男性が食べさせてもらうスタイルも見受けられる。両方が納得の上の事で、これが決して悪いわけではないが、時代は大きく変わり、大袈裟に言えば「女尊男卑」のようだ。そのうち進化して男性が子供を産む事になるかも知れないと妄想してしまう。いや、育メン運動は既に始まっている。

  2. 男と女の関係は奇妙だ。絶えず男が主導権を握っているように見えるが、実は全ては影の女性に操られているに過ぎない。甘い言葉や手練手管に操られてお調子者で見栄っ張りの男たちは競って虚勢を張って前に出たがる。まるで操り人形劇のように。冷静に考えれば、簡単にわかりそうな事だが、これに気づく男は少ない。利口な男は、これに気づいていない振りをして、女性から甘い点を貰っている。生まれ変わったら、女性の方がトクに決まっている。

  3. 出産前後動けない女の代わりに子を守り養うために男は存在している。種付けするためだけの性ならば筋力も体力も女に劣っている方が都合が良い。
    元々男は育メンとして所望され産み出されたにも関わらず、役割を放棄しオレ強いオレ偉い!と男が勘違いした事で男尊女卑が生まれた。

    最近よく女尊男卑という造語をめにするが、日本の女尊男卑の実態も知らずによく言うものだと笑ってしまう。
    現代が女尊男卑ならば選挙権を返上しなさい。かつて女に選挙権はなかった。
    男の大学進学率も高すぎる。勉学に励むと石を投げられそれでも大学に進むと行き遅れとして近所から爪弾きにされ親から殴られるようになってから女尊男卑が始まったと言って構わない。

    思う存分嬲って良いと思っていた女が対等に発言するようになった途端、弱い者いじめだ!と大騒ぎするとは。格好悪いなんてものではない。

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