パナマ文書
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5月9日に公開されたパナマ文書は、『モサック・フォンセカ』という法律事務所からのデータ流出で、データは2.6テラバイト、ファイル数1150万件で1977年から40年間のデータだ。21万社を含む。
しかし、この会社は世界で第4位の企業でまだ1位から3位の事務所は秘匿されている。私は第4位の『モサック・フォンセカ』でこれほどの激震が走るのだから、1位から3位の企業のデータがオープンになれば(いままさにデータが出ないよう必死であるだろう)、どこまで深い闇が広がるのかということだ。
4月19日のニューズ・ウィ-クは記事の中で『パナマ文書はある意味で、ベールに包まれていた世界の富裕層の(常識)を公にしただけともいえるだろう。彼らの世界では、租税回避地を利用した資産運用は長年受け継がれてきた常套手段だ。国外への資産移転状況を毎年調査している税公正ネットワークは、(21兆ドル~32兆ドルの私有資産が、世界各地の無税、あるいは極めて低い税率の国や地域に秘密裏に置かれている)と指摘している』。
実際、国外の租税回避地に資産を移して金融取引などを行っいてもそれ自体は違法ではない場合も多い。だから、今回のパナマ文書の問題はマネーロンダリングや闇経済(特に武器取引・商人、マフィア・ヤクザの資金洗浄)や本来納めるべき税金を払わない政治家群だ。国民へ納税義務を徹底させて、さらに新税を作り、国民にアナウンスする首相クラスの名前が出ているから大変だ。公務に携わる人間ほど税金を無駄食いする傾向がある、世界中で共通だ。1円のお金を稼ぐ苦労を知らない人たちだ。そして自分の懐から1円が出て行くのを惜しむ。
しかし、遠因を探ると、2009年以降、パナマと自由貿易協定(FTA)を結ぼうとしたオバマ大統領とクリントン国務長官が推進したとされるFTA。パナマの大統領をホワイトハウスに呼んでFTA締結を促したのもオバマだ。当時からパナマとの協定に反対する議員も多かった。パナマは所得税率が非常に低く、銀行機密法があることから、外国人の資産隠しや、違法なマネーロンダリングの温床になりやすい。そのうえ、外国の捜査当局から要請を受けても、協力を渋ることで知られていた。だから、今回の事件の背景にアメリカの政治的なミスが重なっている。
『租税回避地は、所得税率がゼロまたは非常に低いか、銀行機密法があるか、税金問題に関して諸外国との情報交換に応じないという特徴がある』(NGO・税の公正を求める市民連合)しかし、私は証券会社や投資会社・銀行・企業の投資部門、法律事務所、監査法人、商社そういうプロ集団が隠れて(知りながら)金を移動させている図式が浮かぶ。『これは合法的な行為・投資行為なのだ』と。しかし実態はその金の出所は、貧しい国の税金だったり、原油売却金だったり、麻薬密売金だったり、武器売却や核兵器ウラン購入だったり、パナマみたいな超口が堅い国は絶好な条件がそろっている。昔、スイス銀行が、どんな個人の口座を教えないとして有名であったが、いまや旧英国植民地だ。
PS ファイザー製薬は税率の低いアイルランドへ本社移転する予定であったが、国税当局や政治的な配慮もあり本社は米国にとどまることになった。
パナマ帽の貧氏
「ここだけの話」となれば、自分だけが知る秘密にすり替えられ、また他人に「ここだけの話」と連鎖は広がる。蟻の穴から堤防が決壊するように。パナマ文書は一瞬のうちに世界に広がった。現代のネット社会では秘密を保つ事は相当に難しい。秘密と言えど真実の暴露だからあらゆるところに波及して来ているようだ。一方、デマ、ガサネタも広がる怖さがあるのがネット社会だ。誹謗中傷はもちろん、妬みや恨みに利用されれば、もはや犯罪になる。守秘義務や個人情報の扱いが云々されて久しいが、法律などで縛れば縛るほど情報価値が高くなり漏洩するのも機密情報だろう。タイプライターで打った文書を保管した時代より、コンピュータのHDに保存する現代は、むしろカギのない金庫のようなものだ。腕のいいハッカーにとっては格好の標的になるのだろう。
仕事人
パナマ文書には全く関係もなく興味も無いが、身近な人に聞いた話では、道内企業のトップが引退してモンゴルに移住した話を聞いた。理由は資産隠しと税金逃れとか言っていた。時々帰って来て知人と一緒にお酒を飲むらしいが、僕たちには遠い話だ。パナマ文書とは雲泥の差の話になるが、昨日の舛添氏の弁解記者会見では、間違った帳簿記載箇所のみ訂正して僅かな部分の金銭さえ返金すれば自分は潔白、経理責任者のボンミスが原因だが、高齢で辞めている本人は責めたくないとか?当の本人が第三者の立場にすり替わってモノ申す姿を見て人格を疑うと同時に「この人、北海道知事にならなくて本当に良かったな」と、以前の北海道知事選に立候補していた事を思いだした。それにしても、今では、記者たちの質問もぬるくなったものだ。聞くに堪えなくなり途中でTVを消してしまった。お金に困っていない者ほど、僅かなお金にも執着する姿を見せつけられても、我々底辺の人間には何んのトクも無いどころか時間の無駄だ。公費をちょろまかしても「謝れば警察はいらんのか?」