人は年齢を重ねるとともに人間嫌いになる

東浩紀著「クオンタム・ファミリーズ」(量子家族たち)(新潮社 87p)。ロシアのSF作品に世界がすべてがロボットで管理される世界になり、経済はロボットが支え、人間は広大な惑星に一人が一つの星に住んでいるSFが紹介されていた。社交は遠隔通信で行われ、性行為は不潔なこととして忌避される世界だ。惑星一つに一人とはなんとも贅沢で荒涼とした人生だが、人間同士の直接の触れ合いがなくなる世界ってどうなの?ということでもある。そもそも一人では生きられないのがホモサピエンスではないか。SFの世界はそれとして,私は営業の世界が長く、4つの企業で働いたが、面倒な人間関係であったが、テキトーに泳いできた。そして一人になれて帰れるときの喜びはあったものの、不思議なのは土日の休みより働いているほうが充実していた。反動は子供と遊びの時間が少なくて、妻の価値観が共有されている子供たちから半分軽蔑されている夫であった。どうも子供との会話がぎくしゃくしていてよそゆきだ。ストレートではない。愛犬コロとの会話のほうがスムースであった(13歳で死去)。それで表題の「人は年齢を重ねるとともに人間嫌いになる」という仮説だ。たぶんそれは自分を内省する時間や機会が増えて、他人との関係で、自分自身が自分で嫌になることから、他人と会いたくなくなる、面倒くさくなるのが原因かもしれない。歳を重ねると、自分の才能のなさや非力さに外に向かっては大声で「おれは馬鹿だ」とは言わないが、そこを見せたくないばかりに「人間嫌いになる」という説明だが、納得するだろうか?他者は自分の鏡だから、見たくないのだ。さらに追い打ちをかけるのは、若いときにあってはつらつな会話ができたのに、顔にしわも増えて老けた顔を見せたくないと言うプライドも邪魔をしている。若いときは「どうだ、すごいだろう!」だったが、いまは「棺桶に足を半分突っ込んであがいています」と自虐に変わる。人間嫌いになるわけだ。歳をとるとろくなことがない。電車で優先席に座れるくらいだ。よっこらしょっと。

2 thoughts on “人は年齢を重ねるとともに人間嫌いになる

  • 2021年11月21日 at 11:59 PM
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    年齢とともに自分愛から次第に自分嫌いになるのは、多分昔の写真や映像のイメージが頭に刻まれているのに、鏡や写メなどで映し出された現在の自分とのギャップに驚いてしまった後遺症ですね。若い時から地味な人にはさほどのギャップもありませんからそのような後遺症も副反応も無いのではないでしょうか。それほどまでに自分を好きになる必要も無いかも知れませんが、他人の目さえ気にしなければ絶望する事もないでしょうね。他人の事は良い所も悪い所もよく見えますが、自分の事はとかく見えないものです。それに、自分が思っているほど他人様の目は自分を見ていない筈です。むしろ他人様を自分の鏡と思って、他人を見て自分を振り直せば良いのではないでしょうか。

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    • 2021年11月22日 at 12:06 AM
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      たぶん人間の本性が人生経験を積むと、いろいろ見せられて、それが自分にもあることに気付いて嫌になると言うことだと思います。文学者や哲学者はそういう人であふれています。日常、それを隠しながら偽善的に生きてる人が多数かもしれませんよ。

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