いまの時代をあらわすと、「狭い所にいる」「息苦しい」「もっと新鮮な空気を吸いたい」「自由感をもっと味わいたい」「押さえないでくれ」「なんでも命令や管理的な発言をしないでくれ」。
夕張市石炭の歴史村に「模擬抗」があった。エレベータで石炭を掘っていた場所に下りて、その穴の中を実体験する。疑似的に地下深く潜る体験をする。エレベータに入っただけで私は具合が悪くなった。下りると最深の掘削現場に着くという想定だ。息苦しさが倍増して、私は走って穴の外に出て深呼吸。子供と妻から笑われたことがある。持病のパニック障害が出てしまった。「閉所恐怖」「過呼吸で息苦しい」「心臓がバクバクする」「広い外へ出たい」「一度にたくさんのことを求めないでくれ」今の時代や社会を現わす雰囲気とそっくりな現象である。
2020年の1月末のさっぽろ雪まつりを境に、新型コロナが札幌市内で増えた。中国人や台湾人、東南アジアからの観光客で札幌駅前は人の渦。通勤するたびに「ここはどこの国だ」と思ったものである。中国の春節と重なっていたのでどっと押し寄せてきたのである。観光客に圧迫されて、人混みも苦しかった私。しかし、居酒屋を経営する酒問屋や飲食店は壊滅的だった。酒問屋の役員も「さっき、福岡の同業の人と話したが、いつまで店が持つか自信がない」ときっぱり。それは2022年1月の現在もオミクロン株が広がってまた飲食店がいじめられている。飲食店での感染はわずかなのに、人身御供にさらされている。中世の魔女狩りみたいなものだ。60%は家庭での感染だ。休業補償費をもらわないと倒産していた企業が続々。コロナ太りの(出演謝礼太りの)解説者だらけ。2年以上、顔を出して同じことを言い続けている。誰かの不幸で誰かが儲ける。これはもうコロナの貧困ビジネスの世界だ。
藤田孝典「コロナ貧困」~絶望的な格差社会の襲来~(毎日新聞社)を読み始めた。本の1行目が「死にたいほどつらい」から始まる。「生存のためのコロナ対策ネットワーク」や「反貧困ネットワーク」で仕事をしている彼に毎日のようにメールが届く。失業や貧困、貧困からくるDV、うつ病で「どうにでもなれっ」という人生観にはまる。生活保護を申請するために同行する藤田さん。家賃も払えず、帰る実家のない人も実に多い。リモートで仕事があって毎月の給与が出る世界とは全然違うところで生きている人が山のようにいる。豊かな人はそれを見ないようにして、知っていても知らんぷりをして生きている。そういう人が絶望的になって犯罪に走っている世の中だということは認識しておきたい。



