産業自衛隊というアイディア。

 

ハウスで育つレタス

2年前に森林に関する官民の合同会議を聞きに行ったことがある。ご存じのように森がなければ酸素を補給しない死の世界に地球はなってしまう。日本の国土の約70%は森林である。それを基本にして、ある民間の木材会社の社長が道庁の林務部の人に『樹を植える人がいません、一日10000円でも来ないのですよ。外国人労働者も考えたのですが危険な労働、万一事故でも起きたら保険が適用されなかったりして、雇用が禁じられているのです。そこで、どうですか、高橋知事(当時の北海道知事)に自衛隊に木を植える作業を頼めませんか?真面目に言っているんですよ。』聞いている私はなるほどと思った。その話をアイディア豊富な知人にすると『産業自衛隊構想』について語りだした。『元々、自衛隊は周りの市町村に依存をしないで、独立して暮らしを営めるよう訓練されている。火の管理、水、食料、炊事、テント、お風呂までセットできるなどどこへ行っても不自由なく生きられる。緊急事態が起きれば、災害が起きれば、それら一式を積んで現地に駆け付ける。森の緊急事態なら、自衛隊を出してもOKと思う。それは植林だけでなくてあらゆる産業で働けるのではないだろうか』という産業自衛隊構想だ。というのも自衛隊の定年は53か54歳だ。次の仕事を探すのが今は大変。そこで『産業自衛隊』という組織があれば、まだ元気なうちにそちらに転職して、人手不足な第一次産業を中心にした分野で活躍し放題だ。近所の農家のご主人に産業自衛隊について話すと、『いいですね、私どもジャガイモ農家も収穫期、借りたいです。近所の園芸農家もいまベトナム人が来ていますよ。ぜひ、産業自衛隊構想を実現してほしいですね』。近郊は現在、アスパラガスのハウス栽培真っ最中。アスパラガスの本州送りも始まる。農家のご主人から聞いたが、1本のアスパラガスは10年は収穫できると言っていた。初めて聞いた。農作物について無知な私で恥ずかしい。生きる基本の食糧について、もっと小さなころから教え・体験させ、日本の食糧自給率をせめて80%へ持っていかないと、今回の新型コロナウィルス拡大で、各国が鎖国状態になると米はいいとして、国民の飢えが現実味を帯びてくる。産業自衛隊構想は、そういう国民が飢えないよう、森を再生させる働きに大いに役立って欲しい願いから発想された。

友にして悪き人、良き人。兼好法師『徒然草』から。

友にして悪き人、良き人。兼好法師『徒然草』から。

小谷野敦著「友達がいないということ」(ちくまプリマー新書)を読んでいたら、昔、古典の授業で習った兼好法師「徒然草」のなかで、有名な友達にして悪い人はこういう人だと述べた文章が引用されていて、古典嫌いの私であったが(蓄膿症の漢文教師の話に眠くなった)、この部分は印象に残っている。

「友とするに悪(わろ)き者、七つ、有り。一つには、高く、やんごとなき人。二つには若き人。三つには、病(やまい)無く、身強き人。四つには酒を好む人。五つには、猛く,勇める兵(つわもの)。六つには、空言(そらごと)する人。七つには欲深き人。良き友三つ有り。一つには、物くれる友。二つには医師(くすし)。三つには知恵ある友」(第117段)

偉くなって頂上を極めたような人は親身に相談になかなか乗ってくれないもの。若い人も経験不足で頼りない。病気をしたことがない心身屈強な人も病人の気持ちを理解できず、意外に冷たい人間だ。酒飲みも避けた方がいい。猛々しく戦や戦いを好む人もだめ。嘘つきはもってのほか。欲望が底知れない人も避けなさい。

知人はたくさんいても、その中で「友達」は誰となると答えにくいもので、こちらが友人と思っていても相手方は、そうでもないという経験は何回もあるから難しい。しかし、1年に1回会っても、すぐに昔の感覚で入れる友もいるから、こちらのほうが友達に近い気もするがどうだろうか。一見、知り合いが多そうでも、利害が背後にあって無理して付き合ってる場合も現役時代は多かったから、内実は早く一人になりたいのが本音であったりする。50代の半ばに大学の食堂に昼ご飯を食べに行った。窓際の席が一列、外に向かっておひとり様席であったのにはびっくりした。一人で食べるのに4人席に座って一人で食べる習慣であった私の学生時代と違い驚いた。

大手の広告代理店やテレビ局になぜあんなに体育会系の社員が多いのか?兼好法師に言わせると三番目と五つ目。病なく、身強き人、猛(たけ)く勇める兵(つわもの)、さらに酒飲みも多いときているから、友として悪き人に入るかもしれない。私の経験から半分当たっているし、六つ目の空言(そらごと)も多い。

最後に友達として良き人だが、1997年北海道拓殖銀行が倒産したときに、その張本人として名指しされた大阪の焼き鳥屋から這い上がった「五えんや」中岡信栄社長へ2000億円の融資をした拓銀系列のノンバンクエスコリース。中岡はとにかく金をばらまく。兼好法師によれば物くれる人だから良き人になる。ホテルのボーイにもチップで5万円、新聞記者へも50万円、芸能人へも一度に300万円、500万円、1000万円。もちろん政治家へも金をばらまいた。たくぎん倒産時、5年間で350億円の使途不明金が発生している。不思議なのは、お金をばらまいて反対給付を求めていない点である。これだけするから○○をしてくれとは言ってない。ぽんぽんお金をくれる。配ったのはみんな拓銀の金である。『中岡は金をくれると噂されて多くの人が寄ってきた』。筆者の横に彼みたいな人がいて「100万円上げる」と言われたら迷いながらもらってしまうかもしれない。だって兼好法師が良き友の第一条に書いてあるから。

貧困層急増の未来でUBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム) 3回目

新型コロナウィルスの災禍で増え続ける失業者

2019年10月28日付け、田中宇さんの世界ニュース〈無料版)から。sakai@tanakanews.net

田中宇さんの配信ニュースを読んでいて、2020年秋のアメリカ大統領選挙後にリーマンショック以上の金融大危機に備える話が書いてある。その不況がたぶん20年以上に渡って世界を覆い、失業者の急増や暴動やデモで産業界や政府、金融機関が無策を取り続けるだろうが、しかし、UBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)という制度で国民全員に毎月500ドルや1000ドルの現金支給をし、購買(消費)を後ろから支える制度がマジメに議論されている。

日本はリーマンショック以降、30年に渡って不況が続いている。配信ニュースでは共和党のシンクタンクでも20年後米国の失業率は50%と予測。怖いのは飢えと貧困で、〈現代でもそうだが)十分な食糧と水が不足するのは50億人と予想されている。経済を支える大量生産と消費の構造が崩壊する(いまでも物が売れない)ことで労働者の所得も減り、失業者も増えて、失業保険を支給される暮らしでは食料品以外は買えない。AIによって労働者が要らなくなるから失業するのではなくて、バブル崩壊が水面下でもう起きていて、それを隠すために各国は地球温暖化やAIロボットが仕事を奪うなどの理屈で目くらましをしているだけだと田中宇さんは言う。パソコンが導入されたとき失業の恐怖が職場にあったがそうではなかった。そこで昔から議論があるベーシック・インカムだ。仕事をしてもしていなくても生きるための最低の所得保障を国がしようという制度だ。その上に働いて得た収入で暮らしていくというもの。それを地球規模で構想されているのがユニバーサル・ベーシック・インカム。

アメリカはソビエトとの冷戦後、そうした社会主義的な制度を嫌う国民であったが、ここにきて国内からベーシック・インカムが出ているのはよくよくのことである。民主党大統領候補バーニー・サンダースもこのプランを出している。大学の奨学金返済(平均300~400万円)に苦しむ学生に支持者が多いのもうなづける。60歳を過ぎても学生ローンを返済しているアメリカ人が300万人もいる。(恥ずかしながら私も娘の奨学金返済完了は65歳)日本でも返済ができず自己破産をする学生が後を絶たない。高い授業料と生活費で親からの仕送りも少なく(あるいは全くなくて)アルバイトに明け暮れて中退する学生もいる。残るのは借りた奨学金。大学は通信費もかかる。スマホやパソコン維持費だ。これがないとレポート提出もままならない。

これから、田中宇さんの2020年の金融危機予測〈大不況)が当たれば、恐ろしい世の中が出てくる。最近、スマホ決済を促す政府のPRが凄い。方針の裏にあるのは、〈物を買え〉である。表面では5%引くよ、世界はもう現金は持たない楽々時代なのよ、遅れないでねというメッセージ。内実は、あなたの預金を市中に出してくださいである。タンス預金を減らしてね・・である。なぜならカード時代でもそうだが、通販でもそうだが、〈ついつい買ってしまい、給与が振り込まれても残金が無いか目減り〉の体験はないだろうか?私はリボ払いで失敗した。国民にたくさん消費をさせて生産者や小売店に金を回して、金融危機の発生を少しでも遅らせる政策かもしれない。国民が金融危機の本質に接近しないよう関心をそらす誘導でしかない。特に40代の働けない引きこもり人口が60万人いて、将来、生活保護費をもらう暮らしになるのは目に見えている。親も引きこもりの子どもために本来、外で消費できる余裕があっても子供の生存のために残す選択をするから、消費は冷えていく。(母さん、僕の生存のために無駄遣いは止めてね)(ある引きこもり息子)